なぜパッキャオはフィリピン人の心をそんなに掴むのか?
言うまでもなく、マニー・パッキャオはフィリピンにおけるスーパーレジェンドです。そのため、フィリピンではたくさんのパッキャオをテーマにいくつもの映画が制作されています。映画を紹介する前に、なぜパッキャオがそれほど国民の心を掴んだのかということについて、少し解説したいと思います。
自分もそこまで詳しいわけではないのですが、パッキャオ以前のフィリピンボクシング界というのは、そこそこ強いけど、海外に呼ばれるときは「かませ犬」としてであって、フィリピン人もお金のためにそれを受け入れていた節があったようです。そりゃあ、内心気に食わないですが、自分の国が貧しいからしょうがない、そうやってアメリカや日本で試合をして大金を持ち帰るボクサーが、やっぱり羨望の的ではあったのです。ところが、メキメキと頭角をあらわすパッキャオに、無理難題な、いわば「かませ犬」的な試合のオファーが届きます。それを敵地に乗り込んで、下馬評を覆して勝ち続けたのだから、フィリピン人の興奮は想像がつきますね。
逆に、フィリピン人が井上尚弥を嫌うのも、井上尚弥がほとんどの試合を日本でするからです。そりゃあ、あんたたちマニラでタイトルマッチをして、高いチケットを買って会場を埋めるのか?それがボクサーのファイトマネーになるんだよと言いたくなりますが、そこはひがみなのでしょう。逆に、フィリピン人の心を掴もうとすれば、フィリピン人が置かれた状況にシンクロするような、虐げられた状況で頑張っている人でしょう。
パッキャオ映画一覧
1.Kid Kulafu (2015)
私もまだ見ていませんが、パッキャオの少年時代に焦点を当てた映画のようです。おそらく、パッキャオ映画で最も評価の高い作品です。現在、日本のプラットフォームからは見ることができませんが、iWantTFCというフィリピンの制作会社Star Cinema系のプラットフォームに加入することで、すべての映画・ドラマが視聴できます。このプラットフォームは、日本に住んでいるフィリピン人も意識して作られており、円で決済できます。スタンダードプランで月800円です。
2.Pacquiao: The Movie (2006)
こちらは、現在通常の方法では日本から見ることができない映画です。海外の(範囲はどこまでかわかりませんが)のAmazon Prime Videoでみることができるようです。ちなみに、フィリピンにはAmazon Prime Videoはありません。元々は配送サービスのおまけですから、多くの途上国にはAmazon Prime Videoはないんじゃないでしょうか。本作品は、10点満点中5.2点という評価ですが、ほとんどが1点(最低点)か10点(最高点)のどちらかで非常に評価がわかれている映画です。逆に気になりますね。先進国への出張の機会があれば、ぜひ見たいですね。
フィリピンではちょっと前までYoutubeがあまり使われておらず、変なプラットフォームにしかトレイラー映像がないのでタイトルで検索してみてください。
3.Manny Pacquiao: Unstoppable Force (2023)
本作はパッキャオ映画としては最新作ですが、なぜかYoutube上で全編がアップされています。おそらく版元によるアップではなく、違法アップロードと思いますので、ここにはリンクを貼らないでおきますね。映画と言っても、本人の実際の映像を編集したドキュメンタリー作品です。ナレーションがちゃんとした英語だからか、自動生成で日本語字幕を付けることもできます。どちらかと言えば、パッキャオの晩年の活動にスポットを当てた作品かなと思います。
4.Wapakman (2009)
変わり種では、パッキャオがヒーローとして自分で出演している映画もあります。これはおそらく公式と思われるところがYoutubeで公開しているので動画を埋め込みますね。どうやら化学物質を吸って、スーパーマンとなったパッキャオが悪と戦う話のようです。
5.Basagan ng mukha (2001)
本作は、2001年制作と古いので、ほとんど情報が得られませんでした。パッキャオ自身が主演していますが、一介のボクサーの役なのか、自分自身を演じているのかわからないですね。分類はアクション映画になっています。その頃のフィリピンに著作権や、公式トレイラーという考えはなかったのでしょうね。いくつか映像は見つかりましたが、ここにリンクを貼ってよさそうな映像を見つけることができませんでした。タイトルの意味は「顔面強打」です。
6.Lisensyadong kamao (2005)
本作も公式かどうかわかりませんが、Youtube上にフルムービーがアップされています。一応、自動生成ではありますが、日本語の字幕を付けることができます。タイトルの意味は「ライセンス拳」。きっとライセンスは免許皆伝的な意味でしょう。ざっと見た感じでは、パッキャオがジャッキー・チェン的なアクション映画に挑戦したという感じです。20年も前の映画で、おそらく権利者もすでにいなくなっているんでしょうね。しかし、公式ではない動画のリンクを貼ると色々大変なので、やめておきましょう。
まとめ
実際、パッキャオの自伝的な映画となると1ー3の映画ということになりますね。あとは、単なる出演なのか、自分の役を作品の中で演じているのかはっきりとはわかりませんでした。役者として映画やドラマに出るのは好きなようで、確認できるだけでも19作品に出演していることがわかりました。フィリピンでいかに大きな影響力をもつかが見えてきますね。