フィリピン人の恋愛観がよくわかる「Un/Happy for You」

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もちろん人によって違うのですが、一般的にフィリピン人は、日本人に比べてはるかに恋愛体質です。そうしたフィリピン人の恋愛観がよくわかる映画が本作です。本作は、2024年に公開されたフィリピン映画のなかで売り上げ3位で、フィリピンで中ヒットした映画です。最近の映画ですし、英語字幕ですが、Netflixで見ることができるので、フィリピン映画の入門に良い映画ですね。

(ややネタバレ)ストリーとしては、フィリピン映画ではよくあるテーマの復縁ものです。本作のヒロインは、かつて夢をかなえるためにニューヨークに行くと決心し、彼氏と別れました。その彼女がフィリピンに戻ってくるところから物語が始まります。彼女は、プロのライターとして元カレのレストランを取材することになるのですが、彼の方がかつて彼女がついた優しい嘘を真に受けており、これを機に復讐してやろうと考えます。彼の友達と共謀して、彼女を口説き落とすことが復讐になると、しょうもないことを実行します。そうこうしているうちに、過去の誤解が解消され、彼は彼女にしょうもない復讐をしようとしたことを謝罪して仲直りするのですが、結果的にそれが彼女らを再び結び付けてしまいます。そこで勘違いした彼は、彼女と現在の彼氏の中をぶち壊しにかかってしまい、結果的には当初計画した復讐と同じような結果になってしまいます。しかも、彼は彼女を追いかけるのに夢中で、重要なパーティの仕事をすっぽかしてしまい、たくさんの協力者、投資家を裏切ってしまうことに・・・。こんな男とヨリを戻すなよと心配しながら、2人の愛の行方を見守るのが本作のストリーです。

フィリピン女性を追いかけているおじさんに伝えたいのは、フィリピンでは、この映画に出てくる男みたいに、何もかもを放り出して女の子を追いかけまわしているフィリピン男性がたくさんいることを想像することが大事ということです。普通の日本人だとしませんが、フィリピン男性はわかれた彼女をいつまでも付け回したり、現在の彼とのあいだをぶち壊すために行動を起こすことは割とよくあることで、それを愛の証だと受け取るフィリピン女性も結構多いということは知っておく必要があると思います。

さて、本作で元彼女を追い回すために仕事を放っぽりだして大変迷惑をかけた彼ですが、なんやかんやで、謝罪することで許されてしまいます。この辺の感覚も日本人とは違いますね。こんな馬鹿げた理由で、仕事上の迷惑をかけた人と、日本人ならば2度と働くことはないですよ。ところがフィリピンだとまあまあ許されてしまいます。そこがフィリピン人の優しさと言われるところなのですが、実際フィリピンで仕事をすると、時間を守らなかったり、頼んでいた仕事ができていなかったりと迷惑をかけられるばかりで、それを許容する社会なので、日本人側がひたすら許容する立場になってしまいます。自分が約束を守れない、すぐに誤魔化すための嘘をついてしまう、時間にルーズという人だと、フィリピン社会の優しさを感じることができると思うのですが、わりときっちりした日本人だと、フィリピン人の優しさに触れることがないというのが実際のところです。まあまあ、だらしない人で、日本社会は厳しすぎると感じている人は、フィリピン生活にあっている人だと思いますね。

ちなみに、本作で主演を演じた2人ですが、他の作品でも共演することが多く、2年間付き合っていたこともあるようです。本作が撮られた2024年ごろには既に別れているようですが・・・。そういう2人の関係も、本作のストーリーの原動力となっていて、観客の興味を引き付けたのかなと思います。

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作品情報

オリジナルタイトル:Un/Happy for You

公開年 2024年

監督 Petersen Vargas

主なキャスト Joshua Garcia

Julia Barretto

Nonie Buencamino

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