
私もたくさんのフィリピン映画を見てきたので、フィリピンのダメ男はさんざん見てきました。仕事をしない、借金をしてギャンブルをする、浮気をする、嘘ばかり。そんな男を見てきた私でも、この映画に出てくる男ほど最悪な男はいませんでした。この男が、母親の恋人となって家族に入ってきて、親子の関係、家族でやっているビジネスなどすべてを壊していくという気分の悪い映画でした。また、ヒロインを演じる女優(上の写真)もそんなに可愛くないという致命的な問題を抱えてします。唯一の良いところは、母親役の女優の美しさです。40歳手前ですが、娘よりも美しく、ベッキーに似ています。ちゃんと濡れ場も演じますので、綺麗なアラフォーフィリピン女性を見るためだけに見るのが良いでしょう。オリジナルタイトルの「Litsoneras」はレチョン屋さんの意味です。
「母の恋人 飼育小屋」のストーリー
非常に興味深いことに、主人公の家はレチョン(豚の丸焼き)を作って売る店です。レチョンを作るシーンは非常に興味深かったです。こういうプラスアルファのある映画はいいですね。お父さんは、レチョン一筋の職人で、街の人たちの評判も良好です。そこに、ずっとドバイで働いていた母親が急遽帰国します。お父さんはすっかり委縮して、必死で妻のご機嫌を取ろうとします。と言うのは、妻がドバイにいるあいだに、風俗を利用したことがバレて、夫婦仲が破綻していたのです。妻はドバイにいたのに、どうしてバレたのかなとは思いますが。
もともとレチョン屋さんは、妻の一族の経営権を持っており、妻はレチョン屋さんの経営を思うようにしようとします。まず、1人の若い男を採用しました。その時に、無犯罪証明書というものを出させていました。そんなのあるのですね。興味深いです。また、娘との接点としては、娘が下校中に同級生に声をかけられていた時に、乱入しナイフを出して追い払いました。こんな行動で、娘の気が引けてしまうのだから、フィリピン社会は全然違うなと思ってしまいます。日本ならばドン引き、逮捕案件です。他にも、娘のシャワーを覗いていた男を見つけて、ボコボコにしました。これで、娘は彼に惹かれるようになりました。日本人にはわからない感覚ですね、ホントに・・・。
(ネタバレは少しだけです)実は、この男は母の愛人で、当初母は隠していたのですが、職場でも男が図々しく振舞うので、隠しきれなくなり、ついにカミングアウトします。父親はショックのあまり家を出ていきました。すぐに、娼婦のところに行ったのには笑いましたが、サービスカットでしょう。そこから、男は増長するばかりです。レチョン職人の父親が出て行ったことで味が落ち、常連さんも離れていきます。また、男の客や従業員への態度も頭がおかしいレベルに悪く、すべてが壊れていきます。そこで、母の目を覚まさせるため、復讐の意味もありましたが、娘は男を誘惑して母との関係を破綻させようとするのですが、逆に男の罠にはまってしまい、その後はレイプされ続けるはめになります。しかし、ついには男が娘をレイプしているところが母に見つかってしまいます。さあ、最後の結末はどのようになってしまうのでしょうか・・・。
本当にクソ男でしたが、よくやるなという印象です。というのも、フィリピンでは不倫やレイプをした男が、家族に復讐され殺されるということは、よく起こることです。よく、こんなに全方位に敵を作れるなと思います。ベッキー似のお母さんも、この男のどこが良かったのか? ひとつも良いところが思い浮かばない、ひたすらクズな男でした。
「母の恋人 飼育小屋」の監督、出演者情報
監督は「アダン 禁断の果実」や「ハウスメイド 欲望のしもべ」などを撮ったRoman Perez Jr.さんでした。暗く、執念深い作品をつくる監督さんです。本作もひどい話でした。主演の娘は、美人じゃないのでスキップして、お母さんを演じたJamilla Obispoさんに注目すると、作品公開時37歳。映画デビューは2011年ですが、それほど多くの作品には出演していません。テレビドラマ出演の方が多く、意外にも映画の中で濡れ場を演じたことも、この年まで多くないようです。
「母の恋人 飼育小屋」の作品情報
オリジナルタイトル:Litsoneras
公開年 2023年
監督 Roman Perez Jr.(アダン 禁断の果実)(ハウスメイド 欲望のしもべ)(奪われた裸体 ハニートラップ)(ターミナル 人妻の情事)(郵便屋の愛人 ーエロスー)(愛欲の流刑地)
主なキャスト Yen Durano(グッドサマー 肉体解放区)
Jamilla Obispo
Victor Relosa
Joko Diaz
視聴可能メディア Hulu、Lemino(日本語字幕)(見放題)
U-NEXT、Amazon Prime Video(レンタル)