Netflixのフィリピン映画には、コテコテのラブロマンスが多くて、自分のようなアラフィフには辛いのですが、本作は比較的見やすかったです。本作も、お約束の展開の連続で、大した映画ではないのですが、やはり大半のシーンをロシアで撮影しているだけあって、見慣れない風景や建物、街かどの人々など、新鮮で良かったです。典型的な、ロシア人に対するステレオタイプな理解をそのままストーリーに散りばめた構成です。厳格な父が「男はウォッカが飲めないとダメだ」と言って飲み比べ、「男は強くなければならない」と言って格闘技の練習、そして熊との戦い、ロシアスパイといった要素を、適当に散りばめた作品です。気楽に見るのが良いでしょう。
私は、3大飲み屋に向いている国民は、フィリピン人、ロシア人、日本人だと言っているくらいロシア人のホスピタリティを支持しているので、そこそこ楽しめたのかもしれません。ちなにみ、3大飲み屋に向いていない国民は、中国、韓国、ベトナムだと思っています。彼らは短期的な利益を得ようとするので、常連さんと長く付き合うようなビジネスには向いていないように思いますね。
「ロシアへ、愛と共に」のストーリー
(ネタバレですが、予想外の展開はありません)実家のチョコレート屋さんで働く青年デニスは、休暇でフィリピンを訪れたロシア人の若い女性オクサナに出会います。すぐに仲良くなり、お互いに恋心を持つのですが、オクサナはロシアに帰らなければなりません。オクサナの帰国後、デニスは彼女を追ってロシアに行くことを決意します。ロシアで、お決まりの場所をデートしたのち、彼女の父親に紹介されます。この父親が、想像通り、娘が連れてきた男を気に入らず、「ロシアではウォッカを断る男はいない」などと、さまざまなケチをつけます。また、「男は強さを示さなければならない」と言って総合格闘技で戦ったり、ライフルの使い方を教わります。また、デニスがやることがことごとく失敗し、父親の機嫌をますます損ねます。しかし、熊を撃ちにいった際、父がクマに襲われ、デニスは熊と素手で格闘して撃退(!)。父親の信頼を得ることになりました。このシーンはどうやって撮影したのでしょうか?最初、人が入っているのかと思いましたが、走り方を見ると人間が入っている感じがしないのですが・・・。
また、ウォッカで酔っ払ったのち、ロシアで出会ったフィリピン女性の家で爆睡することになり、ロシア人彼氏が戻ってきて、逃げ出したり、彼女の前でハンカチを取り出したら、その女性の下着だったりと、古典的なギャグが続きます。しかし、結果的にロクサナの誤解は解けて、彼女の父親の会社で働くことを提案され、ロシアに残ることになります。そして、最後に意味のわからないスパイのシーン。ただのジョークでしょう。ロシアっぽいシーンを撮ってみたかっただけでしょう。
見ながら思ったのですが、フィリピン側の家族がロシア人彼女に対して初めからウエルカムなのですが、フィリピンでは男が外国人の場合と、女が外国人の場合はどちらが歓迎されるのでしょうね。圧倒的に男が外国人のケースが多いと思いますが、フィリピンは女性が強くて結びつきが強い社会なので、外国人女性を、そんなに手放しで迎え入れるのかなと思いました。実際のところどうなのでしょうか?
「ロシアへ、愛と共に」の出演者情報
主役のデニスを演じたGerald Andersonは、アメリカとフィリピン人のハーフで、あまりフィリピン人には見えないので、時に外国人役をやっている俳優です。体がでかいので印象に残ります。女優のロシア人Elena Kozlovaは、フィリピンにモデルの仕事で来たのち、中国系フィリピン人と付き合うことになり、そのままフィリピンで活動しているのだそうです。年齢はわかりませんでしたが、若く見えますね。時々、外国人役で見かけることがありそうですね。
作品情報
オリジナルタイトル:To Russia with Love
公開年 2022年
監督 Veronica Velasco
主なキャスト Gerald Anderson(アサルトー狙撃兵-)(Unravel: A Swiss Side Love Story)
Elena Kozlova
Kakai Bautista
視聴可能メディア Netflix(日本語字幕)