OFWは辛いよというお話「Call Center Girl」

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フィリピンでは、OFW(海外出稼ぎ労働者)をテーマにした作品は多いですが、共通して描かれるのは、フィリピンに帰国したときに、家族が自分のいない生活に慣れており、孤独感を感じるシーンです。両親の場合、温かく迎えてくれますが、子供の場合は、自分が寂しい思いをしたと、むしろ敵視している場合さえあり、海外で働かなかった配偶者にべったりで、自分は邪魔者のように扱われてしまいます。これは辛いですね・・・。海外で、理不尽な目に遭いながら、節約してフィリピンに送金しているOFWを、我々はよく知っていますから、何とも切ない気持ちになります。本作も、そうした帰国したOFWの母が、母を邪険に扱う娘と絆を取り戻す物語です。とは言え、主演がコメディ女優のポクワンさんですから、深刻な葛藤があるわけではなく、むしろバカバカしい勘違いが、2人の絆を回復するのを阻み、観客をやきもきさせるというコメディです。

(Photo cited from IMDb)

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「Call Center Girl」のストーリー

主人公のテレサがクルーズ船で働いているシーンから始まります。クルーズの仕事は船が大きく揺れるため大変だということがわかります。そして、クルーズ船で15年働いたのち、ついにフィリピンに帰国することを決意することで、物語が始まります。

帰国すると、テレサの夫の誕生日パーティでした。夫は、事故にあったのか車いす生活です。3人の子供(長男、長女、次女)が、夫の誕生日を楽しそうに祝っているなかで、テレサは自分が阻害されているように感じます。実際のところ、夫はテレサにやさしく、長男長女もテレサに気を使っているのですが、次女のレジーナだけが、母に冷たく当たります。レジーナは、テレサが出稼ぎに出たときに、まだ小さかったので取り残されたと感じていると説明されます。とは言え、もう大人なんだから、海外で働く母の苦労をわかってやれよとは思いました。

ところが、誕生日の翌日に、夫が急死してしまいます。そして、テレサとレジーナが2人で一緒に住むことになったのです。というのは、長男と長女は、別のところで仕事をしており、一緒に住むことはできないからです。2人のギクシャクした生活が始まり、テレサは、レジーナと仲良くなりたいと、何かと働きかけるのですが、ことごとく上手くいきません。結局あきらめて、レジーナが家を出ていけるように経済的に支援することにしました。と言うのは、レジーナには恋人がおり、恋人と海外に移住するための費用をためているのです。

さっそく、就職フェアに行ったところ、自分に馴染みのあるクルーズ船を運営している企業が、コールセンタービジネスをしていることを知り、採用面接を受けてみます。年をとったテレサが受かる可能性は低かったのですが、様々な幸運に見舞われ、採用が決まります。そして、発音矯正のトレーニングが行われます。おそらく、ここはフィリピン人にとっては笑うところだと思います。きっと、フィリピン人の英語のクセが誇張されて演じられたのでしょう。

そしてテレサが配属されたコールセンターですが、何と、そこではレジーナが働いています。これにはレジーナは怒りますが、自分の転居費用を稼ぐためと言われて納得しました。しかし、テレサたちが所属するチームは、成績下位のダメチームです。そのため、上司は常にカリカリしており、雰囲気も良くありません。テレサは、全然契約が取れないので、上司から𠮟責されます。どうやら、このコールセンターは、サポートセンターではなく、電話営業のようです。こういう仕事もコールセンターと呼ぶんですね。

テレサは、通販番組やショップ店員などから販売のスキルを学び、やがて電話営業で頭角をあらわします。ついには、チームNo.1売り上げを記録するほどとなり、上司の覚えもめでたくなり、上司から夕食をご馳走されることになりました。上司は、まだ娘と同じ世代の若い男で、おばさんであるレジーナと何かあるわけではないのですが、なぜかレジーナは、「自分の母と上司ができている、まだ父が死んだばかりなのに」と、せっかく仲良くなり始めたところで、再び険悪になってしまいます。

また、上司は、自分の母がテレサと同い年で、同じくOFWとして海外に出たため、マザコンになっています。上司の場合、海外に出た母が現地で夫をつくり、そこに呼び寄せられるも、いずらくなって、フィリピンに戻ったという過去があり、母を恨みつつ、母の愛に飢えているのです。マザコン上司は、母への愛をテレサに向けます。さらには、上司には恋人がいるのですが、破局してしまい、自分がどう振舞うべきかもテレサに相談します。そうして、上司とやたら仲の良さそうな母を見て、レジーナはますます勘違いして、母を嫌うようになっていきます。

(ネタバレ)結局、テレサの助言にも関わらず、上司の恋は完全な破局を迎えます。また、レジーナの恋人は、海外に妻と子供がいることが発覚します。レジーナは激怒して、彼の勤め先で、その事実を喚き散らしてやりました。レジーナは、母と相談したいのですが、勘違いしたレジーナにはそれができず、テレサのあいだで激しい口論になってしまいます。2人の本音が噴き出します。

本音が出た後は、仲直りというのが定番ですが、今度はレジーナが、裏切っていた恋人に、会社の前でさらわれてしまいます。それをテレサと上司が追跡し、ついにレジーナの元恋人をボコボコにして、レジーナを取り戻すことができました。そこで、完全にテレサとレジーナの和解に至ります。

後日談では、先日の件がきかけとなったのでしょう。レジーナは上司と恋人になっていました。また、上司はテレサらの助言により、自分の母とも和解します。そして、ハッピーエンドです。

シナリオもまとまっており、よくできたコメディでした。個人的には、テレサとボスの関係を、娘が官違いするシーンが長すぎるかなと思いました。さすがに、年の差的にも、テレサの見た目からしても、あり得ないので、引っ張るには無理があります。ただ、これも上司の母に対する複雑な感情を描くには必要なステップで、ラストの大団円につながるので、やっぱりよくできたシナリオだったと思います。

「Call Center Girl」の監督、出演者情報

本作の監督をつとめたDon Cuaresmaさんは、テレビドラマを中心に活躍しているベテラン監督さんです。映画作品は少なく、映画作品もテレビドラマの映画総集編みたいなものが多いと思われ、私には馴染みのない監督さんです。主演のポクワンさんは、その不美人さを生かして、多くの作品に出演している喜劇女優さんです。フィリピンにはコメディが多いので、ブス売りしている女優さんも多いですね。娘のレジーナを演じたJessy Mendiolaさんは、相当な美人さんです。「Extra Service」では、その美貌を存分に披露してくれています。しかし、美人なだけでは芸能界では生き残れないのか、最近ではほとんど出演作がありません。残念ですね。

「Call Center Girl」の作品情報

オリジナルタイトル:Call Center Girl

公開年 2013年

監督 Don Cuaresma

主なキャスト Pokwang(Mommy Issues)(Mercury Is Mine)(Oda sa wala)(Becky and Badette

Jessy Mendiola(Extra Service

Enchong Dee(Lila)(アルター・ミー: 心に耳を傾けて)(Nay

視聴可能メディア Youtube(英語字幕のみ)

「Call Center Girl」のトレイラー

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