TV放送局が悪魔付きを取材したことで起きる怪奇現象「Sapi」

スポンサーリンク

本作は巨匠ブリランテ・メンドーサ監督の作品なのですが、作品の中で何らかの実験をしていたのでしょう。悪魔による現象がついに起こったと思ったら、一瞬だけ怪しげなシーンが映って、何もなかったようなシーンに変わるというのを繰り返し、結局何が起こったのか、何もわからないという映画でした。もちろん意図してやっているんでしょうけど、ずっとその繰り返しなのでフラストレーションだけがたまりました。また、悪魔による怪奇現象のシーン以外も肝心なシーンが映らないというのを繰り返すため、ストーリーのどうなっているのかわからなくなってしまいました。怪奇現象のシーンを曖昧にするならば、メインプロットは明確にした方が良かったんじゃないかと思います。さすがに映画サイトでも酷評されており、メンドーサ監督の作品の中では、わざわざ見なくても良い作品だと思います。

(Photo cited from IMDb)

スポンサーリンク

「Sapi」のストーリー

最初はテレビ局のシーンから始まります。ニュースを読んだり、事件について打ち合わせをしたりというシーンが映し出されます。印象的なシーンとしては、テレビ局の中で大きなヘビが発見されたことです。しかし、その後ヘビがどうなったかはわかりません。ちょうど台風が来ているため、台風の被害の様子、海岸に押し寄せるゴミの様子、都市のごみ問題を取材するシーンが続きます。いくつもの取材のシーンがある中で、悪魔付きの中年女性を取材するシーンがありました。Sapiというタガログ語のタイトルが、英語のpossessionという意味なのは、あらかじめ調べていたので、ここから物語が始まったように見えました。しかし、その場で宣教師を呼んで、悪魔祓いをしたことで、別のテレビ局が取材に来た時には、悪魔付きは収まっていました。

どうやら後から現れたテレビ局の人たちが主人公のようです。序盤、頻繁に登場していたレポーターは、主人公から見ると他社の人で、そちらのテレビ局に成績で負けているようです。このあたりのことも非常にわかりずらく、2つのテレビ局が競争関係にあるという情報がもたらされるのは映画の中盤です。最初に、この情報が与えられていれば、今取材しているのはどちらのテレビ局だろう、と考えながら見ることができたのですが・・・。また、序盤頻繁に登場していたレポーターは、中盤以降登場しません。普通に見ていたら、そちらが主人公だと思いますよ・・。わざとなんでしょうが、誰に注目して見ればいいのか、どの事件が中心になるのかわからないまま序盤は進行します。

どうやら、主人公らしいことが判明したテレビ局のクルーは、悪魔付きのシーンが撮りたいらしく、また別の悪魔付きの現場に向かいます。今度はお守りをクルーに配って準備万端です。しかし、取材のシーンはなく、今回も空振りだったようです。つまりは、未だ悪魔付きのシーンが撮影できていません。それでも、時々クルーは奇怪な経験をしています。取材中に犬を車でひいてしまうのですが、死んだと思われた犬が元気に歩き出したり、それを目撃してギョッとするクルーの顔も写ります。しかし、また何事もなかったように次のシーンに移ります。

肝心のシーンが常にないので、想像で補うしかないのですが、どうやら主人公らは他社から悪魔付きの映像を購入したようです。その時に、他社が憑りつかれた人の顔を映さないと約束したのを知らず、そのまま放映してしまったようです。そのため、自分の顔を映し出された中年女性が抗議にきます。その後のシーンでは、会社内で大きなポルターガイスト現象が起こります。会議用の大きなテーブルが持ち上がり、天板がめくれたりと、本作で一番派手な現象が起こりました。主人公らが除霊師を電話で呼ぶシーンのあと、次のシーンに続きます。会社は、外部の弁護士らを呼んで緊急会議を行い、まずは被害者にお金を渡して許しをこうこと、それがだめならば、クルーを解雇して、会社は責任から逃れることにしようと決まります。

クルーは、被害者に大量のコメを持って挨拶にいき、お金の入った封筒を渡しました。被害者は、おそらくそれを受け取ったのでしょう。その後は、被害者の話は出て来なくなります。

(ネタバレ)その後は、3人のクルーに奇妙な出来事が起きては、何もなかったかのようにふるまわれるのが繰り返されます。印象的なシーンを上げると、クルーの女性が寝ていると、少しずつ掛け布団がはがれます。やがて起きた女性は、自分の膣から巨大なヘビが出てきて叫びます。と思うと、次のシーンでは普通に子供の世話をしています。クルーのひとりの男は、夢の中で自分の弟が悪魔に憑かれて殺すシーンをみたあと、街中で自分と同じ顔をした男が、歩道橋から飛び降り自殺するのを見ます。もう1人の男は、部屋の中で物音を聞いたり、勝手に蛇口から水が出ているのを経験し、その後PCに何か映るシーンを見ました。いずれも、一瞬怪奇シーンが映ったと思うと、普通のシーンになってしまうので、結局何が起こったのか、あるいは起こらなかったのかわかりません。最後は、テレビ局が嵐の中、停電に見舞われ、あらゆる扉が勝手にしまります。それでもニュース映像が流れています。そしてエンドロールです。

うーん、よくわからなかったですね。実際に起こったのかわからない怪奇経験というのを表現するのは良いのですが、メインストーリーもわからなくする必要があったのでしょうか? また、個人が経験する奇怪な経験も、会社で起こる奇怪な経験も同じように無かったかのように、次のシーンに進むので、個人が経験した奇怪な経験は、本人の想像の産物であったと考えるにはおかしく、かといって、それだけ大きなことが起きているのに、その後のシーンで語られないのも不自然です。結局、個人の怪奇体験のレベル、集団での怪奇体験のレベル、現実に進行している物語の3つの次元をすべて曖昧にしてしまったため、何が何やらまったくわからなくなってしまいました。もちろん、実験だとは思いますが、監督自身も上手くいかなかったと思っているのではないかと想像します。

「Sapi」の作品情報

オリジナルタイトル:Sapi

公開年 2013年

監督 Brillante Mendoza(GENSAN PUNCH)(ローサは密告された)(Feast-狂宴-)(アルファ、殺しの権利)(リプレイス 絡みあう欲望)(囚われ人 パラワン島観光客21人誘拐事件)(あの夏の欲望)(ヴァージンフォレスト 愛欲の奴隷)(汝が子宮)(罠~被災地に生きる)(サービス)(ミンダナオ)(Red/Pula)(キナタイ -マニラ・アンダーグラウンド-

主なキャスト Dennis Trillo

Meryll Soriano

Baron Geisler

視聴可能メディア Youtube(英語字幕)

「Sapi」のトレイラー

タイトルとURLをコピーしました