フィリピン庶民のギャンブル、闘鶏を見てみよう

最近のフィリピンのギャンブル事情

フィリピンでギャンブルと言えば、カジノが有名ですよね。大きな観光ホテルには結構入っていて、多くの人が訪れて、ギャンブルを楽しんだり、悪い人がマネーロンダリングしています。また、オンライン英会話の先生と話していると、前職はオンラインカジノのディーラーだったというのはよく聞く話です。ちなみにオンラインカジノが人身売買や誘拐、詐欺などの犯罪の温床となっていると、2024年の7月にマルコス大統領が、国内でのオンラインカジノ事業を禁止しましたので、また状況が変わっていると思います。自分は当時フィリピンにいた時にもやったことはありませんが、あるフィリピン系Youtuberによれば、日本人スタッフとしてオンラインカジノに就職すると、(基本お客さんは負けるように設定されているが)たまに勝ったお客さんが、チップを現金化しようとするのを、なんだかんだと誤魔化して、現金化させないのが仕事らしいです。そんな会社はお取りつぶしになって良かったですね。

闘鶏とはなにか

さて、だいぶ話が逸れてしいましたが、庶民のギャンブルと言えば何といっても闘鶏(とうけい)です。私が行ったのは、ダバオの都市部から40分くらい車で行ったところだったと思います。マニラやセブでも郊外にあるみたいです。私はフィリピン人の友達に調べてもらい、車を手配までしてもらっていきました。日本人が自分でだけで探すのは難しいんじゃないかと思います。上に写真がありますが、なぜかスマホのカメラの設定が少ない画素数になっており、はっきりした写真が撮れていません。闘鶏とは、鶏と鶏を戦わせるもので、鶏の足には小さなナイフが取り付けられており、そのナイフで相手の鶏を攻撃し、戦意をなくした方が負けというルールです。ギャンブルとしては、青コーナーと赤コーナーに分かれており、お客さん同士が「MERON(メロン)」と「WALA(ワラ)」と叫んでいます。どっちが青コーナーで、どちらが赤コーナーだったか忘れましたが、自分が勝つと予想した鶏の側を叫んで、違う鶏を推すお客さんが揃ったら、金額を決めて賭けが成立です。オッズなどはありません。勝てば、賭けたお金が2倍になり、負ければ失います。なので、デモンストレーションで強そうな鶏がいると、みなそちら側を叫び、賭けが成立しません。ちなみに、タガログ語でMERONは「ある」、WALAは「ない」という意味です。

闘鶏はフィリピンで合法なのか?違法なのか?

何人かのフィリピン人に聞いてみましたが、「合法だ」と言う人もいれば、「違法だ」という人がいます。日本大使館の見解を調べたところ、フィリピンでは私的賭博は違法だそうです*。しかし、実際は各地に闘鶏場があり、多くの人でごった返しています。いったいどういうことなのでしょうか?

在フィリピン大使館「フィリピンにおける安全対策」

実は、闘鶏というのはギャンブルでもありますが、鶏のオーナーにとっては、夢のある投資なのです。確か、自分の鶏が8連勝だったか、何連勝かすると100万円近い賞金が入ってくるのだそうです。なので、田舎のおじさんたちは、一獲千金を目指して強い鶏を育成することに熱中しているのです。しかし、「そんなシステムだと八百長とかあるんじゃないか?」と聞いたみたところ、やはり時々あるんだそうです。また、鶏を興奮させるために覚醒系の物質を餌に混ぜることもあるらしく、闘鶏に参加した鶏は絶対に食べてはいけないと聞きました。

つまり、私の理解はこうです。闘鶏そのものは合法です。ただし、闘鶏会場でお客さん同士で賭けをするのは違法です。しかし、実際には取り締まりはされていません。会場に行って、鶏が戦ってみるのをみるのは大丈夫だと思いますが、他のお客さんの誘いに乗って賭けたりはしないのが安全です。

余談ですが、子供たちのあいだでは、Spider Fightというギャンブルが盛んだと聞きました。日本だとカブトムシやクワガタを戦わせるようなものでしょうか。これは、残念ながらみたことがありません。もし、フィリピンの田舎を歩いていて、子供たちがクモを使って何かしているようならば、それがSpider Fightです。幸運にも、そういうシーンを目撃された方は、ぜひ報告してもらえると嬉しいです。