台湾の呪われた病院に配信者たちが潜入「Strange Frequencies: Taiwan Killer Hospital」

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本作は、韓国のホラー映画「コンジアム」のフィリピンリメイクのようです。フィリピンには、韓国映画のリメイクが本当に多いですね。フィリピン映画は、構成にいい加減なところがありますので、あざといくらい演出的な韓国映画のシナリオを、フィリピンに持ち込んでややルーズな雰囲気でリメイクするのは、バランスが取れて良い感じがしますね。日本映画の場合、日本人の価値観や生活様式が特殊過ぎて、他国ではリメイク困難ですが、韓国には途上国的な価値観が残っているので、それも良いのでしょう。内容は、台湾に世界的に有名なゴーストスポットである廃墟病院があり、そこにフィリピン人の配信者たちがチームを組んで潜入するという物語です。上手いと思ったのは、潜入する人たちは俳優や配信者なので、視聴者を怖がらせてやろうと思ってリアクションしているのか、実際に恐ろしい目にあっているのか、曖昧なまま進行するところです。また、人によって恐怖への耐性も違いますから、どこまでが演技で、どこまでが真の恐怖なのか、徐々に混沌としてくるのが面白かったです。ちなみに、韓国版では、台湾の病院が舞台ではなく、国内の病院のようです。なぜ、フィリピンでは、台湾の病院という設定にしたのでしょうか? フィリピンのように人口が増える国では、廃病院という設定に無理があったからでしょうか?

(Photo cited from IMDb)

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「Strange Frequencies: Taiwan Killer Hospital」のストーリー

西洋人の配信者の2人組が、台湾の廃墟病院から配信するシーンから始まります。しかし、すぐに悲鳴が起こり、彼らが死んだことが報じられます。

そして、フィリピン人の登場です。主人公は、人気オカルト・チャンネル「Strange Frequencies」を運営する監督、エンリケです。ちなみに、この作品は登場人物は全員、本名で出演しています。ですので、知っている俳優たちが、実際に恐怖体験をしているかのように思える設定です。参加者たちは、有名な配信者や俳優、占い師などから構成されており、事前に収録されたテレビインタビューでは、余裕を見せています。彼らは、自分たちが演技のプロなので、どんなリアクションで視聴者を引き付けてやろうかと盛り上がります。

まずは、台湾に到着して、霊が見えると言う人にインタビューして、「あの病院はやめておけ」というコメントが撮れて、監督は大満足です。

病院に潜入しようとすると、警備員に発見されてしまいました。配信者たちは、警備員を適当な部屋に閉じ込めてしまい、ベースキャンプを設置して、撮影開始です。ちなみに、かなり本格的な撮影チームで、潜入者の6人はヘルメットに装着されたカメラにより、自分の顔が常に撮影されており、4人がメインキャストで、2人はカメラマンも兼任します。

2つのチームが編成され、1つは廃院後、カルト教団の儀式に使われていたという外科病棟、もう1つは、15人の子供が看護師に殺されたという小児科病棟に潜入します。

最初にトラブルに遭遇したのは、小児科病棟に潜入したチームです。カメラマンが、突然鼻血を出し、リタイアしました。

一方、その頃に、外科病棟でカルト教団の儀式のあとを収録していたチームですが、より刺激を求める女優が、急に開いたドアの中にあらわれた秘密通路をひとりで進んでいきました。取り残された男はいやいや彼女のあとを追います。こちらも3人で行動しているはずですが、あと1人は登場しません。途中で急に再登場したMJと呼ばれる女性かもしれません。いったい、彼女はどこで何をしていたのでしょうか?

ベースキャンプに到着した小児病棟チームは、いよいよカメラマンの状態が悪くなり、チームは救急車を呼ぼうと主張します。しかし、許可なく廃病院で撮影しているため、そんなことをしたら自分たちが逮捕されてしまいます。結局、監督はひとり先行して連絡が取れなくなった女(アレクサ)を連れ戻してから、病院から脱出するという案で、メンバーを説得しました。

(ネタバレ)一方、はぐれていたアレクサは、自分の名前を呼ぶ声につられて進んでいましたが、部屋に閉じ込められてしまいました。アレクサを追うメンバーは、当初いっしょに行動していたのですが、いつしかバラバラになり、ついに占い師の男が最初の犠牲者になってしまいました。また、探索ののちいったんベースに帰還した女は、3人が死亡しているのを発見します。連絡を受けた監督は、ちょうどアレクサを発見したところだったので、今からアレクサを連れてベースに戻るから、その後脱出しようと説得します。しかし、その後、ベースに帰還した女も血を吐いて死んでしまいます。残ったのは、監督とアレクサだけです。2人は様々な怪奇現象を切り抜けていましたが、ついにアレクサが、何者かに引きずられ脱落。残った監督は、何とか脱出しようとするも、完全に閉じ込められているため脱出できません。ついに、恐怖のためか窓から外に飛び出して、転落死となりました。何者かが、監督の死体を階上から撮影しています。しかし、アレクサは生きていました。彼女は、シャッターを開け、外のまぶしい光を浴びます。そしてエンディングです。

良くできたホラーでした。小児科病棟と外科病棟に分かれて行動しますが、なぜか小児科病棟に残された子供の絵に、カルト教団が祀っていた悪魔の絵が描かれていたりと、いったい病院に何があったのだろう・・・と想像する面白さと怖さがあります。また、生配信しているという設定が活きていて、何かに遭遇しても、カメラはそれをはっきり映し出すことができません。潜入者のリアクションを映すのみです。また、潜入者が死んでしまっても、ベースキャンプのモニターに死んだ顔が映し出されるだけで、何が起こったのかを知ることができません。こうして、視野を限定的にしたことで、恐怖が大きく煽られていたと思います。

問題点は、フィリピン映画らしく、いい加減なところです。どういうプランで潜入しようとしているのか? 潜入したメンバーがどこで何をしているのかがはっきり示されません。また、台湾人のサポートメンバーもいたはずですが、いつの間にか登場しなくなっています。こうした生き残り系ホラーでは、あと何人生きているのか、誰が生き残っているのかを知ることが重要だと思うのですが、その点が常に曖昧です。どうしても、フィリピン人は、理詰めで作品を作りませんね。韓国版では、その点はしっかりしていたのでしょうが、その点が曖昧なぶん、フィリピン版の方が恐怖度は高いかもしれません。

「Strange Frequencies: Taiwan Killer Hospital」の監督、出演者情報

本作品の監督をつとめたKerwin Goさんは、近年、韓国映画のリメイク作品ばかり撮っている監督さんです。こういう割り切りも監督として生き残っていくには良い方法かもしれませんね。役者さんは、実名で自分の役を演じるという作風であるためか、普段はテレビで活躍している俳優さんが中心でした。監督役のEnrique Gilさんは、映画作品の出演も多い役者さんです。

「Strange Frequencies: Taiwan Killer Hospital」の作品情報

オリジナルタイトル:Strange Frequencies: Taiwan Killer Hospital

公開年 2024年

監督 Kerwin Go(キー・トゥ・ザ・ハート

主なキャスト Enrique Gil(Alone/Together)(I Am Not Big Bird)(My Ex & Whys)(Amorosa: The Revenge

Jane De Leon

Alexa Miro(A Girl and a Guy

視聴可能メディア Netflix(英語字幕)

「Strange Frequencies: Taiwan Killer Hospital」のトレイラー

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