本作は、アメリカで不法移民となったフィリピンの少女が居場所を失い、カントリー音楽に居場所を見つけるという物語です。この設定だけで、絶対良い作品になることが予想できますね。居場所を探す、少年少女の物語は普遍的な物語で、それが不法移民のフィリピン人、場所がテキサス、カントリーミュージックという道具立ても安定しており、おじさんたちには響くノスタルジックな作品になっています。本作は、Amazon Prime VideoとRakuten TVでレンタルできます。しかし、Amazonが基本料に加えてレンタル料500円かかるのに対して、Rakuten TVは、基本料なしのレンタル料218円と非常にお得です。私は楽天ポイントをためていないのですが、どうも楽天ポイントでも払えるようです。断然、Rakuten TVで見ることをお勧めします。
ストーリー
主人公はたぶん14歳くらいの設定のフィリピン人少女ローズです。たぶん14歳と言ったのは、学校に登録して高校卒業資格と取るといった話が出てきたからです。彼女は母親とアメリカのテキサス、そしてモーテルに住んでいます。どうやら、彼女の父親は正規滞在のビザを持っていたようですが、父親がなくなってから、滞在できるビザがなくなっており、不法滞在となっているようでした。ローズは、母親との会話でも一切タガログ語を喋りませんし、母親がアメリカに来て何十年みたいなことを言っていたので、アメリカ生まれなんじゃないかと思います。2人は、つつましく生きていたのですが、ある日、母親が入国管理局に逮捕され、ローズは1人ぼっちになってしまいます。なぜ、母親だけを逮捕するのか不思議でした。ローズはアメリカ生まれなので、二重国籍になっているのかなとも思いましたが、その後のシーンで入国管理局のガサ入れに怯えるシーンもありますし、自身にことを「イリーガル」とも言っているので、やはり不法滞在者なのでしょう。だったらなぜ学校に行けるのか?アメリカの仕組みはよくわからないですね。
母の残されたメモを見て、叔母を頼るのですが、彼女はアメリカ人と結婚しており、彼女の家族とは縁遠くなっていたのです。しかし、行ってみると、叔母の夫に邪魔者扱いされていることがわかり、ローズは家を飛び出してしまいます。知り合いのところで、居候になりながら、自分の居場所がどこにもないことを噛み締めるのですが、結局は自分がずっと好きだったカントリーミュージックに戻ってきます。彼女のビザのことも物語の中では解決していないのですが、若い人が居場所を見つける物語ですから、そんなことは大きな問題ではありませんね。最後のコンサートのシーンは素晴らしかったです。
監督、出演者情報
監督のDiane Paragasは、フィリピン系アメリカ人で、ドキュメンタリーを中心に撮っている監督さんのようです。主役を演じたEva Noblezadaは、美人ではありませんが、魅力がありますね。見た目は14歳くらいに見えましたが、撮影時はすでに22歳だったようです。役と同じでアメリカ生まれ、フィリピン人とメキシコ人の血を引いているようです。ぱっと見た感じ、この役のために選ばれた素人さんなのかなという地味な容姿ですが、意外にも、びっくりするほど、すでに歌手や舞台俳優として活躍しています。映画では、この映画よりも3年も前に、「ミス・サイゴン 25周年記念公演 in ロンドン」という映画で主演をはっています。映画っぽくないタイトルで、内容が想像つきませんが、興味深いですね。しかし、ミス・サイゴンならばベトナム系の人を使ってやれよという気もしますが・・・。
作品情報
オリジナルタイトル:Yellow Rose
公開年 2019年
監督 Diane Paragas
主なキャスト Eva Noblezada
Princess Punzalan
Beau Smith
視聴可能メディア Amazon Prime Video、Rakueten TV(レンタル)(日本語字幕)