久しぶりに、Netflixに日本語字幕付きで配信されたフィリピン映画です。「なんだ、また恋愛映画かよ・・・貴重な日本語字幕作品を恋愛映画に使うなよ」と思いましたが、これが意外にも良かったです。脚本は、ベタな恋愛ものが、後半病気ものになるというベタベタな展開ですが、主演女優、Xyriel Manabatさんの魅力が素晴らしかったです。彼女は、背が低くて、手足も短く、ガラガラ声なのに甘ったるい喋り方をするという個性の塊です。そんな彼女が、自然体で演じるヒロインが非常に魅力的で、脚本の平凡さを吹き飛ばしてくれます。日本人は、韓国のように画一化された美よりも、個性的な美を理解する国民性なので、彼女の魅力はきっと伝わるのではないでしょうか? しかし、日本語タイトルが「18本目のバラ」となっているのはなぜでしょうか? ローズは、主人公の名前で、18歳の誕生日を祝う「デビュー」が物語の柱になっており、どう考えても「18歳のローズ」と訳すべきだと思うのですが・・・。そもそもバラの花は作中に出てきませんし・・・。日本語タイトルでもだいぶ損をしている作品です。

(Photo cited from IMDb)
「18本目のバラ」のストーリー
セブ地方のロンブロン島という田舎が舞台です。田舎のネットカフェで、主人公のローズが自分が店長を務めているネットカフェで、仲間たちと芸能人のデビュー(18歳のダンスパーティ)を見ているシーンから始まります。しかし、田舎なのでネットが遅すぎてまともに見ることができませんでした。ローズは、自分のデビューを素晴らしいものにするために、ネットカフェで働いているのです。
そんな片田舎のローズが通う高校に、ハーフアメリカ人のイケメン男(ジョーダン)が転校してきます。彼は、アメリカ育ちで、こんなフィリピンの田舎に引っ越してくることに納得がいっておらず、アメリカ人の父親にずっとメールを送り続けています。しかし、ジョーダンの家にはパソコンがなく、物語の舞台は少し前の時代なので、携帯電話はショートメールしか送ることができません。
ジョーダンが、田舎の高校に転校してくると学校は大騒ぎになりました。片田舎では、金髪(染めているだけ)、高身長というだけで珍しく、この大騒ぎもジョーダンを苛立たせます。ローズと、ジョーダンは、少女漫画のようにぶつかって出会うのですが、これもまた少女漫画のように、当初はお互い好印象ではなく、いがみ合って過ごしていました。
状況が変わってくるのは、ジョーダンがどうしても父親に連絡を取りたくて、ローズのネットカフェにやってくるようになってからです。当初、ローズは意地悪をしてジョーダンにはパソコンを使わせなかったのですが、父親に連絡を取るために必死のジョーダンを見ているうちに、気持ちも変わり、ついには、ローズがジョーダンが父親に会えるよう手伝うことにまでなります。
ローズが言うには、ジョーダンがフィリピンから逃げ出したいというメールではなく、フィリピンで頑張っている姿を見せた方がいいんじゃないかとのことでした。そのため、3つの計画を立てます。1つは、生徒会長になること。2つ目は、地元の新聞に載ること。3つ目は、地元のテレビ番組に出演することです。ジョーダンには、到底無理な目標に見えましたが、ローズは、自分が手伝うので大丈夫と自信満々です。
さっそく、ローズが選挙参謀となった生徒会長選挙が行われ、ジョーダンは転校生なのに、生徒会長となる快挙を成し遂げました。この頃、ローズのおばさん(姉?)に、アメリカから恋人が訪ねてくるという事件がありました。彼女は、オンラインで出会ったアメリカ人が、わざわざフィリピンの片田舎までやってくると思っておらず、自分が太っていることを隠していたのです。こんな姿は見せられないと尻込みするおばさんを、ローズがサポートし、アメリカ人のおじさんをジョーダンがサポートします。2人は、アメリカ人にフィリピン式のプロポーズを教え、彼はバロンタガログを着て、フィリピン語の愛の歌を歌ってプロポーズしました。結果、2人は見事に結ばれました。この出来事が、地元の新聞に大きく取り上げられ、2つ目の目標も達成しました。ジョーダンは、父に新聞のコピーを添付し、長らく返信のなかった父親からついに、返事が返ってきます。順調に、父との再会のために計画を遂行する2人は、徐々にお互いに惹かれあいます。ジョーダンは、ローズの18歳のデビューの時にダンスパートナーをつとめさせて欲しいと願い出ます。
(ネタバレ)そんなとき、ローズを悲劇が遅います。ローズは、脳腫瘍に見舞われ、化学療法を行うこととなったのです。ローズは、化学療法が始まるまで、ジョーダンがオーディション番組に出るのをサポートします。ついに、ついに入院が近づいてくると、ローズは「どうせ抜けるから」と言って、頭を丸坊主にしました。そんなローズを見て、ジョーダンは涙が止まりません。ジョーダンは、地方大会の舞台で、自分がスターを目指すのは、「人生はいつ何があるかわからないことを大切な友達から学んだから。そして、自分が人を幸せにできるならば頑張りたいから」だと答えます。彼は、地方大会で優勝しました。ローズが退院するのは、ちょうどローズの誕生日でした。ずっと待ち焦がれていたデビューは、そもそも生きて誕生日を迎えることができるかもわかりません。退院できたら、病院で小さく祝う予定だと言います。
結局、ローズは無事退院することができました。丸坊主の小さなローズがよろよろと病院から出てくるのを、関係者一同が待ち構えていました。彼女にドレスを着せ、かつらを被せてメイクをし、パーティ会場に行くように、彼女を促します。しかし、ローズは、「しっくりこない」と言って、かつらを外し、丸坊主にドレスで会場に向かいました。会場には、ジョーダンとクラスメイトらか待ち構えており、ローズを主役としたパーティが行われました。その日、ジョーダンのオーディション番組は、全国の決勝戦だったのですが、彼は「夢はいつでも追いかけられるけど、君の18歳の誕生日は今日しかない」と言って、決勝戦をキャンセルしたのです。彼は、ローズのために、頭を丸坊主にしていました。その会場で、2人はダンスしたあと、お互いの気持ちを告白し合いました。
最後のシーンは、ジョーダンがアメリカに旅立つシーンです。おそらく、父親に会ってすぐに帰ってくるのでしょう。ジョーダンを見送るローズの表情も晴れやかで、すでに髪の長さは元に戻っています。そして、エンディングです。
「18本目のバラ」の監督、出演者情報
本作の監督をつとめたDolly Duluさんは、まだ若く、映画監督作品は、本作がまだ3作目なのですが、1作目の「The Boy Foretold by the Stars」はまとまりは悪いですが、少年同士のみずみずしい濃い語ことを描こうとしたり、本作でも脚本は平凡でも、主演に個性的な女優を起用して、新しい愛らしさを描こうとしたり、私には好ましく映る監督さんです。今後もウオッチしていきたいですね。本作で見っ力を発揮したXyriel Manabatさんは、子役出身の女優さんで、子供の容姿のまま大人になってしまったという見た目です。そして、ガラガラ声で甘ったるい喋り方という、普通ならば主演で起用されずらい女優さんですが、本作でブレイクするかもしれません。こちらも注目です。
「18本目のバラ」の作品情報
オリジナルタイトル:18th Rose
公開年 2026年
監督 Dolly Dulu(The Boy Foretold by the Stars)
主なキャスト Xyriel Manabat(The Last Beergin)
Kyle Echarri(The Ride)
視聴可能メディア Netflix(日本語字幕)

