ゲイを告白して夫に出て行かれた妻たちの物語「Ang Dalawang Mrs. Reyes」

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ジュン・ラナ監督の来日に向けて、監督の作品を見続けています。作品の半分くらいがゲイをテーマにしたものなので、ゲイに1mmも興味のない自分にとっては辛いものがありますが、どの作品も楽しめるのは脚本力が高いからでしょう。本作も脚本が優れていて、ゲイを告白して去った夫たちの妻が、夫を理解しようと追いかけるにしたがって、意外にも社会はゲイの夫たちを許容していることがわかり、なんだか自分たちの方が偏狭な考えを持っているのではないかと感じるられる、逆転現象が起きるシナリオが秀逸です。タイトルの「Ang Dalawang Mrs. Reyes」は、「2人のレイエス夫人」という意味です。あまり活かされない設定でしたが、2人の夫がゲイカップルとなり、妻を捨てて出ていくのですが、たまたま2人の夫(当然妻も)苗字が同じという設定です。

(Photo cited from IMDb)

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「Ang Dalawang Mrs. Reyes」のストーリー

2人の妻が夫の浮気を知ることになるのが、序盤のシーンです。結婚歴15年のやや年増の方がリアンヌ、結婚5年の若い方がシンディーです。当初は、浮気相手は女だと思っていたので、2人はセクシーに夫に迫ってみたり、料理を頑張ったりしていたのですが、そんな妻を見て、ついに夫が「自分がゲイである」ことを告白して出て行ってしまいます。まだ、この時点では、2人は夫がゲイであることを信じきれません。シンディーは夫の会社を訪問したところ、夫は既に退社しており、夫の荷物を預かることになりました。その中からメモリースティックを発見し。ついに夫の交際相手である男の身元がわかりました。

シンディは、相手の男の職場を訪れたところ、打ちひしがれたリアンヌがいました。そして、どうやら自分たちの夫が本当にゲイで、自分たちを捨てたことを認めざるをえなくなりました。リアンヌは、探偵を雇って夫の居場所を探しており、ついに夫たちの居場所が判明しました。2人で乗り込んだところ、リアンヌの夫が性自認が女であるとのことで、女装していました。2人のような豊かな胸をつくりたいと言って、2人を唖然とさせます。2人の夫の決意は固く、家に連れて帰るのは困難でした。

2人の妻は、とりあえずゲイを理解しようと、ゲイバーに飲みに行きます。そこでテーブルについた若いゲイの男(スティーブ)が、アメリカ人の男と遠距離でプラトニックな恋愛をしていると聞いて、2人はゲイと言うものがわからなくなってきます。また、リアンヌには娘がいるのですが、驚いたことに、夫は前もって娘には打ち明けており、娘は既にシンディーの夫も恋人として紹介されており、それを普通に受け止めていました。娘に「お父さんの恋人は良い人よ」と言われ、リアンヌはますます混乱します。

2人の妻は、夫が台湾で行われるLGBTQのイベントの翌日、結婚式をあげると言う情報をキャッチします。台湾では同性カップルの結婚が認められているのだそうです。2人は、スティーブを使って、夫を誘惑して2人の夫の関係を壊すことを計画します。

台湾でLGBTQのイベントで、多様な性に触れ、ますます混乱する2人ですが、スティーブを使って、シンディーの夫を誘惑することには成功したように見えました。ただ、それは完全な誤解だったのですが、リリアンヌの夫は浮気されたと勘違いし、2人の夫が仲たがいしてしまいます。妻たちは喜びます。ところが、夫たちの純愛を目の当たりにしたスティーブが、2人の夫の仲直りを助けてしまい、結局2人の夫は結婚式をあげました。

(ネタバレ)この時点で、すでにシンディーは、諦めており、夫との離別を受け入れていました。しかし、リリアンヌは、夫のSNSに、「あなたは同じような性的マイノリティの人たちに勇気を与えたと賞賛されるでしょう。ただ、愛する夫に捨てられた妻の気持ちに無頓着すぎる」といったとことを書き込んだところ、たちまち自分のコメントがシェアされて、ゲイへのヘイト世論が形成されてしまいます。夫は帰国すると、アンチゲイ団体や宗教団体に襲われ、シンディーの夫は怪我をしてしまいました。そんな狂気の世論を見て、ついにリリアンヌも夫がゲイであることを受け入れることとなりました。2組の夫婦は、お互いに自分たちの過ちを認め、お互いを許容し合います。関係者みんなでパーティをあげたのち、2人のレイエス夫人は姉妹のような関係になりました。2人は、この新しい関係に満足します。そして、エンディングです。

妻たちが少しずつ、ゲイを認める人々に接したのち、アンチゲイの人々が、何の関係もない夫たちに大衆が暴力を振るうシーンを経て、ゲイをただヘイトするだけではいけないと悟るシナリオの構成が見事でした。主役の2人の妻を演じた女優も魅力的で面白い作品でした。

「Ang Dalawang Mrs. Reyes」の監督、出演者情報

本作の監督をつとめたJun Lanaさんは、自身もゲイであることを公言している監督さんです。近々、特集ページを作る予定です。リリアンヌを演じたJudy Ann Santosさんは、初めて見たような気がしましたが、すでに3作で見ていました。ホラーやドキュメンタリー風の作品に出演しており、キャラクターを前面に出す作品ではなかったので気づきませんでした。一方で、シンディーを演じたAngelica Panganibanさんは、日本でいうところのトレンディドラマ(映画)女優です。非常に多くの作品に出演して、現代のフィリピン女性を象徴するような役を演じています。

「Ang Dalawang Mrs. Reyes」の作品情報

オリジナルタイトル:Ang Dalawang Mrs. Reyes

公開年 2018年

監督 Jun Lana(ダイ・ビューティフル)(Ten Little Mistresses)(Haunted Mansion)(Bwakaw)(Call Me Mother)(そして大黒柱は…)(Big Night!)(Kalel, 15)(Barber’s Tales)(Becky and Badette)(The Girl Allergic to WiFi)(The Panti Sisters

主なキャスト Judy Ann Santos(ミンダナオ)(Ouija)(Scarecrow

Angelica Panganiban(Love Lockdown)(Unbreakable)(Beauty in a Bottle)(Love or Money)(That Thing Called Tadhana)(One More Try)(Unmarry)(ニャンてこと!

視聴可能メディア Youtube(英語字幕のみ)

「Ang Dalawang Mrs. Reyes」のトレイラー

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