
本作は、なかなか楽しむのが難しい映画です。高校生くらいの青年が、友達の母親を好きになり、恋人になるというお話だからです。しかも、驚くべきことに、その友達(男)が好きなのは、主人公の青年であるという三角関係です。というか、むしろ自分の好きな友達が、母親と恋人になることで苦悩する青年が真の主人公かもしれません。せめて、母親役が美しければ良いのですが、普通のおばさんです。彼女は映画公開時に45歳です。リアルすぎでしょう・・・。この映画を楽しめる人は、ペタジーニくらいじゃないですか? また、画面にモザイクがかかるようなシーンが、おばさんとのシーンにはなく、男同士のシーンにのみあります。なんだ、それは・・・。
「美しい母の秘め事 シークレットセックス」のストーリー
ミゴイとポルは親友です。一緒に勉強することがあります。ポルは、心臓の重い病という設定です。その時に、ミゴイはポルの母親(クレア)に恋してしまいます。若さゆえか、熱烈にアタックするミゴイに、クレアはあっというまに陥落します。若い男に熱烈に愛の告白をされると、付き合ってしまう中年女性の気持ちはわかる気がしますね。この関係は当然ですが、当初ポルにはひみつだったのですが、すぐにオープンになります。せめて、この関係がタイトルどおり秘め事だったら、まだエロい雰囲気があったかもしれませんが、すぐにオープンになることで、主題はポルのミゴイに対する恋心の問題にシフトします。当初は悲しみに暮れるポルですが、母も親友も愛する人なので、やがてそれを受け入れます。ところが、クレアが息子の気持ちを知ってしまい、クレアは自分が身を引こうとします。当然、この行動は、ミゴイだけでなく、息子の反発も受けてしまいます。「なぜ、母さんは自分をいつまでも子ども扱いするんだ。僕は自分が好きな2人に幸せになって欲しいんだ」と。
(ネタバレ)しばらく3人は楽しい時間を過ごすのですが、ポルの病気が悪化して暗雲が立ち込めます。医師の診察の結果、ポルの命はもう長くないことがわかります。クレアは、息子が生きているあいだに、息子に恋愛も経験して欲しいと考え、ミゴイに息子とセックスすることを依頼します。驚くミゴイですが、これは断れない依頼ですよね。ミゴイとポルは身体で愛し合うことになります。このシーンがもっとも直接的に描かれていて、いったいどういうターゲット向けの映画?と思いました。最高の経験のあとに起こることは、誰にでも予想できますね。ポルは息を引き取り、最後はミゴイとクレアの結婚式で終わります。
いろいろ思うところがありますが、せめて秘め事という要素がもっと大きければ、同性愛要素がなく、普通に男側の両親が反対するとか、2人が世間のハードルを乗り越えていくという要素があれば、などいろいろ思ってしまいますね。タイトルと、見る人の層がまったくマッチしておりません。ちなみに、オリジナルタイトルは、「May-December-January」。全然違いますね。日本語タイトルを付けた人の責任でしょうか。おそらく、5月にミゴイとクレアが恋人になり、12月にミゴイとポルが関係を持って、1月にポルが亡くなる?あるいは、ミゴイとクレアの結婚式、くらいの意味が暗示されているのでしょうか。
「美しい母の秘め事 シークレットセックス」の作品情報
オリジナルタイトル:May-December-January
公開年 2022年
監督 Mac Alejandre
主なキャスト Andrea Del Rosario
Gold Aceron
Kych Minemoto
視聴可能メディア Hulu、Lemino(見放題)(日本語字幕)
U-NEXT、Rakuten TV、DMM TV(レンタル)