自分の子供を元彼のゲイカップルに養子に出す??「The Third Party」

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フィリピン映画のラブコメは、私が苦手なジャンルですが、本作は非常に良くできた、面白いラブコメでした。しかもシナリオがぶっ飛んでいて、遠距離恋愛になったため別れた元カレが、ゲイカップルになって戻ってきます。ショックを受け、他の男と付き合ったものの、詐欺男で、しかも望まない妊娠をしてしまいます。堕胎手術ができないフィリピンで途方に暮れる主人公ですが、元彼カップルへの養子に出すことになってしまいます。この設定だけでも驚くべきものですが、さらにかき回すような展開が続き、思いもよらない大団円へと到達します。しかも、登場人物の心理的にも説得力のあるラストでした。これは脚本の勝利でしょう。フィリピンのラブコメの中でも、本作は代表的な作品になると思います。

(Photo cited from IMDb)

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「The Third Party」のストーリー

仲の良い学生カップルの数年が駆け足で描かれ、卒業式のあと、男がアメリカの大学に進学することが判明します。男(マックス)は遠距離恋愛を続けたかったのですが、女(アンディ)は、そんな大事なことを教えてくれなかったショックもあり、関係を終わらせることを決めました。その後、アンディはファッションデザイナーの卵として働き始め、4年経ったところで、本編の始まりです。

アンディのもとに、マックスが帰国したことが知らされます。マックスの方からアンディに連絡が来て、久しぶりに会うことになりました。アンディはすっかり興奮して、マックスとの関係が再開することを期待したのですが、なんと、マックスから新しい男の恋人のクリスチャンを紹介されます。アンディは、自分の元恋人がゲイだったことにショックを受け、自分と付き合っていた頃も、男がすきだったのか?と怒りますが、マックスによれば、アメリカに行ってから、学校で親切にしてくれるクリスチャンに惹かれるようになったとのことです。マックスは、自分がゲイであることを両親に伝えることができず、アンディに助けを求めます。結局、アンディはマックスと友達として、関係を継続することとなりました。

その後、アンディは別の男と付き合い始めたのですが、その男が詐欺師で、ファッションイベントのお金を、別の女と持ち逃げしてしまいました。さらに悪いことに、アンディに妊娠が発覚します。堕胎ができないフィリピンでは、大変な問題です。また、家賃を滞納していたことから家も追い出され、途方に暮れたアンディは、医師であるマックスとクリスチャンを頼ります。2人は医師の倫理として、違法な堕胎手術を拒否しますが、クリスチャンは、アンディの子供に興味を示します。彼らは、もう3年付き合っているのですが、最近関係に進展が見られず、小児科医で子供好きなクリスチャンは、子供を養子に取りたいと考えていたのです。そこで、クリスチャンは、アンディに、自分たちの住んでいる家の隣に家を借りてあげること、子供を養子にくれれば10万ペソ支払うことを提案します。アンディは、住む場所も、堕胎方法もない状況ですから、この申し出を引き受けます。

しかし、元恋人の男女が接近すれば、数々の思い出がよみがえり、何となく良い雰囲気になることは避けられません。クリスチャンは、そのことに気づいて嫌な気持ちにはなりますが、特に非難することはありまでんでした。また、アンディの子供を誰よりも心配して、アンディにかいがいしく世話を焼くのは、クリスチャンでした。というのも、クリスチャンは、マックスと子供を持つことで、マックスを自分から離れないように引き留める意図もありますし、彼自身が小児科医で子供が大好きです。ちなみに、マックスは美容外科医のようですが、そこは作中では深掘りされません。

また、クリスチャン自身も養子として引き取られたことがあり、養育してくれた両親に与えられたことを、自分も養子にしてあげたいと考えていることを、アンディは知ります。アンディは、すっかりクリスチャンを信頼し、これならば安心して、自分の子供を託すことができると考えます。むしろ、自分を養子にして、と言うほどです。

ところが、ブレブレだったのは、マックスの方でした。マックスは、自分がまだアンディを好いていることに気づき、自分はバイだったのではないかと考えます。しかも、両親がフィリピンに戻ってきたことから、ついに恋人のクリスチャンのことを両親に報告しなければなりません。マックスの父親は非常に厳格なので、自分がゲイであることなど認められるはずもありません。マックスは、すっかり混乱します。結局、両親との食事会に、アンディについてきてもらい、クリスチャンのことを伝えなければならないのに言い出せず、「アンディが妊娠している」「自分が父親になる」と言ってしまいます。マックスの両親は大喜びでした。

さらに混乱したマックスは、いきなりアンディにキスしてしまい、そこをクリスチャンに目撃されます。そして、3人は自分の心の中に秘めていたことをぶちまけます。マックスは、クリスチャンが、子供を養子にすることなどを決めて、自分をコントロールしようとしていると感じています。また、自分がバイじゃないかと思い始めたこと、クリスチャンは、自分とアンディによりが戻ることはわかっていて、それでも、自分を追い込んだのだと考えていました。クリスチャンも、自分がマックスをコントロールしようとしていることを認めます。しかし、それは愛ゆえだと宣言します。一方で、アンディもマックスへの気持ちが戻ったことはあるが、今はクリスチャンを信用していると語ります。そして、マックスが自分に惹かれていると感じるのは、両親が望む関係に逃げようとしているだけで、本当はクリスチャンを愛しているはずだと宣言します。

ともかく、3人は距離を取ることになり、アンディは殆ど交流の無かった実母のもとに帰ります。そんな設定だったかな?とは思いましたが、アンディは、実母に捨てられたような状況になっており、叔母の元で養育されたのでした。この機に実母の元に戻り、母と会うことで、母が子供を養育する自信がなく、子供を手放したのだと知ります。母が、現在の自分と同じだと知った、アンディは母と仲直りしました。マックスもついに、両親にクリスチャンのことを告白します。当然、父は大激怒でした。しかし、母はそれを認めてくれました。

(ネタバレ)結局、マックスは、クリスチャンの元に戻り、再び恋人関係になりました。また、アンディはついに産気付き、病院に搬送されます。マックスとクリスチャンも、彼女の元に駆け付けます。そして、看護師さんが、「どちらがお父さんですか?」とアンディに聞くと、「どっちもだ!」とアンディは答えます。これには爆笑しました。結局、はっきりと示されはしませんでしたが、子供はアンディとマックスの元に引き取られ、アンディも母親として関わっているようです。3人の不思議で幸せな関係が続くことが暗示され、エンディングです。

面白い作品でした。最初の設定もいいですし、マックスが自分を愛していると感じるのを、両親が覗く関係に逃げようとしているだけだと宣言するアンディの言葉は、名セリフの1つとして記憶されても良いでしょう。そして、奇跡とも思える、3人の不思議で幸せな関係へとたどり着くラストも素晴らしいものでした。日本語字幕を付けて、日本にも紹介して欲しい作品です。

「The Third Party」の監督、出演者情報

本作品の監督を務めたJason Paul Laxamanaさんは、フィリピンらしい映画を撮る人と言えば良いのでしょうか? 日本人が撮るタイプの映画とは全然違うタイプの映画を撮る、いかにもフィリピン映画人という感じの人です。私は、その才能を高く買っているのですが、本作は彼の代表作と言えると思います。3人のメインキャストは、いずれも人気の俳優さんです。

「The Third Party」の作品情報

オリジナルタイトル:The Third Party

公開年 2016年

監督 Jason Paul Laxamana(セックスの才能)(Hold me close)(Mercury Is Mine)(Sosyal Climber)(Ang taba ko kasi

主なキャスト Angel Locsin(One More Try)(Four Sisters and a Wedding

Zanjoe Marudo(Kusina Kings)(キー・トゥ・ザ・ハート)(生き人形マリア)(Unmarry)(My Illegal Wife

Sam Milby(ニャンてこと!)(Everything About My Wife)(The Prenup)(3pol Trobol Huli Ka Balbon)(Ang pambansang third wheel

視聴可能メディア Youtube(英語字幕)

「The Third Party」のトレイラー

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