南シナ海情勢の緊張が高まる中、フィリピンは米国から25億ドルの防衛支援を受ける

日本やアメリカと、中国との緊張が高まる中、日本はアメリカに防衛費を払わされる立場ですが、フィリピンはお金を受け取る立場のようです。まあ、その代わりに、戦争になったら血を流せということだとは思いますが・・・。アメリカから支援は得られるけれども、中国との戦争には強制参加という状況に対して、フィリピン人はどう考えているのでしょうか？気になりますね。

南シナ海情勢の緊張が高まる中、フィリピンは米国から25億ドルの防衛支援を受ける予定

南シナ海およびインド太平洋地域における緊張が高まる中、米国議会が新たな軍事支援を承認したことを受け、フィリピンは米国から25億ドル（約1460億ペソ）の安全保障支援を受けることとなった。

この支援は、12月17日に米国上院で可決された9000億ドル規模の国防政策法案「2026年国防権限法」に基づいて承認された。この法案は、ドナルド・トランプ米大統領に署名のために送付される。

この法案に基づき、フィリピンは2026年から2030年にかけて、年間最大5億ドル、5年間で総額25億ドルの外国軍事資金援助を受けることができる。米国が同盟国に対し、自国の防衛責任の強化を強く求める中、この長期的なコミットメントはフィリピンに財政的安定をもたらす。

フィリピンと米国は、1951年の相互防衛条約以来、条約上の同盟国であり、南シナ海における事案を含む外部からの攻撃があった場合、両国は相互に防衛することを約束しています。このパートナーシップは、2014年に署名された強化防衛協力協定（EDCA）によって強化され、米軍の交代的なアクセスが認められるフィリピン国内9か所の拠点に拡大されました。

この防衛支援は、ビル・ハガティ上院議員とティム・ケイン上院議員が提出した超党派法案「フィリピン強靭性強化法」に基づくもので、防衛協力を強化し、フィリピン軍の能力と米軍との相互運用性を向上させることを目的としています。

ハガティ上院議員は、法案成立後の共同声明で、「米国とフィリピンは、西フィリピン海および広域インド太平洋地域における安全保障と繁栄に対する課題の増大に直面しており、両国が協力を深めることが極めて重要です」と述べました。

FACTSアジアの国家安全保障アナリスト、ジャスティン・バキサル氏は、マルコス政権が軍事近代化のための予算制約に苦慮している中で、複数年にわたる資金援助が行われたと述べた。バキサル氏は、これまでの米国の援助発表とは異なり、新たな法案はより明確な予算編成と装備計画を提供していると指摘した。

「これまで米国とフィリピンは、主に一般的な対外軍事援助とEDCA（対外軍事援助調整局）施設の建設に重点を置いてきた」とバキサル氏は述べた。「最近の措置は、フィリピン軍が欠いている実際の装備の保有という問題に焦点を当てている」。

バキサル氏はまた、この援助は米国製防衛システムの取得にかかる費用の課題に対処するものであり、購入が米国経済を支えることで両国に利益をもたらすと指摘した。

防衛協定は締結されているものの、中国との緊張が全面的な紛争にエスカレートした場合、米国の関与の範囲については依然として疑問が残る。ピート・ヘグゼス米国防長官は3月のマニラ訪問時、相互防衛条約に基づくフィリピンへの「揺るぎないコミットメント」を再確認した。

中国は、2016年の仲裁判断で中国の領有権主張が無効とされたにもかかわらず、西フィリピン海におけるフィリピン船舶への哨戒と嫌がらせを強化し続けている。

フィリピン人の反応

まとめ

現金で支援すると政治家が不正をしてしまうので、直接武器を支援して欲しいというコメントが大半でした。あとは、素直に喜ぶ人、戦争に巻き込まれることを懸念する人が少数いました。しかし、マルコス大統領自身が言っているように、台湾有事が起こってアメリカが介入する場合、自分たちに選択肢はなく、自動的にアメリカ側から参戦することになってしまいます。その点については、フィリピン人はそういうものだと割り切っているという感じがしますね。