初っ端のシーンから、ものすごい表情で女性同士の取っ組み合いの喧嘩で始まります。最近、フィリピン映画を見過ぎて感覚がマヒしてきたのか「そうそう、これでいいんだよ」と思ってしまいました。フィリピン映画の、そしてフィリピン女性の良いところは、本能のまま怒り、暴れるかと思えば、自分の過ちを心から悔いてボロボロに泣き崩れ、また嬉しいことがあれば、全身で大喜びをするところですよね。本作は、2人の女性が親友となり、様々なことを経て、やはり心から親友であり続けるという話です。とても良い映画だったのですが、本作も致命的な問題があります。というのは、現在、主要なプラットフォームではAmazon Prime Videoのレンタル(400円)でしか見ることができないのですが、なんと自動生成の日本語字幕しかありません。同じく自動生成の日本語字幕しかなかった「Quezon’s Game」よりは、ストリーが簡単なので、それほど困らないとは言え、やはりストレスは大きいです。ある程度の英語リスニング能力がある方が良いでしょう。また、あとで知りましたが、現在Youtubeで無料公開されています。そちらの英語字幕の方が見やすいかもしれません。無料ですし。
ストーリー
(ネタバレ)マリエルとディーナは、学生時代からの親友です。マリエルは理知的なタイプ、ディーナは感情で動くひょうきんなタイプです。2人は永遠の友情を近いあうのですが、学生時代の終わりに2人の関係は破綻します。マリエルは、金持ちの写真家と結婚して、見た目には成功した人生を歩み始めるのですが、義母に拒絶されていて、内心は孤独感にさいなまれています。そんなとき、結婚式のためディーナがやってきます。常にマリエルのために行動するディーナは、マリエルの心を明るくし、再び2人の友情が再開します。しかも、その結婚式のときに、マリエルの夫の兄と出会い、ほどなく2人も結婚することになりました。そして文字通り姉妹になったのです。ところが、義母は天真爛漫なディーナを愛し、あからさまなひいきをするので、2人の関係がまた怪しくなります。しかも、マリエルが子供を流産してしまいます。なんとかマリエルを慰めようとするディーナですが、空回りしてしまい、再び2人の関係は壊れてしまいます。その後、大変なことが起きてしまいます。というのは、ディーナの夫が飛行機事故で急逝してしまうのです。自分を責めるディーナと、それを慰めようとするマリエル。2人のポジションが逆転します。これで、2人の関係は戻って「Unbrekable」だったのだなと、安心して見ていたのですが、またしても大変なことが起きてしまいます。元々やや理知的すぎて拒絶的な傾向があったマリエルですが、流産後さらに拒絶的になっていました。そこで孤独を感じていた夫が、アルコールに依存するようになっていました。また、夫を失ったディーナも自分を責め、また酒におぼれてしまいます。そして、ある日、酒に酔った2人は関係をもってしまいます。さらに悪いことに、その後ディーナの妊娠が発覚。2人の友情も、夫との夫婦生活もすべてが終わってしまいます。しかし、それから7年経って、マリエルに1通のメールが届きます。
監督、出演者情報
監督のMae Cruz-Alviarは、Rewindを撮った人なんですね。Rewindはフィリピン映画史上2番目の共興収入を誇る映画です。フィリピンらしいラブストーリーに、大人の苦みを加えた作風が得意なのでしょうか。中年男性にも見やすい作風ですね。今後も見ていきましょう。マリエルを演じたAngelica Panganibanは、1984年生まれ。本作の公開が2019年ですから、撮影が2018年としても当時34歳ですか。とてもそうは見えません。綺麗な方ですね。たくさんの映画に出演していますが、これまでに私が見た映画の中では、アニメ映画「ニャンてこと!」で主人公の声を演じただけでした。ディーナを演じたBea Alonzoは、1987年「A Second Chance」でヒロインを演じた彼女でしたか。彼女の方は体型が変わりすぎで、もはや同一人物に見えません。
作品情報
オリジナルタイトル:Unbreakable
公開年 2019年
監督 Mae Cruz-Alviar(Rewind)
主なキャスト Angelica Panganiban(ニャンてこと!)(Love Lockdown)
視聴可能メディア Amazon Prime Video(レンタル)(自動生成の日本語字幕のみ)
Youtube(英語字幕)