同じタイトルの映画がたくさんありますが、私が見たのは2007年に公開されたフィリピン映画です。なぜ、同じタイトルの映画がたくさんあるかというと、「Ouija」はフランス語の「Oui(はい)」とドイツ語の「Ja(はい)」を組み合わせた言葉で、「コックリさん」を意味するようです。西洋では、専用のウイジャ盤というものもあるようです。ちなみに、コックリさんを呼び出すために「Spirit of glass are you with us?」という呪文を何度も唱えるのですが、その「Spirit of glass」(つまりコックリさん)もフィリピンでは何度も映画化されています。つまり、フィリピンでは頻出のテーマだということです。とは言え、私にとっては、最初のコックリさんをテーマにしたフィリピン映画なので、これから見ていく同類映画の基準となるでしょう。

(Photo cited from Mabumbe)
「Ouija」のストーリー
子供たちが庭にテントを貼って、子供たちがコックリさんをやっています。子供たちは、何度も「Spirit of glass are you with us?」と唱えます。
その後、20年後に時代がジャンプします。裁判所で、レイプ被害者から聞き取りを行っているようです。被害者は「声に従っただけだ」と幻聴があるようなことを口走り、転落死してしまいました。あとから、考えてもこのシーンの意味がわかりません。先に言っておくと、異常に構成の悪い作品で、いったい何のためのシーンなのか?登場人物同士の関係はどうなっているのか?わからないシーンが多く、しかも最後に(おそらく)何の関係もなかったことがわかります。
最初のシーンでこっくりさんをやっていた女は4人で、彼女らは姉妹だったり、従妹であることがわかりました。彼女らの祖母が亡くなったということで、今はバラバラに住む4人が地元に戻ります。祖母の遺言書に書かれた遺産の配分に不満があるようで、4人は険悪な関係になりました。
このした状況なので、4人の関係や、誰が多くの遺産を配分されたのかなど理解しようと努めましたが、結局わからずじまいで、しかも本筋とは関係ありませんでした。
4人は久しぶりに、コックリさんをやろうということになり、それをするのですが、叫び声が聞こえたような気がして怖くなり、それぞれ帰宅しました。
最初に死ぬことになったのは、4人の兄弟なのか、いとこなのかわかりませんが、親族の男です。ヘビのようなものに襲われ、水死体となって発見されました。続いて、4人の女のうち1人の女性が、クルーズを楽しんでいるときに、悪霊に憑りつかれ、おかしくなことを口走ったのち、海に落ちて死んでしまいました。また、彼女らの乳母もヘビに噛まれたのち、おかしなことを口走るようになり、急に運転中の男の首を絞め、男と乳母は死んでしまいました。同乗していた女は死ぬことはありませんでした。哀れな男は、彼女のボーイフレンドだったのでしょうか? 説明はありません。
ともかく、4人の犠牲者を出しましたが、無事だった3人はそれぞれ都会に戻ります。しかし、その後も怪奇現象が続き、3人のうち1人が、図書館で調べたところ、もう1度悪霊を呼び出す必要があると、残りの2人に呼びかけました。
3人は再び集合して、コックリさんを行います。そして、悪霊の名前を尋ねました。コックリさんが示した名前は「マグダ」でした。それは、誰だ???? まさかの、これまで登場していない人の名前です。普通、名前を尋ねるならば、「まさか、この人だったのか!」と思わすような名前があがるものでは???と思いました。 また、マグダは3人のうちの1人に憑りつき「私の家庭を壊した」と言って、他の女を殺そうとします。「いやいや、あなたの家族のことなんて知らんがな」「なぜ、彼女らを殺さなければならないの?」と疑問でいっぱいですが、彼女らの家族と過去に因縁があったのかも知れないと思いながら、続きを見ます。
(ネタバレ)一族に、マグダという名前を知っている者がいました。彼女は、何者かに殺され、海に死体を投げ入れられたのだそうです。彼女らは、マグダの霊魂を慰めることが肝心と考え、彼女の死体を探します。彼女らは、海の中から死体が入った袋を発見しました。なぜ、何者かが海に投げ入れたことを知っている人がいるのに、警察も発見できなかったのでしょうか? そもそも、投げ入れたことを知っていた人って何者?とも思いましたが、矛盾が多すぎ、構成が悪すぎなので、今更なツッコミです。
その後も3人は怪奇現象に何度も遭遇し、殺されそうになるのですが、何とか無事に生き延びて、司祭を呼び、マグダの霊魂を慰めました。さあ、これで大丈夫と3人が同じ飛行機に乗って、故郷を後にしました。すると、実家を奇妙な男が訪れ、事件の真相を語ります。マグダは生まれつき、顔にヘビのようなアザがあったため、家族から虐げられており、双子の姉メルダは、マグダをバカにするように、彼女の真似をしていたといいます。ある日、メルダがヘビを使ってマグダを殺し、海中に捨てたと言います。そして、2人は双子だったので、こっくりさんで2人の霊が当時に呼び出されたのだと。
同時刻ごろに、飛行機の中の3人のうち1人が気づきます。自分たちを襲った悪霊は、同じように見えて、1人はヘビのようなアザがあり、もう1人はアザがなかったと。そして、1人の霊魂(マグダ)を慰めてしまったので、もう自分たちを守ってくれる者はいないと語ります。3人の絶叫でエンディングです。
結局、主人公らを襲っていたのは姉のメルダであり、ヘビのアザがあるマグダが守っていたので、頻繁に怪奇現象にあっていた割には、3人は生き残れていたということなのでしょう。それは、良いとしても、最後に双子の事件の真相をしっているおじさんは何者??? そもそも、主人公らと何も関係がありませんでした。また、殺した姉の方も悪霊化しているようだけど、いつどんな風に死んだの? ヘビに噛まれた人が悪霊に憑りつかれるという初期設定は、後半には完全に無視されますが、それはいったいなんだったのか? 裁判所で飛び降りた女は?(それがメルダだったのかも!) いろいろ疑問が多すぎること、結局は4人の設定は何の関係もなく、メルダという殺人鬼の悪霊が無差別に行った殺人事件でしかありませんでした。もっと上手く構成できたんじゃないかと思いますね。
「Ouija」の監督、出演者情報
本作の監督をつとめたTopel Leeさんは、多くの映画、テレビドラマで監督を務めています。本作では、酷い構成力を見せてしまいましたが、私がみた彼の作品「Bloody Crayons」は、やはり構成が滅茶苦茶で何が起こっているのか非常にわかりずらい作品でしたが、きらりと光る部分もありました。2作品を見た印象では、多くの登場人物を出す割には、それぞれの個性や関係性を描かないため、誰が誰やらわからない、何が起こっているのかわからないということに陥ってしまう監督さんのようです。ちょっと期待感もあった監督さんですが、もう見なくても良いかなと思いました。
本作の良い点は、何と言っても主演の女優4人が全員美人なところです。ただ、監督に作品構成力がなく、それぞれの魅力が描かれるということはありませんでした。ただ、美人が怖い目にあったり、殺される作品でした。
「Ouija」の作品情報
オリジナルタイトル:Ouija
公開年 2007年
監督 Topel Lee(Bloody Crayons)
主なキャスト Judy Ann Santos
Jolina Magdangal
Iza Calzado(生き人形マリア)(519号室)(もう一度あなたと)
Rhian Ramos
視聴可能メディア Youtube(英語字幕)
「Ouija」のトレイラー
トレイラーが見つからなかったので、私が見た全編動画のリンクを貼ります。

