作品の背景
本作も、2023年マニラ夏の映画祭で、フィリピンの映画館で見たもので、残念ながら現時点では日本で見ることができません。そのうち、VPN接続をしてフィリピン版のNetflixや他の国の動画配信サービスで視聴できるかという情報も加えていきたいと思っています。同じタイトルのアメリカ映画がありますが、そちらは1951年制作なので、間違うことはないでしょう。
ストーリー
本作ですが、なかなか良くできたコメディでした。結婚式を明日に控える家族と、ニューハーフの旅の一座が交通事故を起こし、新郎、お父さん、信仰心の強い妹の魂が、ニューハーフのお姉様3人と入れ替わってしまいます。お姉たちは、家族に車の修理費を払うためニューハーフコンテストに優勝して賞金を稼ぐ必要があり、家族はもちろん結婚式を無事に執り行わなければなりません。期待通りにお姉たちがいろんなことをやらかしてくれます。なんやかんやで乗り切って、いつもとの体に戻れるのかと思ったら、次の日食が来る7年後。このあたりがのんびりしていてフィリピンらしいですね。放置もできないので、みんなで一緒に住み、7年のあいだにすっかりくだけた家族になりました。自分の見た限りでは、フィリピンコメディはお約束ギャグみたいなのが多かったですが、これは構造化された良いコメディでした。お姉のキャラに頼りすぎとは思いますが。
フィリピンのニューハーフ文化
私はあまり詳しくはないのですが、フィリピンはタイなどと並んで、ニューハーフ文化が強いところで有名ですね。飲み屋の女の子だと思っていたら、男の子だったいう話は時々聞きます。そう言えば、フィリピンでニューハーフショーみたいなものはあるのだろうかと思いついたので、Googleでニューハーフショーについて検索してみました。どうやら、コロナ前には2件の劇場があったようですが、コロナ中につぶれてしまって、現在はないようです。そのうち復活するとは思います。フィリピンには、いわゆるニューハーフがたくさんいるのですが、コロナ前でもニューハーフのショーパブが2件しかないというのは意外です。タイなんかだとたくさんある印象ですが。KTVでも女の子に紛れていることはあっても(それも遭遇したことはないですが)、タイのようにそれ専門の店というのは聞いたことがありません。
作品情報
オリジナルタイトル:Here Comes the Groom
公開年 2022年
監督 Chris Martinez
主なキャスト Enchong Dee
Miles Ocampo
Gladys Reyes
視聴可能メディア なし