女神に芸術の才能を与えられた男は、女神を愛するが決して触れられない「女神の裸婦画」

スポンサーリンク

VIVA Filmsのエロ系映画は、かつての日本のVシネマのような感じで新人監督の発掘と育成に非常に貢献していますね。本作の監督さんは、この作品が長編映画デビュー作品です。エロ系映画という枠の中で、優れたアイデア、構成力を発揮した監督さんが、次のステージに進めるのでしょう。本作は、女神に芸術の才能を与えられた男が、女神を隙になってしまうも、決して触れられないというジレンマから苦しみ、芸術家としての能力を発揮していくも、最後に驚くべき決断をするというアイデアは良かったですね。ただ、その基本設定に矛盾したシーンも多く、構成力には問題がある作品でした。新人監督さんですし、とにかくエロシーンをたくさん入れなければというプレッシャーもあり、無理なシーンになってしまったというのは理解できます。甘い評価かもしれませんが、次作には期待できる監督さんじゃないかと思います。

(Photo cited from IMDb)

スポンサーリンク

「女神の裸婦画」のストーリー

塗装工の男(トリスタン)が主人公です。彼は金持ちの家の壁を塗っているときに、隣の屋敷のプールで男と女がセックスしているのを目撃します。そして、自分の部屋に帰って、彼女のヌードを描きました。この女性は、フィリピンのエロ映画には珍しいグラマータイプです。しかし、彼女は女神ではありませんでした。しかし、彼は塗装工の上司でもある叔父さんに、「貧乏人は絵描きになるなんて夢を持つな」とこっぴどく怒られます。「お前なんて両親と一緒に死ねば良かったんだ。呪われたガキめ」と罵られ、殴られるほどです。トリスタンの両親に何があったのかは、特に作中で触れられることはありません。

しかし、いつしか彼の部屋には女神が降誕していました。女神によれば、女神がトリスタンに芸術の才能を与えるので、芸術作品を作って欲しいと提案します。それは、トリスタンにとって願ってもないことなのですが、1つだけ条件がありました。それは、女神に触ってしまうと、トリスタンは翌朝死んでしまうこと、女神も消えてなくなってしまうので、決して触らないことです。しかし、この条件が守れなくなりそうならば、「君を開放する」と言えば、いつでも契約を破棄できるとのことです。悪い条件ではありませんね。

さっそく、女神のヌードを描いたところで、女神はトリスタンにキスをして、「え?触れないのでは?」と困惑するトリスタンをよそに、そのままセックスに至りました。いきなり決めたルールを破るのはいただけないですね。これで後半が台無しになってしまいました。

その後、2人は、その絵を売りに路上に出ます。アホなことに、彼は信号待ちのドライバーに向かって、「この絵を買いませんか?安くしますよ」と言って売ろうとしますが、そんなことで売れるわけがありません。ココナッツジュースを売るんじゃないですから。ただし、これはカーセックスをしているカップルを登場させるために挿入されたシーンだと思われます。

結局、その日は絵が売れず、路上で過ごしたのですが、朝になって金持ちそうな女に起こされました。それはギャラリーを経営する中年女性でした。彼女は、トリスタンの絵に注目し、彼と独占契約を結んで、ギャラリーの2階に住まわせることにしました。そこで、トリスタンは、女神のヌードをたくさん描きます。オーナーは大満足です。オーナーはトリスタンを誘惑しますが、彼はやんわり断り、オーナーのヌードを描くことを提案しました。そして、オーナーはその出来栄えにすっかり満足して、使用人とのセックスにふけります。最近、フィリピン映画でも熟女のセックスシーンが入るようになりましたね。文化が成熟すると、若い娘だけでは飽き足らなくなるのでしょうか?

作品がたまってきたところで、トリスタンの個展が開かれました。そのパーティで、最初に出てきたグラマーな女と出会いました。彼女はトリスタンに自分の肖像画を描くことを依頼しますが、彼は断ります。どうしても描いて欲しかった彼女は、トリスタンにドラッグを飲ませて誘惑しますが、関係を持つまでには至りませんでした。慌てて脱出すると、ギャラリーは乱交会場になっていました。意味がわかりませんが、単なるサービスカットでしょう。

こうして画家としての業績を積み上げるにつれて、トリスタンの女神に対する思いが募ります。彼は、女神に触れられないことに苦しみます(すでに、そのルールは前半台無しになっているにも関わらずです)。その苦しみを知った女神は、グラマーな女とその遊び仲間の男とスワッピングすることを提案します。これならば、直接触れられなくでも、絡んでいる気分を味わうことができます。しかし、トリスタンはかえって虚しくなったので、この試みは失敗しました。グラマーな女の遊び仲間の男は、トリスタンに「手に入らない女を求めるのが面白いのだ。だから良い作品が描けるんじゃないか」と伝えますが、トリスタンは女神に触れたい気持ちでいっぱいです。

(そろそろネタバレ)そこで、女神は次のアイデアを提案します。女神がセックスしているシーンを描くというのです。どういう意味かわかりませんが、試して見たところ、妄想の自分が女神とセックスしているところが浮かんでしまい、自分に対する嫉妬心のため続けることができませんでした。トリスタンは、諦めてしまい、「手に入らないものを追いかけてもしょうがない。女神は永遠の命を持っているので、自分をオモチャにして遊んでいるだけだ」と言って、女神を置き去りにして逃げてしまいました。女神はせめて、契約を解除してくれとすがるのですが、トリスタンは応じませんでした。

(ネタバレ)それから何十年後かのことです。すっかり初老の年齢に達したトリスタンが、再び女神の元にあらわれます。トリスタンは、女神にキスをします。そして「一緒に消えよう」と、セックスをしました。翌朝、女神の隣でトリスタンは死んでいました。女神も消えてしまいました。

最初に絵を描き上げたあとに、2人がセックスしているので、トリスタンが女神に触れられないという苦悩がまったく説得力のないものになってしまいました。なぜ、あんなシーンを入れたのでしょうか? 早く2人のセックスシーンを入れないと、観客に見放されるとでも思ったのでしょうか? 全体的に監督の焦りを感じますね。後半もうまく描けているとは言えませんが、永遠に生きる女神と、すぐに死んでしまう人間の関係から女神も消滅を望んでいるという設定だったのでしょう。描きたいことは面白いのだけど、上手く構成できていないのが残念です。

「女神の裸婦画」の監督、出演者情報

本作の監督をつとめたMarc Misaさんは、本作が長編映画デビュー作です。そのためか、女神を演じたAthena Redも、グラマラスな女を演じたSkye Gonzagaも2024年デビューの新人です。フィリピンのエロ系映画の女優さんは、スレンダーな少女タイプが多いので、グラマラスなSkye Gonzagaさんは、今後伸びるような気がします。注目すべきは、ギャラリーのオーナー役を演じたYda Manzanoさん。2003年までエロ系映画に出演していましたが、その後20年のブランクを経て2023年から、エロいおばさん役で復活しています。こういう経歴は、私も初めてみました。フィリピンでも熟女ブームが来ているのでしょうか?

「女神の裸婦画」の作品紹介

オリジナルタイトル:Pintor at paraluman

公開年 2024年

監督 Marc Misa

主なキャスト Athena Red

Skye Gonzaga

Yda Manzano

視聴可能メディア U-NEXT、Lemino(日本語字幕)(レンタル)

「女神の裸婦画」のトレイラー

タイトルとURLをコピーしました