フィリピン版美女と野獣「The Last Goodbye」

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実際、野獣的な男性主人公は、アジア文化的に馴染まないので、気が優しくて力持ちタイプの太った大男が主人公です。彼は、クラスの美少女を好きになり、最初は女も戸惑っていたのですが、ついには彼の優しさに惹かれるようになるという物語です。私は、多くの国でドラマや映画を見てきて思っていることですが、途上国においては、美男美女の現実離れした物語が好まれますが、経済的に発展し、文化が成熟すると、ちょっと不細工な男や、不美人、癖のある男女の恋愛が描かれるようになると思っています。そういう意味では、韓国ドラマは途上国的な価値観を濃厚に残したドラマであり、だからこそ、途上国でウケているのだと思っています。そして、フィリピンから、決してイケメンではない主人公の恋愛作品が出てくるのは、フィリピンも徐々に文化的に成熟してきているなと感じます。ただ、フィリピン映画にありがちですが、こうした異色の恋愛を監督自身が信じ切れておらず、安直なエンディングを迎えてしまいます。

(Photo cited from IMDb)

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「The Last Goodbye」のストーリー

この設定にどんな意味があったのかわかりませんが、2000年ごろが舞台です。正直なところ、スマホが使われず、文字しか送れない携帯電話を使っているくらいしか違いがわかりません。ヒロイン(ハート)は、物語の冒頭で母を亡くします。その後、父は酒におぼれてしまいます。

さて、ハートは大学生です。普段は学校で明るく振舞っていますが、実際には母の死と、父のアル中が重く心にのしかかっています。そんな彼女に、いつも明るい笑顔を向ける太っちょの大男がいました。それが、本作の男の主人公(シャビア)です。

学級委員長選挙、学内の音楽イベントなどを通して、2人は少しずつ近づいていきます。しかし、フィリピンの大学生は、制服もありますし、学級委員長があるなど、高校生に見えますね。あと、ハートが学級委員長に選ばれたのですが、彼女は大喜びして、友達たちも祝福していましたので、フィリピンでは、学級委員長はなりたい役職なんですね。日本で、学級委員長に選ばれて大喜びするというのは、あんまりない気がします。

そして、2人は元々幼なじみであることが発覚します。シャビアは、その頃からハートのことが好きだったのです。しかし、親の仕事の関係で、彼女に「さよなら」をいうことができずに、現在の街を去ったのです。

2人の仲が決定的に深まったのは、卒業ダンスパーティ(Prom)でした。シャビアは、ハートの父親を訪れ、正式にダンスパーティのパートナーになることを認めて欲しいと伝えます。ハートの父は、「お前は大きいから、他の男から娘を守る壁として役割を果たすようにと言われてしまいます。なんにせよ、シャビアはハートのパートナーとして、ダンスパーティに参加し、彼女にラブソングを届けました。

その後、ハートの父親から正式な許可を得て、2人は正式にお付き合いすることとなりました。最初のデートでドライブをしたところ、帰り道で車が故障してしまい、約束した時間までに、ハートを送り届けることができませんでした。父親は、もう娘には会わさないと激怒します。ところが、その夜、父親が倒れてしまいました。急いでかけつけたシャビアが病院に、父親を搬送し、父親は入院することになりました。意識を失ったのはアル中によるものだったのですが、父親のことをずっと心配して付き添ったシャビアに、父は好感を持ち、シャビアとハートは再びデートできるようになりました。

(ネタバレ)ところが、海外に働きに出ていたシャビアの父親が、突然連絡を寄こし、卒業後、シャビアをカナダに連れて行くと言い出します。彼の父は頑固で、シャビアは従わるを得ないと言います。そして、シャビアは、ハートに対して「自分はどこにいっても気味を愛する気持ちは変わらない」「必ず戻って来る」という約束をして、デートから帰るところで交通事故を起こしてしまいます。

ハートは目を覚まし、シャビアが亡くなったことを知らされます。そして、ハートは失明の恐れがあったが、シャビアの眼を移殖されて、失明を逃れたことを知ります。回復後、ハートはシャビアとの思い出を辿り、シャビアの愛の深さに対して想いをはせます。そして、エンディングです。

単純なストーリーです。シャビアの愛らしいアプローチと、それを少しずつ、好ましいものとして受け入れていくハートの心理描写が本作のメインパートです。その部分はほのぼのしていて良かったのですが、またしても恋人の片方を殺すという安直なエンディングだったのが残念でした。他にも、フィリピン映画でブサメン男と美女のラブロマンスを見たことがあるのですが、必ず男の方がラストで死んでしまいます。監督自身が、その男が彼女を幸せにできる未来を信じていないように思えてしまい、残念ですね。フィリピン映画では、最後に誰かを殺して終わりというのが多すぎです。

「The Last Goodbye」の監督、出演者情報

本作の監督をつとめたNoah Tongaさんは、編集者としての長いキャリアを経て、監督になったばかりの監督さんです。彼女の作品は「ConMom」を見たことがありますが、本作と同じように、途中光るシーンがあるものの、ラストが安直でもったいないと思いました。良いシーンを作る才能はあるのですが、全体を構成する力が足りないと感じますね。シャビアを演じたMatt Lozanoさんは、身体が大きく太っちょという俳優として恵まれた資質を活かして、すでに多くの作品に脇役として出演しています。彼が出ていれば一目でわかるので、今後もどんな役を演じるのか注目していきたいですね。

「The Last Goodbye」の作品情報

オリジナルタイトル:The Last Goodbye

公開年 2025年

監督 Noah Tonga(ConMom

主なキャスト Daniela Stranner(Love at First Stream

Matt Lozano

視聴可能メディア Netflix(英語字幕)

「The Last Goodbye」のトレイラー

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