フィリピンのダメ男を知る「The Hows of Us」

本作は、フィリピン映画共興収入歴代4位の「The Hows of Us」です。8億ペソの売り上げなので270万人くらいが映画館で見た計算になると思います。本作は1位の「ハロー、ラブ、アゲイン」と3位の「出会いと別れと、その間のすべて」と同じ監督、主演女優でした。どうやらフィリピンのヒットメーカーコンビみたいですね。監督のCathy Garcia-Molinaは、最近はCathy Garcia-Sampanaを名乗ってますが、ここではMolinaで表記しています。どうやら、夫であるMolina氏が亡くなったあとも夫の姓を名乗っていたのですが、最近になってSampana氏と再婚したために名前が変わったようです。そういう意味ではSampanaで統一した方が良いかもしれませんね。そのうち直したいと思います。ちなみに、フィリピンは夫婦別姓も選択できるのですが、結婚したら夫の姓を名乗ることが多く、ミドルネームとして妻側の姓を入れることが一般的です。男性側は、自分の母から引き継いだミドルネームがそのまま残り、女性側は自分の母から引き継いだミドルネームが消えて、自分の父の姓がミドルネームとして残ることになります。ただ、フィリピンは未婚の母も多い社会で、ミドルネームがなかったり、早く父親がなくなっている場合などありますから、その場合はどうなるのでしょうか?おそらく、名前を継承するルールは地域によって違うんじゃないかと思います。

さて、内容としては、ミュージシャン志望のダメ男と付き合っていた主人公が、ついにその男と別れ、2人の共同所有で買った家が残りました。ある理由で家を売ることになったその時、男が帰ってきます。男は反省しているといいながら家を売ることに同意せず、無理やり同棲生活が再開して、多くの観客が心配していたようによりを戻してしまいます。さて、その結末は・・・・。

しかし、フィリピン映画を見ていていつも思うのは、男が仕事をしてなくても特に問題ないということですね。本作でもミュージシャン志望の無職の男が主人公の1人ですが、彼女との関係が問題になるのは、別に働いていないことじゃないんですね。彼女もそこはそんなに気にしていない。男の方も、それで卑屈になって関係が悪化するとかじゃなくて、全然気にしていない。この辺の感性が、日本人とは全く違うなあと思ってしまいます。

作品情報

オリジナルタイトル:The Hows of Us (日本語タイトルなし)

公開年 2018年

監督 Cathy Garcia-Molina (出会いと別れと、その間のすべて)(ハロー、ラブ、アゲイン)

主なキャスト Kathryn Bernardo (出会いと別れと、その間のすべて)(ハロー、ラブ、アゲイン)

       Daniel Padilla

       Jean Garcia

視聴可能メディア Amazon Prime Video (レンタル)