月が替わり、U-NEXTのポイントが入ったので、また3本セクシー系のレンタル作品を見ることができます。今月最初に選んだのが、本作品です。なかなかいいですね。公道レースバトルをテーマにした映画が、フィリピンで作られるとは、時代も変わってきましたね。私もU-NEXTとFuluを中心にかなりフィリピンセクシー映画を見てきましたが、いずれも2021年以降の作品です。それ以前にもセクシー系の作品がたくさん作られていたのかわかりませんが、近年では毎年40本程度は作られているようです。だからなのか、2021年よりは、明らかに2024年の作品の方が良くできています。2021年ごろだと、比較的単純な浮気や嫉妬、または暴力がからむ作品がほとんどでしたが、最近の作品は暴力は控えめで、それ以外の娯楽要素が盛り込まれています。本作も暴力はほとんどないと言って良く、公道レースバトルという舞台に、たくさんの綺麗な女性をからませ、しかも最後は爽快感まで提供してくれます。わずか数年で、大幅に娯楽作品としての質を上げてきており、今後も期待が持てますね。オリジナルタイトルの「Kaskasero」は「スピードスター」の意味です。

(Photo cited from IMDb)
「ラブレース セックスの女神」のストーリー
オープニングは公道で若者たちがスポーツカーでレースをする場面です。そうした場所には美女が寄ってくるのは世界共通ですね。今までのフィリピンセクシー映画にない華やかなオープニングです。次のシーンで、主人公登場です。主人公(ミグス)は、父親の整備工場で働いています。ある日、ミグスの工場に、美女(ガビ)が車を修理に持ち込みます。その時はそれだけだったのですが、ガビは女友達2人と公道レースに参加しており、友達の車の調子がレース直前で悪くなったため、急いでミグスを呼んで、友達の車の調整をさせます。さあ、賭けレースをしようという段階になって、男たちは女とは勝負しない、勝ってもめんどくさいことになるからと、レースを拒みます。ガビは自分の車の修理のあとの試運転で、ミグスの運転スキルを知っていたので、ミグスに勝負させ勝利します。
負けた方の男たちですが、いかにも金持ちのボンボンという感じの家に住んでいます。常に侍らせている女が2人おり、レース以外のシーンがだいたいセックスシーンです。レーサーは、というよりお金持ちの周りには女が寄ってきますね。この2人の女のうち1人のタトゥーが多すぎです。これでは、いつもこんな端役しかもらえないでしょう。彼らはミグスとの勝負で5万ペソを失いました。また、彼らには金主がおり、60万ペソを借りていたことがわかります。返済が間に合わなかったので80万ペソに上がりました。彼らはあんなにいきっていたのに、ミグスとのレースの前にも相当負けていたようですね。
そして、ある日3人組がミグスの元を訪れました。脅して金を巻き上げるのかと思いきや、勧誘でした。彼らのチームに参加すれば10%の取り分をやるという話でした。見た目はやんちゃ系ですが、意外にも良いやつらです。その返事をする前に、ガビがミグスの元を訪れ、いつしか恋人関係になります。ところが、それを察したヤリマン女性(デニス)が、ミグスと関係を持ちます。ちなみに、このデニス、3人組とも関係を持っていました。勝ち組につく生き方のようです。
(ややネタバレ)デニスは、ミグスを手に入れるために、ガビの過去を暴露します。現在は、カフェの経営者ですが、元々は金主に借金漬けにされて、レース場で売春していたというのです。ショックを受けたミグスは、半ばやけくそになり、50万ペソを駆けた勝負を3人組に挑みます。ミグス側にそんな財力はないので、ミグスは勝手にガビをかけてしまいます。結局、そのレースには負けてしまいミグスは50万ペソの借金を追ってしまいます。しかし、3人組は以前ミグスに負けていますし、結果的に勝てて良かったですけど、勝負を受けて大丈夫だったのでしょうか? しかも、ガビをもらっても金主にお金を返せるわけもなく、この賭けは彼らにとって何のメリットがあったのかと思います。
(ネタバレ)大きな借金を背負い、途方に暮れてバーで飲んでいると、金主がミグスに声をかけます。金主はガビに執着しており、ガビを自分の元に連れて来れば、50万ペソをくれるというのです。ミグスは悩みます。そんなとき、ガビがミグスの元を訪れます。自分を駆けの対象にされたことで激怒しています。そんな彼女の、ミグスは「だって、君はもともと売春婦じゃないか」と最低なことを言ってしまいます。ガビは「自分が貧乏から脱出するには、それしかなかった。自分はそこから脱出したのに、どうして自分を巻き込むのだ」と怒ります。もっともですね・・・。
ガビを売ればミグスの借金もなくなると聞いたデビスが、再びミグスに近づいてきます。ミグスは、彼女を乱暴に抱いたあと冷たい態度です。デビスは、どうしてガビがいいのか?自分とガビは同じじゃないかと問います。しかし、デビスはわかっていたのです。ずっと借金漬けにされている自分とガビが同じではないことを。でも、どうやって今の状況を抜け出せばいいのかわからないのだと、さめざめと泣きます。
結局、ミグスは金主に勝負を挑むことにします。自分が勝てば100万ペソを得て、負ければ一生金主のために働くという条件でした。ミグスは父の協力を得て、自分の車を大幅にチューンナップ。ギャンブルでの負けをギャンブルで返すというダメなパターンですが、この父親の協力のシーンで、私は勝利を確信しました。負けると、フィリピン映画ですから文字通り血の雨が降りますからね、予想して見るというのは精神的に重要です。予想通り、レースには勝利。翌日、金主が飲んでいるところにあらわれたのは、例の3人組でした。彼らは金主に借金を返し、彼の支配から逃れることを宣言します。ミグスが掛け金を100万ペソにしたのは、3人組と、おそらくはデニスも金主から解放するためだったのでしょう。男気を見せました。最後は、ミグスとガビの再会のシーン。ミグスはガビに謝罪して、2人は恋人関係に戻ります。
フィリピンセクシー映画らしくない爽やかな展開、ハッピーエンドでしたね。自分だけでなく、そんなに関係ない、3人組の男や意地悪女をも助けるところが、日本映画のようです。本作はテーマが公道バトルだということで、日本的な男気も研究して盛り込んだのでしょうか?
つっこみを入れるところも結構あります。車でバトルする割には、あまりに掛け金が貧弱で、そんなお金で首が回らなくなってしまうのが、不自然です。3人組のレース車は高級なBMWです。また、主人公が負った借金も50万ペソ(125万円程度)です。大金と言えば大金ですが、主人公はレースに出れるような車を所持しており、売れば普通に返せる額です。フィリピンでは、車の購入費は日本よりも高く、維持費や改造費はもっと高いですから、賭けの金額があってないなと思ってしまいました。
また、せっかくの公道レースをテーマにした話なのに、レースシーンはスタートのシーンしかありません。ちゃんとレースシーンも入れて作品の軸にして欲しかったですね。予算がなかったのか、技術がなかったのかわかりませんが、監督さん的には、次の作品のために、ここは頑張って自分の技術をアピールして欲しかったですね。
「ラブレース セックスの女神」の監督、出演者情報
本作の監督をつとめたRay-An Ludwig Peraltaさんは、意外にも本作が初めて監督として関わった映画作品です。その割には非常にクオリティが高いですね。これまで編集者として多くの映画やドラマに関わっており、その経験を活かしたのでしょうか? ガビを演じたのは、正統派美人のChristine Bermasさん。デニスを演じたのが、小柄なかわいい系美人のAngela Morenaさん。バランスもいいですね。あと2人の脱ぎ役女性も出演しています。
「ラブレース セックスの女神」の作品情報
オリジナルタイトル:Kaskasero
公開年 2024年
監督 Ray-An Ludwig Peralta
主なキャスト Christine Bermas(ある官能小説 -迷宮の女‐)(郵便屋の愛人 ーエロスー)(覗かれた人妻 恍惚のエロス)(ベッドルーム 禁断の愛欲)
Angela Morena(義務とセックス)(欲情 嫉妬する肉体)
Itan Rosales
視聴可能メディア U-NEXT、Hulu(日本語字幕)(レンタル)