隔絶した場所での連続殺人事件系ミステリー映画「Bloody Crayons」

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日本では定番のジャンルで、大抵は山荘の別荘地で繰り広げられる連続殺人を、たまたま居合わせた探偵が真犯人にたどり着くというミステリー映画の系譜です。ただし、フィリピンなので山荘ではなく無人島で、探偵役はいません。連続殺人から生き残った者が、最終的に真犯人にたどり着くという構成です。フィリピンは、銃社会ですし、感情的な反応をする人が多い社会です。そのため、真犯人が仕組んだ殺人以外のノイズになる殺人も混入させやすいので、このジャンルの映画には向いていると思うのですが、私は密室系連続殺人をテーマにしたフィリピン映画を見るのは初めてです。どうして向いているのに作らないのでしょうか? ちなみに、探偵役の人間が事件の真犯人を探し当てるという映画も2本しか見たことがありません。しかも、いずれも探偵や刑事が犯人を突き止める役ではありませんでした。そんな中、非常にめずらしいミステリー映画なのが本作です。

(Photo cited from IMDb)

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「Bloody Crayons」のストーリー

最初は森の中でカップルと犬が殺されるシーンから始まります。しかし、それは主人公らが見ていた動画で、特に意味はありません。しかし、主人公らが無人島に上陸したときに、犬の死体とカップルのお墓があるため、後の殺人事件との関連を連想させてしまいます。これは余計なシーンでしたね。

本編の主人公らは大学生です。9人のグループなので覚えきれないのですが、1人の男の卒業制作のために短編映画を撮るために、無人島にあるサマーハウスに宿泊することとなりました。また、その中にカップルがいるのですが、男は同じグループに元彼女がおり、元彼女はお別れしたことを納得しておらず、気まずい雰囲気になっています。また、元彼女と新彼女の両方の友達である女が、新彼女ができたことを元彼女に伝えていなかったことに対しても、元彼女は怒っています。ややこしい話ですが、この点をしっかり覚えておきましょう。その他にも何か思惑がありそうな、癖のある人がいるのですが、それは単なるカモフラージュです。いちいち説明すると大変複雑になるので、彼らについては説明を省きます。まあ、こんなグループで旅行に行くなよ・・・とは思いますね。

サマーハウスに宿泊して、翌日から撮影が始まるのですが、大雨が降ってきたため、「Bloody Crayons」というパーティゲームをすることとなりました。それはボックスの中からクレヨンをひいて、引いた色によって指令があるというものです。例えば青を引いたら秘密を喋る、黒を引いたらみんなが従うルールを1つ決めるといった具合です。そして赤を引くと、お酒に何か好きなものを混ぜ、最後の赤いクレヨンを引いた者が、その酒を飲まなければなりません。ゲームの途中でも、元彼女が新彼女にウザがらみをして、結構大変だったのですが、無事最後の赤いクレヨンまで辿り着き、結果的に新彼女が酒を飲むこととなりました。しかも、彼女は酒を飲んで死んでしまいました。一同は、元彼女が毒を入れたのではないかと疑いの目を向けます。すると、元彼女は怒って、外に飛び出していきました。追いかけた一同が発見したのは、元彼女の死体でした。

新彼女と元彼女が立て続けに殺されたため、次に疑われたのは彼氏でした。彼氏は、他の男たちによって椅子に縛り付けられました。そんな折、サマーハウスの管理人のおじさんが、サマーハウスに外側から鍵をかけ、みなを閉じ込めてしまいました。みなが出口を探していると、縛られた彼氏が殺されていました。一同はパニックです。管理人が犯人ではないかといったん落ち着いたところが、仲間の誰かが犯人だということが明らかになったからです。たまたまサマーハウスの中に拳銃があったことから、拳銃を向けて、お互いを犯人じゃないかと疑う犯人探しが始まってしまいます。最初に銃を手にした男は、すっかりパニックになっており、彼から拳銃を取り上げようとした別の男との格闘の際、銃が暴発し、関係ない男が被弾して倒れました。

(そろそろネタバレ)最初に銃を手にした男は、銃を隠した女を必要に追いかけます。そしてトイレに追い詰めたところで、石鹸を踏んで転び、頭を打って倒れました。また、もう1人の地味な女は、黒マントと仮面をかぶった何者かに斧で襲われます。危ないところは何度もありましたが、何とか生き残ることができましたが、先ほど石鹸で転んだ男が復活して、女2人を襲います。1人の女が彼を会談の下に突き飛ばしたときに、一緒に巻き込まれ、2人とも死んでしまいました。これで女は1人、男が2人しか残っていません。1人の男が非常階段から脱出し、外から鍵をあけて入ってきたため、もう1人の男は、彼が真犯人だと疑っています。2人は戦いますが、途中しかけられた落とし穴に1人が落ちてしまいました。そのため、男1人と女1人が残り、ボートで島から脱出しようとします。

(ネタバレ)そんなとき、無線で助けを求める声が聞こえます。2人が助けに向かったところにいたのは、驚くべきことに2番目に死んだと思われた元彼女でした。彼女は、あっさりと男を殺し、最後に生き残った女を狙います。つまり、元彼女が、新彼女を殺したあと、自分の死を偽装、裏切った彼氏を殺したというのです。あとは、勝手に殺しあっただけだそうです。そして、新彼女の存在を自分に告げなかった友達(最後に残った女)を殺そうとするのですが、落とし穴に落ちた男の助けにより、彼女が生き残り、元彼女が崖から転落して死んでしまいました。最後は、その2人と、暴発に巻き込まれ倒れたものの死んではいなかった男の3人で島を脱出しました。ちなみに、管理人の男は途中で罠にかかって死んでいるところが発見されています。

登場人物が多く、死んだと思っていたら生きていたという人も多いので、非常にややこしい作品です。また、停電の夜に惨劇が起こるため、さらに見分けがつかなくなっており、これを初見で理解した自分をほめたいです。物語としては面白いのですが、人間関係がわかりやすくなるような工夫が欲しかったですね。しかし、フィリピンでは珍しい犯人を推理する系の作品で、名作の部類に入るのではないかと思います。

「Bloody Crayons」の監督、出演者情報

本作品の監督をつとめたTopel Leeさんは、初めて聞いた名前ですが、多くの作品の監督を務めています。もっと作品を見たい監督さんですね。役者は多すぎる上に、登場機会も均等に多く誰が主役というのもはっきりしませんが、いずれもそこそこ有名な役者さんです。一番綺麗な女優さんが、4人の女性の中で4番手だったのが残念です。

「Bloody Crayons」の作品情報

オリジナルタイトル:Bloody Crayons

公開年 2017年

監督 Topel Lee

主なキャスト Janella Salvador(Haunted Mansion)(Under Parallel Skies

Jane Oineza(Love Child

Sofia Andres

視聴可能メディア Youtube(英語字幕のみ)

「Bloody Crayons」のトレイラー

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