フィリピンの独立記念日(6月12日)に読むべき書籍、マンガ

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6月12日は、フィリピンの独立記念日です。そこで、なぜこの日が独立記念日になったのか、フィリピンの独立革命とは何だったのかについて、3人の人物、ホセ・リサール、アンドレス・ボニファシオ、エミリオ・アギナルドに焦点をあて振り返りたいと思います。また、関連本のおすすめも紹介します。幸いなことに、前2者については、漫画化もされていて非常にとっつきやすくなっています。

この記事は書籍、マンガについてですが、フィリピン独立記念日に見るべき映画についてもまとめましたので、こちらから見てください。

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フィリピン独立革命とはなにか?

16世紀後半からスペインの植民地となったフィリピンですが、19世紀後半から植民地政策への反抗が世界的に巻き起こるなかで、フィリピンでも同様の運動が始まります。その中で思想的な柱となったのが、医師、作家、芸術家でもあったホセ・リサールです。ホセ・リサールは、スペインに留学中に、スペイン統治における腐敗を糾弾した小説「ノリ・メ・タンヘレ(我に触れるな、という意味)」(1887年)と「エル・フィリブステリスモ(反逆、という意味)」(1891年)を執筆しました。これらの小説が、フィリピン独立運動の思想の柱となったことを察知したスペイン政府は、ホセ・リサールを逮捕し、1892年月6日ミンダナオ島のダピタンへの流刑にしました。

リサール逮捕によりフィリピン同盟に参加していたアンドレス・ボニファシオは改革運動に見切りを付け、流刑の日の1892年年7月6日、フィリピン独立を求める秘密結社カティプナンをマニラ市内トンド地区で結成しました。しかしカティプナンの存在はまもなくスペイン当局の知られ、スペイン官憲による弾圧が開始されます。進退窮まったボニファシオらは同年8月30日に武装蜂起を開始(サン・ファン・デル・モンテの戦い)し、これにより独立革命が始まったのです。

当初、マニラ市内の戦いではカティプナンは苦戦を強いられたものの、マニラ近郊のカビテ州に革命が波及すると独立派は勢力を巻き返し、同年10月にはこの地方のカティプナン組織をまとめていたエミリオ・アギナルドらによってカビテ州東部の支配が確立され、ボニファシオを中心とするカティプーナン組織から分離して独自の勢力を形成しました。これをみたスペイン当局は、流刑地からマニラに召喚したリサールを反乱教唆のかどで同年12月30日に処刑し、独立派の反発を一層かき立てることになったのです。つまり、ホセ・リサールは一度も革命戦争に関わったことはありません。

リサール処刑の前後から独立派内部の抗争が顕在化し、独立派内の上層階級を代表するアギナルドと下層階級を代表するボニファシオと独立革命の指導権をめぐり激しく対立することになります。アギナルドはもともとスペインによりカビテの町長に任命された人物で、フィリピン人の富裕層を代表する立場です。したがって、ボニファシオ派による社会改革の要求についても、みずからの社会基盤を脅かしかねないものとして冷淡な態度をとっていました。結局、スペイン植民地軍との戦いで勝利をおさめていたことから政治的優位に立っていたアギナルド派が会議で優勢となり、1897年にアギナルドは革命政府大統領に選出されました。敗れたボニファシオはアギナルドと袂を分かって独自の革命を目指すことになりましたが、アギナルドは彼らを捕らえて処刑、独立派の全権を掌握しました。そして、翌1898年6月11日に独立宣言を発し、彼が発した独裁政府の大統領に就任しました。

しかし、ややこしいことに、同じく1898年4月25日に起こったキューバ革命を契機に、アメリカとスペインのあいだで戦争が勃発します。アギナルドはスペインを打倒するために、アメリカと連携することを選択します。アメリカ軍との連携で、スペイン軍を追い出すことはかなったのですが、その後アメリカがフィリピン独立を否定して、今度はアメリカ軍とのあいだで独立戦争が再開することになってしまいます。アギナルド派のフィリピン軍で最も活躍したアントニオ・ルナ准将は、アメリカ軍からも「フィリピン共和国において有能で最も攻撃的な将軍」だと評価されています。結局、フィリピン独立戦争は、小さなゲリラ戦を含めるとその後も続き、アメリカが植民地支配体制を確立したのは1910年ごろのことでした。

つまり、ここまで長い文章を読んでもらいましたが、フィリピンはこの独立戦争を経て、独立したわけではありません。本当にフィリピンが独立したのは、日本軍の侵攻を経て、太平洋戦争終結後のことです。

ホセ・リサール

ホセ・リサールと言えば、何といっても小説「ノリ・メ・タンヘレ」が有名です。さすが日本ですね。この本も翻訳されています。東南アジアブックスというシリーズの1冊目が、本作になっています。しかし、現在のところオンラインで購入できるものはありませんでした。図書館にはあるんじゃないかと思います。もう1冊の小説「エル・フィリブステリスモ」も翻訳が出ています。こちらはAmazonで中古本を買うことができますね。さすがに買いませんでしたが。書籍では、「見果てぬ祖国」だけが、電子書籍化されており、お求めやすくなっています。マニアック過ぎますが、電子書籍ならばわずか693円ですから、フィリピンファンならばコレクションする価値がありますね。私も購入しました。まだ読めてはいませんので、読んだら記事を書きたいですね。

Kindle版


見果てぬ祖国

また、いくつかホセ・リサールの伝記的な書籍もありますが、私個人としてはぜひおすすめしたいのが、マンガ版のホセ・リサール本です。歴史的人物とは言え、フィリピンの偉人なのに、マンガ化されているというのには、驚きです。Kindle版ならば231円。スキマというブラウザで読むマンガならば無料で読むことができます。それぞれリンクを示しますね。

Kindle版


ホセ・リサール【単行本版】

スキマへのリンク(ホセ・リサール漫画

スキマというサイトでは、ホセ・リサールのマンガは「待てば無料」、つまり毎日配布されるポイントをためることで、無料で読むことができます。しかし、はじめて無料登録した人ならば、「待てば無料」も配布されたボーナスチケットを使って一気に読むことができます。すでに、サイトに登録していてポイントを使い果たしているという人は待って読みましょう。

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アンドレス・ボニファシオ

アンドレス・ボニファシオは庶民出身の革命戦士ですので、著作は残していません。しかし、日本語で彼の活躍を読むことができる本があります。アジア英雄伝という本で25人紹介される中の1人として登場します。こちらは、電子書籍版がないので、私もまだ未購入です。

Amazonへのリンク


アジア英雄伝: 日本人なら知っておきたい25人の志士たち

驚くべきことに、アンドレス・ボニファシオについても、日本で漫画化されています。どういう需要があるのでしょうか・・・。こちらはKindle版がありません。しかし、スキマでは、アンドレス・ボニファシオについては、「いつでも無料」で読むことができますので、待ったり、ポイントを買う必要もありません。スキマのリンクを下に示します。しかし、リンクから飛んでアドレスを見てください。アドレスがひどいですね。joserizal-2となっています。ホセ・リサールのおまけみたいな扱いですね。

スキマへのリンク(アンドレアス・ボニファシオ漫画)

エミリオ・アギナルド

エミリオ・アギナルドも本を書き記したりはしていませんが、そんな彼について日本人が1冊本を書いています。つくづく日本人というのは異常な民族ですね。しかも、この作者の渡辺孝夫さんは、これ1冊しか書いていないようなのですが、いったい何者なのでしょうか?リンクを下に示しておきます。エミリオ・アギナルドについては、マンガにまではなっていないようです。


フィリピン独立の祖アギナルド将軍の苦闘

まとめ

長々と紹介しましたが、結局はホセ・リサールとアンドレス・ボニファシオのマンガを読めば十分と思います。エミリオ・アギナルドについては、本人について2本、旗下の将軍を主人公に映画が2本製作されています。特に部下を主人公にした映画は、面白いと評価されていますので、そちらで知るのが良いのではないかと思います。

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