フィリピン人が好きそうなコテコテなコメディです。スラム育ちの主人公が、富豪の父親に発見され、経営者の娘としてトレーニングを受けたり、社交界にデビューします。しかし、スラム生まれの彼女が適応できるはずもなく、むしろ彼女はまったく下品な行動を隠すつもりもなく、失敗を繰り返すという予想の範囲内のコメディです。フィリピン映画の愛好家には、女性はほとんどいないと思いますが、女性には朗報です。ヒロインと恋愛関係になる男はかなりのイケメンです。
「ハイソな令嬢になるルール」のストーリー
主人公のベレンダは、スラム育ちです。しかし、亡くなった母親が、かつて大金持ちとのあいだに産んだ子供だったらしく、ホテルチェーンを営む父のもとで住むことになります。ただ、ベレンダはやることなすことが下品で、みんなを呆れさせますが、父親は愛情の深い人で、そのような彼女を受け止めます。彼女の指導をすることになったのがイケメン弁護士。最初はうんざりしていたものの、徐々に彼女の明け透けな行動に惹かれるようになります。自分はまったく共感できませんでしたが・・・。少しずつ、お嬢様として成長するベレンダですが、何もわかっていない彼女にサインさせた書類を使って、架空売り上げを作り、会社の資金を横領するという事件が発生。父親は、「経営者として公平でなければならない」と言って彼女を糾弾します。そんな馬鹿な・・・つい先日までスラムにいた娘が、存在しない人の給料や、買ってもいないPCのお金を架空請求することなんてできるわけないでしょうに。まあ、そんなこともあり、ベレンダは育ったスラムに帰ることになるのですが、あとは何が起こるか誰にでも予想できますよね。その通りのことが起こります。
フィリピンは、国民の90%が貧困層と言われていますし、社会に不正が多すぎて、貧乏人が浮かばれる可能性が非常に低いので、庶民は、「一夜にして大富豪」にというドラマが好きなのでしょうね。ただ、自分としてはもっと淑女教育に熱心に取り組んだ方が面白かったように思いますね。育ちの悪い、下品なままで、イケメンの弁護士に好意を寄せられるというのが、見ていて共感できませんでした。ひたむきに、淑女教育に取り組み、頑張っていてもバカにされる、みたいな状況の方が男はキュンとくるような気がしますね。
最近は、Netflixのフィリピン映画を中心に見ているので、恋愛要素の多い映画を見ることが多くなりました。そこで気づいたのですが、案外、フィリピン人の男性俳優は恰好いいなということです。西洋人との混血俳優も多いので、背が高くてがっちりしている人も多いですし、背が低くても目が大きくて可愛い感じの男の子も多いです。意外と日本人女性にも受けるんじゃないかという気がしてきました。問題はストーリーですね。さすがに、コテコテ過ぎるのは日本人にはキツイでしょうから、ストーリーの良いのを選出して、女性向けフィリピン映画の特集をするのも面白いかなと思いました。
「ハイソな令嬢になるルール」の作品情報
オリジナルタイトル:The Entitled
公開年 2022年
監督 Theodore Boborol
主なキャスト Alex Gonzaga(シングル・ベル)(霊媒は恋の始まり)
JC De Vera
Ara Mina
視聴可能メディア Netflix(日本語字幕)