6人の子供が異世界で王子の冒険を助ける「Ang TV Movie: The Adarna Adventure」

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フィリピンでは、ホーリーウィークのあいだ、いつもの番組はお休みになり、古い子供向け映画がずっと放送されていたそうです。私の英語の先生も、ホーリーウィークに何度も見たと言っていたのが、本作です。私もまだ全貌を把握するには程遠いのですが、フィリピンはかつて子供向けファンタジー映画大国だったのではないかと思っています。アメリカで子供向けファンタジー映画がたくさん作られていた影響を受けてなのか、その時代にフィリピン映画界が、そうした映画に対して何らかの役割を果たしていたのかわかりませんが、演出や音楽の使いかたまで、全く当時のアメリカ映画にそっくりな子供向けファンタジー映画がフィリピンにあります。アメリカ映画のパクリと言ってしまうには、あまりにも良くできており、とは言え、今さら海外に知らしめるタイプの映画でもありません。フィリピン人にさえ、ひっそりと忘れ去られてしまうジャンルの映画なのだと思います。せめて、フィリピン映画愛好家の中では、ちゃんと言及したいですね。本作は、そうした流れを汲む作品で、フィリピンの超定番民話「アダルナの鳥」をベースにしています。「アダルナの鳥」は、王の病気を治すため、3人の王子がアダルナの鳥を探し求め、最終的に末弟がアダルナの鳥を手に入れて王位を継ぐという物語です。日本の「浦島太郎」レベルで、フィリピン人なら誰でも知っているお話です。

(Photo cited from IMDb)

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「Ang TV Movie: The Adarna Adventure」のストーリー

6人の子供たちの日常が描かれたのち、1人の子供(アヤ)の祖母の元に子供たちが集まります。彼らは、彼女のお話を聞くのが大好きで集まったのです。その日、祖母が語ろうとしたのは「アダルナの鳥」でした。ところが、お話を始めたところで、祖母が倒れてしまい、子供たち6人は異世界に召喚されてしまいました。

異世界では、槌と盾を持った戦士たちが大規模な戦闘を繰り広げています。あやうく、戦いに巻き込まれるところでしたが、異世界の少女に案内され、その世界の族長(王国の偉い人?)のような人と接見します。この族長が彼らを召喚したと言います。彼は、世界を救う予言の子供たちがあらわれたことを喜び、「アダルナの鳥」を探すまで、元の世界には戻れないと告げます。

そして、子供たちは、特に当てもなく「アダルナの鳥」探しの旅に出ることとなりました。しかし、すぐに戦いを繰り広げていた戦士たちに捕まってしまいます。その子供たちを助けたのが、「アダルナの鳥」に出てくる末弟のジュアンです。ジュアンが「アダルナの鳥」を探していると知り、一同は行動を共にすることとなりました。冒険の末、彼らはカラフルな鳥が生息する目的地にたどり着きました。しかし、そこで兄たちとも遭遇し、彼らはジュアンより先に、派手な色の鳥を手にします。しかし、彼らが鳥を手にした瞬間、彼らは石に変わってしまいます。どの鳥が「アダルナの鳥」なのかと迷っているところ、アヤが1羽の不思議な鳥に目をつけ、その鳥は光を放って飛び立ったかと思うと、人間の女に変身しました。彼女は、アダルナ王女であると名乗ります。

そして、石に変えられた兄たちを、王女の持つ薬で元に戻すのですが、兄たちはジュアンを井戸に落とし、アダルナ王女を連れ去って、王の元に連れていきます。アダルナ王女は、ジュアンの身の安全と引き換えに、王の病を治しました。ところが、兄たちは約束を守るどころか、今頃ジュアンは死んでいるだろうと告げます。そこに、子供たちに救出されたジュアンが乗り込んできて、兄たちの悪事が暴露され、兄たちは王により追放となりました。

(ネタバレ)子供たちは、今度はアヤの祖母を助けるために、自分たちの世界にアダルナ王女を連れていきたいと懇願します。王はそれを許し、彼らは元の世界に帰還しました。しばらく、自分の親たちとの再会を喜んだり、ジュアンとアダルナ王女が、この世界の技術に驚くようなシーンが展開されたのち、追放された兄たちが、こちらの世界に乗り込んできました。彼らは、最初子供たちを案内した少女を人質にとっています。とは言え、ジュアンと子供たち6人のへっぽこアクションシーンが展開されたのち、無事2人の兄を捕縛、アヤの祖母の病気を治すことができました。

ジュアンたちが異世界に帰還し、子供たちの日常が戻ります。ところが、なぜか異世界の戦士が、こちらの世界で掃除夫として働いているのを発見し、一同驚愕するシーンで、エンディングです。

子供向けファンタジーなので、ストーリーには何のひねりもありませんが、異世界のセットや衣装、映像的にもしっかり作り込まれた作品でした。また、本作で子役として登場している子供たちの中に、現在大物になっているAngelica Panganibanさん、Paolo Contisさん、Patrick Garciaさんらがおり、フィリピン映画ファンには、彼らの子供時代が見れて楽しいという見どころもありました。

「Ang TV Movie: The Adarna Adventure」の監督、出演者情報

本作の監督をつとめたJohnny Manahanさんは、90年代から2000年代に、主にテレビドラマの監督として活躍した人です。本作もタイトルに「TV Movie」と入っていることからも、何らかのテレビ番組と繋がりのある作品じゃないかと思います。

祖母を演じたNida Blancaさんは、50年にもおよぶキャリアを持つ、フィリピンの伝説的な女優の1人です。特に彼女の死は、1つのミステリーとして、フィリピン人に良く知られています。というのは、彼女は殺害された状態で発見され、彼女を殺した実行犯も逮捕されました。彼は、彼女の夫が殺人を依頼したと証言するも、すぐに撤回し、真実は闇の中となっています。彼女のアメリカ人夫(すでに事実上離婚していたが、当時離婚は非常に難しかった)は、彼女が生前に作った遺言書では、夫には遺産が配分されないと知り、遺言書が有効になる前に殺害したと考えられたそうです。フィリピン政府は、アメリカ政府に、夫の召還を何度も要請しましたが、アメリカ政府は返答することもなく、その夫自身も自殺したため、真実は明らかにならないまま幕引きとなっています。

「Ang TV Movie: The Adarna Adventure」の作品情報

オリジナルタイトル:Ang TV Movie: The Adarna Adventure

公開年 1996年

監督 Johnny Manahan

主なキャスト Nida Blanca

Gio Alvarez

Jolina Magdangal(Momshies! Your Soul is Mine)(Ouija)(Ex Ex Lovers

視聴可能メディア Youtube(英語字幕のみ)

「Ang TV Movie: The Adarna Adventure」のトレイラー

古い映画のためトレイラーが見つかりませんでした。本編映画のリンクを下に貼っています。

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