アメリカ育ちの4人のフィリピン人兄弟を描く「The Fabulous Filipino Brothers」

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私にとってFabulousという単語は、大昔流行ったフランス映画の「アメリ」のオリジナルタイトルで初めて知った単語で、その後見ることもありませんでしたが、本作のタイトルで久しぶりに見ました。単純に「素晴らしい」と訳されることが多いですが、語源的には「寓話」という意味のラテン語から来ています。ですので、前述の「アメリ」に対して、私は「アメリー・プータンのおとぎ話みたいな物語」と訳していました。

本作も、アメリカに住む4人のフィリピン人兄弟の話ですが、リアルな描写というより、おとぎ話みたいな話になっており、個人的には「アメリ」のフィリピン人版を作りたかったのかなと思いました。4人の兄弟が結婚式の準備のために話し合っています。あるものは結婚式のために金策に走り回り、あるものは不倫に熱心で、あるものは何も考えず享楽的な毎日を過ごしています。また、あるものは失恋のショックで引きこもっています。彼らがアメリカのフィリピン人社会の中で、フィリピンのラップ音楽にのせて、ちょっと格好良く見せるというのが、本作品のコンセプトだと思います。

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(Photo cited from Apple TV)

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「The Fabulous Filipino Brothers」のストーリー

4人のフィリピン人兄弟はアメリカのピッツバーグ育ちです。家族で結婚式について相談しています。俺たちはフィリピン人なんだから、豪勢な結婚式をしようということになりました。誰の結婚式なのか語られなかったので、親戚か何かなのかなと思ったら、それが最後に明かされるという構成でした。そこで、長男は、俺が一番年上だから食事代は俺に任せろと豪語します。そこから長男の物語が始まります。

長男は、家に帰って食事代を工面することを妻に相談しますが、妻は大激怒。妻は中国人のようでした。私たちにはそんなお金をないと反対する妻に対して、「俺たちはフィリピン人なんだ。みんな一緒に部族として生きてきたんだ」「俺たちは中国人みたいにアジア人じゃない。ジャングルアジア人なんだ」と語ります。ジャングルアジア人という言葉があるのか、このシーンで作られた言葉なのかわかりませんが、そこからジャングル・アジア人というワードでラップが始まります。長男は、フィリピン人らしくギャンブルでお金を作ろうと、カジノのようなところに行きますが、あっさりと負けます。そこで起死回生を狙って、マフィアを頼って闘鶏のギャンブルをすることになりました。鶏に興奮剤を注射するというイカサマ付きです。ちょっとハプニングもありましたが、きっと勝ったのでしょう。次の三男のシーンに進みます。

三男はビジネスで成功しており、若くて綺麗な愛人と過ごしています。後のシーンで、妻はバーレーンで働いており、子供もそちらにいるとのことでした。仕事の関係でマニラに行ったとき、高校時代に付き合っていた元彼女に偶然再会します。彼女は大学からフィリピンに戻って、今は結婚して、息子中心の生活をしているのだと語ります。2人の関係は接近しますが、2人とも既婚であるため、最後の一線は越えずにさよならしました。しかし、その夜、彼女がホテルに部屋にやってきて、2人は一緒に夜を過ごしてしまいました。そこからが変な話なのですが、三男はすっかり彼女に入れ込んで、「一緒になろう」と言います。彼女の方は困惑するのですが、いきなりバーレーンに住む妻に電話してしまいます。妻は電話に出られなかったのですが。彼女もそれを受け入れたような表情をして、その場はさよならしました。彼女の様子を窓から眺めていると、妻から折り返しの電話がかかってきます。彼女のことを眺めながらぼんやり、妻の言葉に返事していると、彼女が車に引かれるシーンを目撃することとなりました。

次は末弟のシーンです。彼は甘やかされて育ったと説明があるだけで、シーンも圧倒的に短いです。結婚式の準備が進んでいるところでしょうか、並んだ食事の前に、謎のセクシー美女が現れます。そのまま2人でエロチックなシーンが始まり、さあこれから、というところで母親に怒られて終了。これで彼の出番は終了です。

(ネタバレあり)最後は次男のシーンです。彼は2年前に彼女と別れてから、引きこもりがちの生活を送っています。そして、よくわからない電子音楽に傾倒しています。ある日、彼がかつてアカウントを作って放置していたデーティングアプリにメッセージがきます。なぜか女性の方が積極的で翌日会うことになりました。翌日でかけると、妊娠した美人女性があらわれます。彼女は、自分の偽らない姿をアプリに乗せていて、次男の自分を良く見せようとしていないところが良いと思ったと語ります。一緒に食事をして、フィリピンのダンスイベントに行って、急速に関係を深めた2人は、その晩、次男の部屋で電子音楽を聴きます。

翌朝、家族が一緒に食事をしていて、「昨日のデートはどうだった?」と次男のデートに興味津々です。三男が「彼女は部屋にいるよ」と答えると、一同大盛り上がりです。ぜひ一緒に朝食を食べようということになり、彼女を迎え入れると、何と彼女の出産がその場で始まります。4人の兄弟には1人だけ妹がおり、彼女がナースだったので、妹が子供を取り上げることとなりました。

最後のシーンが結婚式です。結局、この結婚式は次男と出産した女のためのものだったのです。長男とその中国人妻、三男と愛人が描かれ、末弟は先日あった謎の美女を紹介されます。彼女は従妹だったそうです。次男は、彼女を連れ新婚旅行に旅立ちます。そしてエンドロールです。

こんな感じで、全くリアリティのない話ですので、「おとぎ話」として見なければ、何がなにやらさっぱりわからないという作品ではないでしょうか。「アメリ」から20年近く経っていますが、滅多に使わないfabulousという単語を使うことで、観客に心構えさせたものと思います。和訳タイトルだけで「アメリ」を知っている人には何が何だかわからないと思いますが・・・。

「The Fabulous Filipino Brothers」の作品情報

オリジナルタイトル:The Fabulous Filipino Brothers

公開年 2021年

監督 Dante Basco

主なキャスト Dante Basco

Derek Basco

Darion Basco

視聴可能メディア Netflix(英語字幕のみ)

「The Fabulous Filipino Brothers」のトレイラー

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