フィリピンの吸血鬼アスワングを扱った「ヴァンプ・ハンター」

本作は、フィリピンの土着伝承の吸血鬼アスワングをテーマにしたフィリピン・アメリカの合同映画でした。しかし、フィリピンで撮影されたシーンはなく、アスワングを扱ったことを除けば、監督がフィリピン系アメリカ人ということくらいしか、フィリピン要素はありませんでした。あとは、主人公の名前がマハール(愛する)ということくらいです。意図的にB級感を前面に押し出した、アメリカ映画でしたね。普段フィリピン映画を中心に見ていて、たまにアメリカ映画を見ると、なぜ主演女優がかわいくないのか?と不思議に思いますね。B級映画こそ、綺麗な女優さんで見てみたいと思うのが通常の感覚じゃないでしょうか。

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ストーリー

主人公のマハールは、不死者を狩るハンターです。前半は、お札みたいなものを使ってキョンシーみたいな動きをするゾンビの動きを封じていました。監督は、昔の香港映画みたいなのが撮りたかったのでしょうね。全体的にそんな編集でした。その後、本命のアスワングに遭遇するのですが、主人公は返り討ちになります。そして、気づくとアスワングに変えられてしまいました。主人公は、もともとアスワングの血統だったとのことです。多少は、人間としての尊厳を維持する主人公で、ハンターのボスと話し合おうとするのですが、自分が同僚のハンターたちに狩られる側であることを理解します。また、どういうわけかハンターのボスは、アスワングでした。こいつは何がしたかったのでしょうか?結局は、他のハンターから狩られそうになっていました。結局は、アスワングとしての運命を受け入れ、自分をアスワングとして覚醒させてくれた女性とレズっぽい関係になり終わります。うーん、どうなんでしょうというお話ですね。

思ったのは、一生懸命作っていてB級映画になるのは面白いのですが、狙って作られたB級映画は面白くないんですよね。アメリカ人がアジアのB級映画を真似て作ったという不快感が漂う映画でした。これは、フィリピン映画を中心に見ている自分だから思ったのかもしれませんが。

アスワングとは?

アスワング(Aswang)は、サンスクリット語の「asura(阿修羅)」に由来するとも考えられています。主にフィリピン中部と南部で信じられています。様々なタイプがあるようですが、マンナナンガル(Manananggal)という上半身と下半身に分離して飛ぶことができるタイプが最も典型的なもののようです。映画の中で描かれていたタイプですね。あとは、犬型や鳥型、ゾンビタイプもいるようです。そう言えば、ハンターの中に、ゾンビ使いがいましたが、あれもアスワングの1種だったのでしょうか?基本的な攻撃手段は、長く伸びる舌を使って、相手の血液を吸います。これも映画中で再現されていました。

フィリピンには、フィリピンオオコウモリという身長1mにもなる世界一大きなコウモリがいますので、吸血鬼伝説があるのは理解できますね。フィリピンオオコウモリの写真を貼っておきます。これに夜中遭遇したら、さすがに腰を抜かしそうです。

作品情報

オリジナルタイトル:Vampariah

公開年 2016年

監督 Matthew Abaya

主なキャスト Kelly Lou Dennis

Aureen Almario

視聴可能メディア U-NEXT(日本語字幕)

作品トレイラー