80年代のフィリピン・タフガイを見る「片腕捜査官オルテガ」

本作は1987年公開のフィリピン映画です。昔の映像なので画質は荒いですが、それはすぐになれると思います。英語版のパッケージがアメコミみたいで恰好いいんですが、著作権の都合で転載できず残念です。今、Google adosenceに申請していますので、厳しいのです。内容もフィリピン映画というよりも、フィリピンで撮られたアメリカ映画という感じです。ひとこともタガログ語を喋りませんし、見た目も生粋のフィリピン人は、通行人などモブとしてしか登場しません。主人公オルテガを演じるFranco Guerreroはフィリピン人らしいですが、でかくて、モジャモジャしていて昔の藤岡弘みたいでした。昔はタガログ語タイトルはなかったのか、英語タイトルだけです。THE ONE ARMED EXECUTIONER、捜査官みたいな甘い言葉ではありません。処刑人です。

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ストーリー

80年代の単純なストーリーがいい感じです。主人公は、警察官です。なんらかの事件を追っていたのですが、逆に犯人グループが証拠を奪うために、彼の家を襲い、妻を殺され、自分の利き腕も切られてしまいます。ちなみに、この妻は金髪白人です。新婚の妻を失い酒に明け暮れるオルテガですが、なぜか酒場で誘拐され、中国拳法道場みたいなところに連れて来られます。そこで、空手みたいなトレーニングを受けたり、「目で見るんじゃない。感じるんだ」という昔風の修行を受けて、ついに片腕でも戦える完全な身体を手に入れます。そのあとは、敵のアジトに乗り込んで敵のグループを壊滅するというお話です。前半は「証拠の書類が・・」みたいなことを言っていましたが、後半はそんな細かいことは関係ありません。ただ、敵を倒し殺すだけです。

ただ、ちょっと昔のアメリカ風だなと思ったのは、敵のボスなんてただ殺せばいいのに、「殺す気も失せた」とか言って、拳銃をぽいと投げて、相手がその拳銃を使って撃ってきたところで、かわして華麗に銃弾で打ち抜くという演出があるところです。現代のフィリピン映画なら、そんな生ぬるいことはしません。素人さんでもきっちりとどめを刺します。

主人公の容姿、妻が白人金髪、ライフスタイル、言葉などすべてがアメリカ風です。80年代の、フィリピンとアメリカの関係というのはどんな感じだったのでしょうね。当時のフィリピン人は映画を消費する人たちとは期待されてなかったのかもしれませんね。そう思うと、いつから映画でタガログ語がつかわれるようになり、フィリピン人が消費者として期待されるようになったのかなと思いました。

作品情報

オリジナルタイトル:The One Armed Executioner

公開年 1981年

監督 Bobby A. Suarez

主なキャスト Franco Guerrero

Pete Cooper

視聴可能メディア Amazon Prime Video(レンタル)(日本語字幕あり)

Youtube(自動生成の字幕のみ)

作品トレイラー