
6月12日は、フィリピンの独立記念日です。なぜ6月12日が独立記念日なのか?そもそもその日にどこから独立したというのか?などについては、下のリンクからとべる別ページ「フィリピン独立記念日に読むべき書籍、マンガ」にまとめましたので、まずはそちらから見てください。ここでは、フィリピンの独立戦争で大きな役割を果たした3人を中心に映画を紹介したいと思います。
ホセ・リサール
ホセ・リサール自身は、フィリピンの独立戦争には一度も関わったことはなく、むしろ武装蜂起に対して「無茶だからやめた方がいい」と自制を促していた側ですが、彼が書いた小説「ノリ・メ・タンヘレ」「エル・フィリブステリスモ」によって革命のシンボルとなりました。しかし、その時代のフィリピン人大衆が、スペイン語で書かれた小説を読むことがあるとはとても思えず、武装蜂起を率いていた主導者さえ、ホセ・リサールの本を読んでなかったんじゃないかと、私は思います。その時期に、そもそも小説を読んだことがある人が、どれだけいたのだろうと思ってしまいます。
マニラ中心地に、観光地「イントラムロス」の隣にリサール公園というのがありますが、それはホセ・リサールの名前から付けられたものです。
さて、ホセ・リサール関連の映画としては、彼の小説「ノリ・メ・タンヘレ」の映画化と、ホセ・リサール自身の人生が映画化されたものがあります。
前者については、Youtube版があり、レビューもしていますので、そちらを参照してください。
後者はたくさんあり、そもそもフィリピンで最初に制作された映画は「ホセ・リサールの処刑」(1912年)と「ホセ・リサールの生涯」(1912年)だったらしいです。いずれもアメリカ人監督によるものだということなので、アメリカによる植民地政策のために、「スペイン人が悪い」という映画を撮ったのでしょうか?
ホセ・リサールの映画はたくさんあるものの古いものはアクセスが難しく、最も新しいものを紹介すると、1998年の「ホセ・リサール」があります。これも十分古くて、現在日本の主要な動画配信プラットフォームから見れるところはありません。一応、中国のBiliBiliで見ることができました。ただ、これは正式な許諾を得て、アップされているものかがわかりませんので、リンクを載せるのはやめておきます。
アンドレス・ボニファシオ
アンドレス・ボニファシオについては、「Bonifacio: Ang unang pangulo」(ボニファシオ:初代大統領)(2014年)というタイトルで映画化されています。しかし、これは英語タイトルさえなく、フィリピン国内でしか劇場上映も動画配信もされていないのだと思います。ちなみに、タイトルは初代大統領となっていますが、彼は大統領になっていません。初代大統領は、彼のライバルのエミリオ・アギナルドです。
こちらは権利者がYoutubeに無料で動画を公開しているのでリンクを載せます。ただ、英語字幕はありません。自動生成の英語字幕を付けることはできますので、根性があれば見ることは可能だと思います。
ちなみに、現在、マニラで最も高級なエリアとなっているBGCは、ボニファシオ・グローバル・シティの略で、アンドレス・ボニファシオから付けられた名前です。
エミリオ・アギナルドとその部下
書籍、マンガでは恵まれていなかったエミリオ・アギナルドですが、映画では非常に恵まれた扱いを受けています。2000年以降でも、彼自身を主人公にした映画が2本制作されています。1本目は2000年に制作された「Emilio Aguinaldo」、2本目は2012年に制作された「El Presidente」です。「Emilio Aguinaldo」の方は、現在のところ見る方法がわかりませんでしたが、「El Presidente」については、権利者からYoutubeに無料で動画が配信されています。ちゃんとした英語字幕もついているので、見やすくなっています。
また、彼の配下の武将たちの活躍も映画化されています。1つは、ルナ将軍の映画「アントニオ・ルナ -不屈の将軍-」(2015年)があります。こちらは最近までNetflixで見ることができたようですが、現在見ることができません。かなり面白いと評判の映画ですので、いずれ、何らかの方法で見て、その方法を共有したいと思います。
また、映画「アントニオ・ルナ -不屈の将軍-」があまりにも評判が良かったため、その続編も制作されています。ルナ将軍の部下、ゴヨ将軍を主人公にフィリピンとアメリカの戦争を描いた作品「GOYO 若き将軍」(2018年)があります。こちらも日本語タイトルがあるので、日本のNetflixで公開されたことがあると思われます。ただ、映画サイトを見ても誰一人コメントを書いた人がおらず、本当に日本から見ることができたのかは不明です。おそらくNetflixで英語字幕だけだったので、あまり見た人がいなかったのではないかと推測します。こちらも映画としては大ヒットしました。「GOYO 若き将軍」は、Dailymotionというサイトで、英語字幕ではありますが、無料で見ることができます。私は、まだそこまでは見ることができておりません・・・。
ついでに言うと、エミリオ・アギナルドの名前は、大学の名前として使われています。マニラの中心部に、エミリオ・アギナルド大学があります。歴史の長い、医療系学部が強い私立大学だそうです。
まとめ
フィリピンの独立革命、独立戦争については多くの映画が制作されています。しかし、現在のところ日本語環境で見ることができる映画はありません。また、英語字幕でも日本の主要な動画配信プラットフォームから見ることができる映画はありませんでした。しかし、フランス系動画配信サイトDailymotionやYoutubeでは、英語字幕環境ではありますが、見ることのできる映画もあります。ですので、フィリピンの独立記念日を機に、何か1つ見てみるのも面白いのではないでしょうか?