フィリピンの女子拘置所もカオスだった「Bulaklak sa City Jail」

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フィリピンの刑務所を舞台にした映画作品はしばしばあり、予想通りカオスなのですが、未決の人が入る拘置所、さらに女子拘置所が舞台になることはそんなにありません。時にエロ系映画で女子刑務所が描かれるくらいです。本作は、フィリピンの80年代の女子拘置所を、フィリピンを代表する女優、ノラ・オノールさんを主人公で描く作品です。まあ、とにかく滅茶苦茶であきれるシーンが続きます。タイトルの「Bulaklak sa City Jail」は、「拘置所の花」という意味です。花は、ノラ・オノールさんが演じる主人公ですね。

(Photo cited from IMDb)

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「Bulaklak sa City Jail」のストーリー

賑やかなジャズバーのシーンから始まりますが、このシーンが本編とは特に関係ありません。何となくおしゃれな雰囲気で作品を始めたかったのでしょうか?

本編は、主人公(アンジェラ)が女子拘置所に入れられるシーンからです。さっそく、先輩たちが、彼女の服を全て剥ぎ取り、全裸にされるという洗礼を受けました。哀れに思った女から布を恵んでもらいました。翌朝、看守の女が新人のアンジェラに目をつけ、罪状を尋ねます。アンジェラによれば、殺人未遂の容疑だと言います。さらに、親族やお金の有無を聞かれます。アンジェラは、親族もほとんどおらず、まとまったお金を集まる方法もありません。そのように答えると、「ならば、この拘置所で朽ち果てることになるぞ」と言われます。実際、自分の裁判を迅速に進めてもらうために、看守に賄賂を渡す女たちもいます。

アンジェラの元を訪れた友達がいました。2人の会話からわかったことは、アンジェラは男と結婚していると思っていたのですが、その男はアンジェラを騙しており、別に妻がいたのです。そして、妻が乗り込んできたのでしょう。その際に、刺されそうになったところを反撃して刺してしまったようです。アンジェラは、自分の正当防衛を疑いません。また、男が自分の元に戻って来ると信じていますが、友達に、男の妻の家庭は裕福だから、男は別れないよ、諦めなさいとのことでした。

フィリピンにも国選弁護人の制度はあるようで、さっそく弁護士がやってきました。しかし、弁護士は全くやる気がなく、事件も把握しておらず、単に罪状を認めて、情状酌量をもらうようにとしか言いません。すぐに、初公判が行われ、罪状が読み上げられます。そして、その罪状を認めるかという問いに、アンジェラははっきり「いいえ」と答えました。

ここまでスムーズに展開したストーリーですが、この後はラスト10分まで全く進展しません。拘置所内の女たちの様子が描かれます。それらを列挙します。

女子拘置所の未決囚にボスのような女性がおり、彼女が看守の男たちと寝るようにあっせんしています。断ると、しばらくいじめにあいました。男子拘置所では暴動が起こり、その際に多くの未決囚が殺されました。女子未決囚と定期的に寝ていた看守が、銃を奪われ女に逃げられてしまいした。拘置所の中には秘密の堕胎施設がある。息子と拘置所で再会した母。母は売春して子供への学費を稼いでいたのに、息子がバカな仲間とのやんちゃで逮捕され、絶望のあまり泣き崩れます。また、いつも自分の身体を求める看守に復讐するため刺し殺し、自分も射殺される女の話(最後に車いすの女が出てきたので、この女が生きていたのかもしれない)。拘置所で産んだ子供がある程度大きくなると、孤児院に送られるらしく、子供との離別に大泣きする女の話。殺人容疑で入所したお嬢様が、何者かに殺された事件。

(ネタバレ)さて、拘置所内の様々な出来事にびっくりしながらも、少しずつ適応したアンジェラですが、男の子供を妊娠していたようで少しずつお腹が大きくなってきます。一応、出産のために病院に連れていってもらえました。そして、その機を利用して脱走します。そして、殺されたお嬢様の親を訪れます。というのも、お嬢様は自分が殺された場合、母に伝えて欲しいとアンジェラに伝えており、アンジェラのために良い弁護士を付けることもできると伝えていたのです。お嬢様の母は、アンジェラが娘の死に関する調査に協力することを条件に、良い弁護士を付けることを約束しました。しかし、その帰り道、警察官に見つかってしまいます。動物園に逃げこみますが、ゲートを抑えられてしまったアンジェラは、夜の動物園に留まるしかありません。そして、夜になって警察官が捜索を始めたところで、産気づいてしまいました。結局、夜の動物園の中で出産し、赤ん坊の泣き声によって発見されてしまいました。アンジェラは「私は悪い人ではない。お情けを。子供を病院に連れていって。そうしないと死んでしまう」と泣きながら、警察官に繰り返し懇願します。

アンジェラが目を覚ますと、病院でベットで手錠をかけられていました。自分が病院にいることを知り、アンジェラはホッとしました。その後は、お嬢様の母が手配した敏腕女性弁護士が、アンジェラに子供の養育権を認めさせ、裁判では正当防衛を勝ち取りました。子供を抱きしめるアンジェラが映し出されて、エンディングです。

国選弁護人が全くやる気がないのは、日本と同じですね。しかし、裁判の審理を進めるのに、賄賂が必要なのは困ったものです。また、どうしようもないほど、女子拘置所では、看守による性的搾取が行われている現状が描かれていました。しかし、そのせいで逃げられ、しかも拳銃まで奪われた看守がいましたが、彼はどうなったのでしょうか? 日本なら大事件です。

「Bulaklak sa City Jail」の監督、出演者情報

本作の監督をつとめたMario O’Haraさんは、初期フィリピン映画の巨匠、Lino Brockaさんと同時期の人で、Lino Brockaさんの作品の脚本をつとめたこともあります。彼の監督としての圧倒的代表作は「Tatlong Taong Walang Diyos(神のいない3年間)」です。格好いいタイトルですね。Youtubeで英語字幕付きで見ることができるので、近いうちに見たいと思います。主演のノラ・オノールさんは、フィリピンを代表する女優さんです。我慢強い女を演じることが多いですね。これが、昔のフィリピン女性の規範だったのでしょうね。

「Bulaklak sa City Jail」の作品情報

オリジナルタイトル:Bulaklak sa City Jail

公開年 1984年

監督 Mario O’Hara

主なキャスト Nora Aunor(汝が子宮)(罠~被災地に生きる)(奇跡の女)(One More Rainbow)(Bona

Gina Alajar

Maritess Gutierrez

視聴可能メディア Youtube(英語字幕)

「Bulaklak sa City Jail」のトレイラー

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