2人の男の元に通う老女は何を考えるか?「Kung paano hinihintay ang dapithapon」

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老境に入った男女の愛とか情を描いた物語です。うちの父親も80歳で再婚して、自分たち兄弟を驚かせましたが、そんな年齢になっても愛とか情とか、そんなものがあるんですね。自分にはわかりずらい感情でしたが、女が愛していないからこそ、元夫のもとに通って世話ができるとか、金持ちの男だからこそ、死にゆく貧しい男の世話がをする余裕があるとか、そんなことはわかるような気がしました。ともかく、極めて渋い作品です。タイトルの「Kung paano hinihintay ang dapithapon」は、「夕暮れを待つ方法」という意味です。当然、夕暮れは老境をあらわしているのでしょう。

(Photo cited from IMDb)

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「Kung paano hinihintay ang dapithapon」のストーリー

かなり高齢の男2人と女1人が主人公です。裕福な男(セルソ)と一緒に住んでいる女(テレサ)は夫婦かと思っていましたが、後に婚姻関係にないことがわかります。2人は非常に仲睦まじく、時に息子と娘も帰ってきて、共に過ごすこともあります。息子は、30代に見えますが、恋人を実家に連れてきたことがなく、2人は心配しています。娘は恋人(たぶん入籍していない)と子供を連れてきますが。相手の男はガラが悪そうです。

一方で、闘鶏にのめり込んでいる貧しい男(ベネ)は、古い家にひとりで住んでいます。家具や家の調度品を売り払いながら、強そうなニワトリを買って、さらに闘鶏にのめり込んでいきます。

驚くべきは、テレサがべネの元に通っていることです。しかも、その家のことを「ホーム」と呼んでおり、むしろ夫婦と思われたセルソの方が通いであったことがわかります。とは言え、家の掃除や食事の用意をして一晩過ごすと、テレサはセルソの元に戻ります。

徐々に明らかになるのは、むしろテレサはベネと婚姻関係にあること。ベネは、大昔にテレサを捨てて出て行ったこと。その後、テレサはセルソと一緒に暮らしていること。2人の子供たちは、テレサとベネの子供であったことがわかります。また、ベネは脳腫瘍を患っていますが、病院に行くことを拒否しています。テレサは、元々医師であったセルソに、ベネを説得するよう頼みます。セルソとしては、直接知り合いでもない男と話すことに躊躇しますが、そこは金持ちらしい鷹揚さで、ベネの元を訪れました。結局説得には応じなかったのですが、ベネは緊急搬送によって医療に繋がりました。これを機に、息子も父であるベネと再会しましが、その関係は極めてギクシャクしたものでした。娘との再会シーンはありませんでしたが、それは娘の恋人が他の女を作って去ったからでしょう。娘は自分のことでいっぱい、いっぱいです。セルソは、何があっても実家が娘を待っていると言って慰めます。

(ネタバレ)ある日、ベネはテレサに想いを語りました。ずっと家族を捨てた自分が、脳腫瘍で死ぬことを知ったときに、テレサのことを思い出した。そして連絡したら、テレサが来てくれた。しかし、家族を捨てた理由を聞かれなかったことに驚いた。それで、テレサは自分をまだ愛していると思った、と語ります。テレサは、「自分があなたの元に来れるのは、もうあなたを愛していないからよ」と答えます。ベネは、その答えを聞いて「ありがとう」とつぶやきました。そして、ベネの入院の日、セルソが運転する車に乗って、3人で病院に向かう途中、ベネは静かに息を引き取りました。テレサは、涙で顔をくしゃくしゃにします。そして、3人で海岸でデッキチェアを並べ、ベネの遺体も寝かせて、3人で海に沈む夕日を眺めます。そして、エンディングです。

渋い作品でした。テレサの「自分があなたの元に来れるのは、もうあなたを愛していないからよ」という言葉が、おそらく、この作品のメッセージだと思いました。老境には達していない自分ですが、それはわかるような気がしますね。また、金持ちのセルソは、ベネの世話を焼く義理は全くないのですが、テレサから頼まれてやってしまうところが金持ちの鷹揚さで、いいことろだなと思いました。これが逆だったら、絶対にベネは、セルソを助けに行かないでしょう。セルソのように余裕のある老人になりたいと思いました。

「Kung paano hinihintay ang dapithapon」の監督、出演者情報

本作の監督をつとめたCarlo Enciso Catuさんは、こんな作風ですが、本作公開当時まだ20代の若い監督さんです。この作品のアイデアはどこから来たのでしょうか??? 監督としては完全にインディーズ映画の監督さんで、テレビドラマの監督をつとめることもあるようです。テレサを演じたPerla Bautistaさんは、出演作品300本を超える超ベテラン女優さんで、80を超えた現在も女優として作品に出演しています。男2人も同じような超ベテラン俳優です。いつも思うのですが、どうしてフィリピンのインディーズ映画では、有名なベテラン俳優を起用できるのでしょうか?

「Kung paano hinihintay ang dapithapon」の作品情報

オリジナルタイトル:Kung paano hinihintay ang dapithapon

公開年 2018年

監督 Carlo Enciso Catu

主なキャスト Perla Bautista

Menggie Cobarrubias

Dante Rivero

視聴可能メディア Youtube(英語字幕)

「Kung paano hinihintay ang dapithapon」のトレイラー

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