君の名は+Back to the Future3「My Future You」

本作はフィリピン人の好きな王道ラブストーリーです。いかにもStar Cinema系と言った作風ですが、フィリピンのReagal Entertaimentの制作でした。なので、2024年12月のマニラ映画祭という地味なところで公開されて、すぐにNetflixに入っていますね。映画としては地味な公開でしたが、Netflixで公開後のフィリピン国内での評判は非常に高く、本原稿執筆時でIMDbの評価が10点満点中7.3と非常に高く、評価を入力した人も217人もいます。(フィリピン人は、日本人ほど映画サイトに評価を入力したり、コメントを書いたりしません) これは、フィリピン映画の歴史上共興収入1位の「Hello, Love, Again」の評価が6.7、評価入力者が910人ということを考えると、フィリピン国内でかなり人気を博した映画と言えると思います。

ストーリー

(ネタバレ)本作の主人公、カレンとレックスは13年に1度を言われる流れ星に、運命の人と出会うことをお願いします。そして、マッチングアプリで出会うことになった2人ですが、仲も良くなったのでいよいよ会おうということになったのですが、会うことができません。待ち合わせの場所、時間にあらわれない相手に、お互いが激怒します。しかし、多少の冷静さを持っていたレックスが、事実を確認する中で、2人の時間が13年ずれていることが発覚します。以前も似たようなフィリピン映画を見ましたが、この設定流行っていますね・・。しかし、他の映画とちょっと違ったのは、2人は裕福な家で育っているのですが、カレンは両親が再婚しており、レックスは事故で両親を失い養子として裕福な家に来たのです。カレンは、自分の元の両親が別れない現在を希望して、レックスを使って未来を改変しようとするのですが、これで大変なことになってしまいます。この辺がBack to the Future 3要素ですね。しかし、この要素は深堀されることなく、あっさり元に戻すことに成功。あとは、2人がどのように出会うかというラストシーンに向かって突き進みます。2人はどのように15年のギャップを埋めるのでしょうか。

まさに、フィリピンのラブストーリーといって感じですね。相変わらず、恋愛要素以外はほとんど描かれておらず、男は働くシーンさえありません。一応、芸術を学んだことになっており、ちょっとだけ絵を描くシーンがあるだけです。自分もマカティに住んでいましたので、たぶん土地成金でしょう、ただ遊んでいるだけの金持ちフィリピン人をたくさん見てきました。

しかし、余談ではありますが、フィリピンで絵を描くというのは、日本人が考えるよりは生計が立てられるかもしれません。フィリピンには、ショッピングモールにギャラリーが入っていて、割とお客さんが入っているんですよね。「でも買わないと意味がないじゃないか」と思うかもしれませんが、割と売れているんじゃないかと思います。というのは、フィリピンだけでなく、途上国と言うものは不動産の価値がどんどん高くなっていくものですから、お金を持っている人はマンションを購入して人に貸そうとするんですよね。また、フィリピンでは家具付き物件が主流ですから、自分の購入した部屋に見栄えの良い家具を備えて、オシャレさを上げるために、各部屋に大小さまざまな絵が飾られるものなのです。なので、絵を描くくらいで生活できることもあるのかも?と、本作を見ながら考えていました。フィリピンの絵画市場なんぞに詳しい人は、日本人では誰もいないでしょうから、今度リサーチしてみたいと思います。

作品情報

オリジナルタイトル:My Future You

公開年 2024年

監督 Crisanto Aquino

主なキャスト Francine Diaz

Seth Fedelin

Almira Muhlach

視聴可能メディア Netflix(英語字幕)

作品トレイラー