ストーリー
(ネタバレあり)本作も2023年マニラ夏の映画祭で見た映画です。オリジナルタイトルは「Yung Libro Sa Napanuod Ko」、「私が見た本」みたいな意味です。主人公は小説家の女性(フィリピン映画の主人公は、なぜ、いつもこんなフワッとした仕事なのでしょうか?)。主人公は、韓国ドラマの影響を受けて小説を書いたとのことで、サイン会に来た韓国人男性にしつこく付きまとわれますが、なぜか一緒に韓国に行くこととなります。
数日一緒に観光したのち、彼から自分たちは昔付き合っていたと言われ驚愕。実は彼女の母は家政婦として韓国で働いていて、彼は彼女の母に育ててもらっていたのでありました。彼女自身もその後韓国に移り住み、彼と恋人関係になっていたのですが、母親が自殺したことを機に母親と過ごした韓国時代の記憶をなくしたのだと言います。最終的には彼女が記憶を取り戻して2人は結ばれるというお話。
本作の背景
私は韓国ドラマを見たことがないのですが(ずいぶん古いですが、1話だけ「冬のソナタ」を見たことがあります)、きっと相当影響を受けているのだろうと思います。自分の場合、日本のドラマもこの30年でほぼ見たことがないので確かではないですが、日本にはもうこんなベタな恋愛ドラマはないんじゃないでしょうか。おそらく西洋にもなく、先進国の中で韓国だけが作り続けているので、一定の需要があるんじゃないかと思いました。ドラマに詳しくないので確かではありませんが、、。あと、中国や韓国では、恋人時代には、男性は女性をお姫様扱いすると聞いたので、そのカルチャーもアジアではウケているんじゃないかと思います。日本の恋人関係は割と特殊で、他の国からみるとずいぶんあっさりしているように見えるらしいですからね。韓国やフィリピンと違って、日本もアメリカ、ヨーロッパも職業ドラマが多いと思うのですが、社会が違い過ぎて東南アジアではあまり受けないのではないかと思います。ドラマはわかりませんが、フィリピン映画では主人公らが働いているシーンすらほとんどありません。
監督兼主演女優のBela Padillaについて
本作の監督、Bela Padillaさんは主演女優も兼ねています。彼女は、元々はスカウトされ、10代でタレントとしてデビューしましたが、比較的早く、シナリオや制作側で映画に関わるようになり、「366」で監督としてデビューして、本作は監督としての2作目となります。自分が監督の映画には主演で出るというスタイルのようです。2021年にイギリスに移住しており、フィリピン芸能界と距離をとって、時々監督として作品を発表するというスタイルになりそうです。
作品情報
オリジナルタイトル:Yung Libro Sa Napanuod Ko
公開年 2023年
監督 Bela Padilla
主なキャスト Bela Padilla
Yoo Min-gon
Lorna Tolentino
視聴可能メディア なし