遺産相続で仲たがいをする兄弟たちの物語「Tanging yaman」

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フィリピンらしい、登場人物が多い上に関係がわかりずらい家族ドラマでした。私は見ながら気づいたのですが、なぜ関係がわかりずらいかと言えば、英語字幕で見ているからだということがわかりました。というのは、英語字幕では、兄への呼びかけの「Kuya」や姉への呼びかけの「Ate」が、その人のファーストネームで置き換えられているので、関係性がわからないのです。タガログ語に耳を傾けながら、英語字幕を読まなければならないなと思った作品です。物語としては、母の遺産を当てにしていた子供たちですが、母が認知症になってしまい、スイス銀行に預けた預金を引き出せなくなってしまいました。さらに、長男が母を引き取って遺産を独り占めする態度を示し、兄弟は決定的に仲たがいするのですが、別の事件が起こり、その件を切っ掛けに兄弟が仲直りするというストーリーです。結局、争点だった遺産の問題も解決されず、中途半端に終わった印象を受けました。オリジナルタイトルの「Tanging yaman」は、「富だけ」という意味です。遺産をめぐる争いを暗示するタイトルですね。ちなみに英語タイトルは「A Change of Heart」とラストに焦点を当てたものになっています。

(Photo cited from IMDb)

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「Tanging yaman」のストーリー

教会で多くの人が、自分の問題を告白し、お祈りをしているシーンから始まります。その後、本編が始まります。私は後半に入ったころようやく登場人物の関係がわかってきたのですが、先にまとめると、年老いた母と、3人の子供(ダニー、アート、グレース)がいます。また、3人はそれぞれ子供がおります。ダニーは、元トライシクルのドライバーで、今は何をやっているのかわかりません。兄弟の中で最も貧乏です。アートは、経済的に裕福です。そして、グレースは、好きな男とアメリカに駆け落ちするも、経済的に苦しい状況で、母の遺産を当てにして帰国したところです。そして、母はダニーと同居していました。

ダニーの息子が、帰省したところから本編は始まるのですが、母は食べ物の味がしないと言って怒っています。明らかに振る舞いが奇妙で、認知症が始まったことが示唆されました。その後、母の認知症は一気に進み、裕福なアートが母を引き取ることになりました。それは一見合理的な判断に見えましたが、アートは母の遺産を事実上独占することが目的でした。しかし、目先の金が必要で余裕のないダニーとグレイスは、アートからわずかな取り分が与えられるという条件を受け入れるしかありませんでした。

3人の子供たちにも言及すると、ダニーの息子は都会で大学に行っています。あと、2人の女の子がいます。両親は、息子には卒業後は地元に戻って、トライシクルのドライバーを継ぐか、いずれにせよ地元で働いてもらいたいと思っています。しかし、息子は写真家になりたいと思っており、父親と大喧嘩になりました。結局、母の仲裁で父と息子は仲直りします。アートの息子の話はラストに繋がるのですが、医学部に通っています。食卓を囲んでいる人がたくさんいるので、他にも子供がいるかもしれません。グレイスには、娘と息子がいます。たぶん、3人(夫も?)で帰国しています。その中で、役割を演じるのは娘で、英語を喋る気取った感じの美人です。しかし、ややバカっぽい、英語も喋れないダニーの息子の友達と仲良くなり、やがて恋愛関係に発展します。

家族の情報が多すぎて、物語の焦点がわからないまま時間が経過していきます。遺産を独り占めするために、認知症の母を引き取ったアートですが、そちらも大変でした。母の認知症はどんどん悪化し、介護をする妻たちも戸惑っています。また、自分を認識することができず、父と間違われたときには、アートもキレてしまいました。どうやら、アートは父親から愛されていなかった(DVを受けていた?)と感じており、その時に自分の味方をしてくれなかった母に怒りをぶつけます。

(ネタバレ)その怒りのテンションのまま、アートは、自分の息子が医学部に出席していないことが判明し、息子と大喧嘩をします。すっかり落ち込んだアートの息子は、雨の中、車ごと川に入水自殺を試みます。もはや、生存は期待されない状況でしたが、奇跡的に息子は救出されました。この件の後、3人兄弟は急速に仲直りに向かい、それぞれが家族愛を噛み締めてエンディングです。

とにかく登場人物が多すぎて人間関係がわかりずらいドラマです。3人の子供には、それぞれ子供たちがおり、画面上に登場しますが、スポットが当てられるのはそのうちの数人で、誰だったのかわからなくなります。また、彼らの物語も本筋には関係ないものが殆どで、ストーリーが綺麗に流れない、非常にフィリピンらしい作品でした。

「Tanging yaman」の監督、出演者情報

本作の監督をつとめたLaurice Guillenさんは、女優から監督になった人です。女優としては、「Ina, kapatid, anak」で3人姉妹の3女を演じたほどですが、80年代には監督としてのキャリアを開始し、多くのドラマと映画の監督をしている大ベテランです。ただ、近年はテレビドラマの監督をすることが多いようです。また、映画作品も、本作のように、完全にフィリピン人向けの家族ドラマなのでしょう、時代的にも英語字幕が付いているものは少なそうです。

「Tanging yaman」の作品情報

オリジナルタイトル:Tanging yaman

公開年 2000年

監督 Laurice Guillen

主なキャスト Johnny Delgado

Edu Manzano(Mamasapano

Dina Bonnevie

視聴可能メディア Youtube(英語字幕のみ)

「Tanging yaman」のトレイラー

トレイラーが見つからなかったので、全編動画のリンクを下に貼ります。

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