100年続くモロ族の内戦、ゲリラ兵士たちの日常と戦闘を描く「Moro」

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いくつかの作品で、ミンダナオ島のイスラムゲリラ兵と国軍の戦いを映画の中で描いているブリランテ・メンドーサ監督ですが、ゲリラ兵側の目線で作品を作ったのは、本作が初めてではないでしょうか。何だかんだと、軍や警察から協力を得るのが上手な監督さんですから、長年の協力関係を経て、ゲリラ側でのシナリオで映画を撮ることができたのでしょう。本作は、現地の人から聞いた実際の話に基づいて制作されたとのことです。相変わらず、ドキュメンタリー風の、夢も希望もないストーリーラインです。タイトルの「Moro」はモロ族を意味するものと思われます。モロ族との戦いと言えば、太平洋戦争が始まる前に、アメリカとモロ族との戦いを描いたアメリカ映画(暁の討伐隊、The Real Glory, 1939)もあるらしく、もう100年近く、あるいはもっと長く戦っているようです。

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「Moro」のストーリー

(Photo cited from IMDb)

物語は、夢の中のシーンから始まります。2人の男が、トウモロコシ畑の中で血まみれになりながら剣を振るっています。とは言え、お互いに切りかかるようではありません。母親らしき女性が、2人の名を呼び、戦いをやめるように訴えかけます。やがて、男のうちの1人が、川の方に歩き始め、船の上に立つ男に近づきます。どうやら、それは亡くなった父親のようで、そちらに行かないようにと母が叫びます。しかし、男は父の手を取ったところで目が覚めます。ちなみに、この兄弟、相当なイケメンです。兄は若い時の石坂浩二みたいな感じ。弟はトヨエツのような感じです。

母の視点で物語は進みます。母は2人の息子のうち弟(アブデル)と一緒に住んでいます。アブデルは、遊び人で馬を戦わすギャンブルに熱中しています。しかし、あんな大きな馬を戦わせるなんて、もったいないし、危ないですね。自分の所有している馬が勝ったことで、バイクが買えると言って大喜びでした。兄は、マーケットで店を持って堅実に生きています。妻もいます。母は、兄(ジャシム)の元に行って、弟と仲直りして、援助して欲しいと頼みます。しかし、ジャシムは「金を無駄にするだけだ」とその場では断ります。しかし、優しいジャシムは、後に弟を訪れ、土地の権利書みたいなものを渡します。ところがアブデルは態度が悪く、手渡された書類を破り捨ててしまいました。激怒した兄は、弟につかみかかり、大げんかになってしまいます。その現場にやってきた母も怒ってしまい、2人に刃物を渡して「殺しあえ!」と叫びます。どういう文化でしょうか・・・・

場面変わって、喧嘩していた2人が座らされており、村長のような人が、2人の仲直りの儀式をします。2人は大人しく従い、お互いに抱き合って関係を修復しました。また破いた書類は、テープで修復され、アブデルに渡されました。その夜、アブデルは意気揚々と出かけていきます。母が兄に説明した時に、土地を取り上げられるみたいなことを言っていたので、借金でも返しに行くのかなと思ったら、なぜか、それは戦地でした。

その前に、村の男たちが陽気に談笑しているシーンが、挿入されていました。男たちは、戦争をしてようが、休戦してようが、俺たちは戦争で食っていっているんだと語ります。

どうやら、弟は自分の当番で前線の地に行っただけのようです。その後、国軍が迫るシーンが挿入され、村に迫撃砲が落ちます。男たちは「休戦中なのにどこから降ってきたんだ?」と言って、銃を持って、のろのろと砲撃のあった方向に向かいます。特に何も見当たらず、いったい何だったんだ?という顔をしているところに、突然、国軍の攻撃が始まります。「アラーは偉大なり!」と叫びながら、ゲリラ側は次々殺されますが、体制を立て直したゲリラ側は数に勝り、結局は国軍は大敗します。国軍は、休戦協定まで破って奇襲して、ほとんどの兵士を失うという・・・いったい何がやりたかったのでしょうか?そもそも、この戦争はどうすれば勝利できるという風に考えているんですかね?

(ネタバレ)国軍を退けたとは言え、ゲリラ側も多くの人を失いました。その中の1人がジャシムでした。ジャシムが負傷したという知らせを受けたアブデルは、前線の戦場から、必死の形相でジャシムのいる戦場に向かいます。このあたりから、よくわからないシーンが続くのですが、ケガをした兄を抱きかかえ、船に乗せて村に戻りました。村では、死者は赤十字のマークの入った布でくるまれ、並べられています。ところが、時々、兄が生きているシーンが描かれます。またアブデルが家で過ごしているときに、急に国軍の襲撃を受けてアブデルが死ぬシーンも挿入されますが、またアブデルが生きているシーンもあります。あるいは、2人が両方とも生きているシーンもあります。結局どちらが死んだのか、あるいはどちらも生きているのか、わからないままエンディングを迎えます。私としては、最初のシーンで、父の手を取った弟の方が死んだのではないかと思っています。

どうにもスッキリしない映画体験で、IMDbの評価も3.8/10と非常に低い点数でした。メンドーサ監督の映画で最も評価の低い作品だと思われます。

「Moro」の作品情報

オリジナルタイトル:Moro

公開年 2023年

監督 Brillante Mendoza(GENSAN PUNCH)(ローサは密告された)(Feast-狂宴-)(アルファ、殺しの権利)(リプレイス 絡みあう欲望)(囚われ人 パラワン島観光客21人誘拐事件)(あの夏の欲望)(ヴァージンフォレスト 愛欲の奴隷)(汝が子宮)(罠~被災地に生きる)(サービス)(ミンダナオ

主なキャスト Laurice Guillen

Piolo Pascual(僕のアマンダ

Baron Geisler(ドールハウス 〜想いをこめて〜)(GG(Good Game)

視聴可能メディア Netflix(英語字幕のみ)

「Moro」のトレイラー

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