
フィリピン人は、ホラー映画が大好きで、日本のホラー映画も日本人より詳しいくらいよく見ています。フィリピンに住んでいるとき、フィリピンのお化け屋敷に行ったことがありますが、西洋式のお化け屋敷と、日本式のお化け屋敷の2つがあったくらいです。おそらく、本作は日本のホラー映画に大きな影響を受けていると思います。学校が舞台で、何かが見えたり、起こったりするのは、主にトイレです。日本人もフィリピン・ホラーが好きなのか、日本の映画サイトにも感想がたくさん投稿されていました。
「カトリックスクールの怪異」のストーリー
作品を通じて、主人公のパットの視点で描かれます。作品の時代は1999年。パットは、伝統的なカトリックスクールのカウンセラーです。映画の再序盤で、アナという名前の学生が、トイレで恐ろしいものを見たらしく、学校を去ってしまいます。パットは、アナの事件が、以前学校で首つり自殺したエリという学生の死と関わっていると考え、個人的に調査を行っています。なぜ、エリの死と関りがあると思っているかというと、すでに亡くなっているエリが頻繁に自分の前にあらわれるからです。パットは、学内を調査することで何かを掴んだ、あるいはエリと話して重要な話を聞けたと思ったら、夢から覚めるという演出で、実際に霊と話しているのか、自分の幻想なのか曖昧に、ストーリーが展開していきます。
また、かなり序盤に、もう1人のクララと言う名の学生が殺されます。殺したとされる人物は、学校のさえない用務員です。彼に、学生を殺す理由がありません。また、殺された当日に、クララはシスターによって厳しい折檻を受けていたことがわかっています。また、頻繁に相談に訪れていたジョイスという名の学生が、例のトイレで手首を切って自殺未遂を行います。パットは、この2つの事件も私的に調べ始めるのですが、エリーや不思議な現象に遭遇する頻度がますます増えていきます。そして、エリが家庭で虐待と、学校での厳しい折檻の末、自殺したことが判明します。
(そろそろネタバレ注意)いよいよ事件の真相に近づいたというところで、なぜかエリが刑事に憑依して自分を襲ってきます。いよいよ、お終いというところで、意外なことが起こり救われ、学校に再び平和が訪れます。と思っていたのですが・・・・。フィリピン映画らしく、最後のどんでん返しにパンチがあって良かったです。また、フィリピンのホラー映画では、結局真実は明らかにならないことが多いのですが、本作ではその点はすっきりします。
印象に残っているシーンは、学校の用務員に対して、パットが「彼は死刑になってしまうの?」と刑事に聞いたところです。今は、フィリピンでは死刑が廃止されていますが、1999年の時点では、死刑は実施されていたんですね。しかも、1人殺しただけで、死刑になる可能性があるなんて、死刑廃止とずいぶんかけ離れているなと思いました。
「カトリックスクールの怪異」の監督、出演者情報
本作の監督を務めたMikhail Redさんは、ホラーやアクション映画をたくさん撮っている監督さんですね。すてに、何作も彼の作品を見ています。彼の作品では「Block Z」というゾンビ映画が一番好きなのですが、残念ながら英語字幕か、自動生成の日本語でしか見ることができません。また、本作をほぼ1人で演じきったBea Alonzoは、翌年に公開された「Unbrekable」では、同一人物に全く見えないほど、3枚目な役を演じていました。体型もまったく違っています。本作は、彼女の美で持たせているといっても過言でないほどでしたが、1年で何かあったというのでしょうか?
「カトリックスクールの怪異」の作品情報
オリジナルタイトル:Eerie
公開年 2018年
監督 Mikhail Red(アリサカ)(ミッドナイト・アサシンズ)(Block Z)(Nokuturo)(デッド・キッズ)
主なキャスト Bea Alonzo(Unbreakable)
Charo Santos-Concio(たとえ嵐が来ないとしても)
Jake Cuenca
視聴可能メディア Netflix(日本語字幕)