モロッコに去った母の生涯を追う「母の面影が語ること」

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大筋としては、子供時代に自分を捨てて消息不明だった母が亡くなり、その母が過ごしたモロッコに渡航して、母の足跡を追うという物語です。モロッコの砂漠や街角で、母が残したほんの小さな即席に、自分の持つ少ない思い出を重ね合わせることになります。ところが、この映画に見どころを与えているのが、主演の俳優、Jelson Bayです。驚くほど小男で、小太り、しかもハゲています。彼は一代で築いた大企業の創業者という役割ですが、見た目があまりにコミックなので、コメディ映画なのかな?という思わせてくれます。彼のおかげで、旅路にどこかユーモラスな印象が添えられ、重いテーマを深刻になり過ぎないように描くことができています。また、ヒロインを演じる女優、Sue Ramirezがめちゃくちゃ可愛らしいので、彼女を見るためだけでも間が持ちます。地味で重いテーマの映画を、2人の役者が支えているという印象でした。

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「母の面影が語ること」のストーリー

主人公のブリックスは、小太りでハゲた小男ですが、こう見えて大企業の創業者です。しかし、孤独な男でもあります。ある日、25年前に自分の元を去った母が、自分の会社を訪れてきます。わだかまわりはあったものの歓待し、出張のあとでじっくり会って話をしようとしていたのですが、出張の途中に母が亡くなってしまいます。そして、母の遺書にしたがって、母が人生の大半を過ごしたモロッコに旅立ちます。

モロッコのマラケシュで、母親はホテルを経営していました。そのホテルは、母の共同経営者の娘(キャシー)が運営を仕切っていました。母の遺言にしたがって、ブリックスはキャシーと共に、母の遺品を指定された場所に返しにいく旅がはじまります。その旅の中で、母が父の暴力から逃れる必要があった。モロッコで同じような女性が逃れるためのシェルターで働くことで、自分の傷ついた心を癒したのだということがわかります。とは言え、ブリックスが映画の中で言っていたように「なぜ、モロッコなんだ?逃げるだけならセブでもダバオでもいいじゃないか?」という問いに対するはっきりした答えは映画の中にはありませんでした。旅の中で出会うモロッコの風景、人々の様子から、なんとなく、こうした静かな、砂漠の世界でしか、心は癒されないのかも知れないな、という雰囲気で勝負する作品です。要は、モロッコの観光映画でもあったかなと思います。

もともとモロッコでの撮影ありきの作品なので、ストーリーには無理があります。母が一緒にモロッコにきた家族というのは、フィリピンからモロッコに亡命したと言っていましたが、フィリピンからモロッコに亡命??そんなことありますかね?それに、仮にその家族が亡命で来たにしろ、母はどういう資格でモロッコに来たのか?また、フランス語しか通じないモロッコで、いきなりフィリピン人がDVシェルターのメンターになるのも無理があります。母の足跡を追う旅にも関わらず、そうした設定が練りこまれていないため、モヤモヤするシーンが多かったです。

ちなみに、私はモロッコのマラケシュには行ったことがあるので、とても楽しむことができました。マラケシュには、北アフリカ最大級のバザールがあり、1度入ったらどうやって出るのかわからないほどです。そこで「ファティマの手」というお守りを買いました。これは北アフリカでは有名なアイテムです。ファティマというのはモハメッドの娘の名前で、貞淑な女性を象徴しているそうです。そして、この手の形のお守りを持つと、女性は貞淑な妻になれる。男性には「悪い女性を寄せ付けない」と言われています。今思えば、そのお守りはどこに行ったのでしょうか?フィリピンに転居するときに、たくさん物を捨てた時にどこかに行ってしまいました。だから、最近は女運が悪いのですね・・・。悪い女性に騙されがちな人は、「ファティマの手」を購入することをお勧めします。


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「母の面影が語ること」の監督、出演者情報

本作の監督を務めたMarla Anchetaさんは、「ドールハウス 〜想いをこめて〜」で、おじさんに刺さる映画を作った人ですね。「ドールハウス」もオランダで撮影されていましたので、海外での撮影を得意とする監督さんなのでしょうか?「ドールハウス」でも思いましたが、せっかく海外で撮影しているのだから、もっとその国の有名なスポットをまわって欲しいですね。モロッコなら他にも有名なスポットはたくさんありますから。主役を務めたJelson Bayさんは、いかにもコメディアンという容姿ですが、俳優のようです。一度見たら忘れられない姿なので、覚えていないということは、今回初めてみたのでしょう。女優のSue Ramirezさんは、私の好きな女優さんの1人です。フィリピン女性の可愛さを体現したような人ですね。もっとお喋りで陽気な役の方があっていると思うので、他の作品でも見たいですね。

「母の面影が語ること」の作品情報

オリジナルタイトル:Finding Agnes

公開年 2020年

監督 Marla Ancheta(ドールハウス 〜想いをこめて〜

主なキャスト Jelson Bay

Sue Ramirez(Love Lockdown)(デッド・キッズ

Sandy Andolong

視聴可能メディア Netflix(日本語字幕)

「母の面影が語ること」のトレイラー

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