本作は、同名タイトルの韓国映画のフィリピンリメイク版です。トルコ版やインドネシア版のリメイクもあるようです。トルコ版のリメイクだけが、日本語字幕化されているようです。しかし、フィリピンには韓国映画のリメイク作品が多いですね。フィリピン映画と比べて、ストーリーラインが明確なので見やすいですね。フィリピン映画には散漫なところがあり、流れがわかりずらいですが、韓国映画は、登場人物が自分の役割に忠実という感じがしますね。そこが良いところでもあり、作り物っぽさという弱点でもあるのでしょうが・・・。本作は、リメイク作品でありながら、フィリピン映画の歴代セールス10位に入っています。配給元がVIVA Films単独というのもベスト10の中で本作だけです。ストーリーは、知的障害のある父親が、えん罪で刑務所に入れられてしまいます。しかし、刑務所所長や他の受刑者の協力で、娘に会うことができたり、再審を実現するなど奇跡を起こすという感動物語です。しかし、ツッコミどころが多すぎて、それを味わうのも本作の醍醐味かもしれません。

(Photo cited from pelikura Manila)
「Miracle in Cell No. 7」のストーリー
仲の良い父親(ゴぺス)と娘が、デパートでショッピングしているシーンから始まります。どうやら父親には知的障害があるようです。ランドセルを買おうとしていましたが、セーラームーンを踊っていたところ、他のお客さんに買おうとしていたランドセルを買われてしまいます。慌てて、それは自分が買おうとしていたと主張すると、胸ぐらをつかまれ「俺を誰だか知っているのか」と凄まれます。あれ? これ韓国映画のリメイクですよね?
結局、セーラームーンのカバンを買うことができなかったのですが、先ほどの金持ちの娘が、近づいてきて「セーラームーンのカバン売っているよ」と案内されたのでついていったところ、その娘が頭から血を流して倒れていました。彼は慌てて、服を緩め胸を推し、人工呼吸をしようとします。頭から血を流しているのだから、そこは人口呼吸じゃなくて救急車だろう、と思いましたが、知的障害があるのでしょうがないですね。しかも、これが致命的となりました。通りがかった人に、少女をレイプしていると通報されてしまいます。そこからはあれよあれよという間に、刑務所に入れられます。
刑務所で、他の受刑者から罪名を聞かれたとき、「誘拐、レイプ、殺人」と自分に与えられた罪名を答えると、他の受刑者からボコボコにされます。刑務所では性犯罪者は嫌われると聞きましたが、それは他の国でも同じなのですね。しかし、すぐにゴぺスは同じ部屋の受刑者とは打ち解けて仲良くなりました。その後、刑務所内で大きな喧嘩が起こったときに、ゴぺスが仲間を救った体になり、部屋のボス的な男が、お礼になんでもしてあげるというので「娘に会いたい」と言いました。そんな馬鹿なと思いますが、すぐに娘たち子供が合唱団として刑務所に慰問にきます。そこからうまく、ゴぺスが住む部屋に連れてくることがかないます。これは、本当に韓国映画のリメイクなのでしょうか?? 刑務所のシーンはフィリピン版に書き直しているんじゃないですよね?
父と娘の感動の再会がかない、一同、感動的なシーンに浸っていると、既に慰問団が帰ってしまったことがわかります。帰りそびれた娘は、しばらく刑務所の中で、父たち受刑者と一緒に過ごします。しかし、当然のようにバレて、ゴぺスは独房に入れられます。その後、娘を刑務所内で過ごした男がいると噂になり、なぜ自分は子供に会えないのかと、1人の受刑者が火炎瓶を使って放火する事件が起こります。何度も繰り返しますが、韓国映画のリメイクです。その時に、犯人を説得しようとしていた所長は煙に巻かれ意識を失ったのをゴぺスが救助しました。所長は、当初ゴぺスに暴力的に接していたのですが、この件いらい、ゴぺスの罪状に疑問を持つようになり、個人的に事件記録を入手します。そして、所長は、亡くなった娘の親が政府の秘書官だったため、事件の審理が捻じ曲げられていたことを知ります。不憫に思った所長は、行き場のなくなったゴぺスの娘を個人的に保護したり、なんと、定期的にゴぺスたちのいる部屋で娘が過ごすことを許可したりまでします。他の受刑者も、娘と一緒に勉強したり、セーラームーンを踊るうちに、すっかり打ち解けていきました。
(そろそろネタバレ)所長や他の受刑者の努力もあり、ようやく再審査にこぎつけました。問題は本人です。強く検察官に詰め寄られると「はい」と言ってしまいます。一同で、何度も裁判所での証言の練習をして、いよいよ再審の日が訪れました。傍聴席では、所長と同室の受刑者が見守っています(←これ)。しかし、さんざん練習したにも関わらず、容疑を読み上げ「お前がやったんだな」と検察に強く迫られたゴぺスは、「はい」と答えてしまい、ジエンド。どんな裁判なのでしょうか? なぜ弁護士は「異議あり。検察は知的障害のある被告人に強く迫ることで、無理な自白を引き出そうとしています」とか言えばいいだけなのに、何もしません。フィリピンならば、知的障害の人に適当に罪をなすりつけたり、裁判もゆがめられたりすることは、良くあることだと誰でも知っていますが、韓国映画が原作だと聞いて本当に驚きます。どこまで原作と同じなのでしょうか?
最後のシーンは、再び裁判所のシーンです。若い女性弁護士が再審査を要求して、ゴぺスの無罪を主張しています。そして、それがゴぺスの娘であることがわかります。すっかり白髪になったゴぺスは、娘と抱き合います。そして、エンドロールです。
少し映画サイトで確認しましたが、原作の韓国版では、主人公は死刑になるみたいですね。ラストが違うということは、刑務所のガバガバセキュリティはフィリピン仕様でしょうか?
「Miracle in Cell No. 7」の監督、出演者情報
本作の監督さんは、「Family of Two」を撮ったNuel C. Naval監督でした。家族愛を描くのが得意な監督さんのようですね。主役のゴぺスを演じたAga Muhlachさんは、本作が復帰一作目の作品だそうです。英語の先生によれば、家族の世話かなにかで3年くらい、お休みしていたと言っておりました。有名な役者さんらしいです。刑務所内で同室の受刑者たちは、よく顔をみる有名俳優たちが演じており、結構豪華なキャストだと思います。
「Miracle in Cell No. 7」の作品情報
オリジナルタイトル:Miracle in Cell No. 7
公開年 2019年
監督 Nuel C. Naval
主なキャスト Aga Muhlach
Xia Vigor
Joel Torre
視聴可能メディア Bili Bili(英語字幕のみ)