E-Sportsで女子選手が活躍「Friendly Fire」

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先日「GG (Good Game)」というE-Sportsをテーマにした映画を見たばかりで、「はじめてE-Sportsをテーマにしたフィリピン映画を見た」と書きましたが、同じくNetflixにE-Sportsをテーマにした映画がありました。それが本作です。E-Sportsを映画にすると、最後に大きな大会の決勝戦を戦うというところまでは決まっているので、あと物語に何を盛り込むかということになります。「GG」の場合、家族の物語を主題にしてきましたが、本作の場合、主人公のプレイヤーとチームのオーナーを女性にしたことです。また、それによりラブストーリーにならなかったのが良かったです。タイトルの「Friendly Fire」は、味方に対して間違って攻撃をしてしまうことです。

(Photo cited from IMDb)

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「Friendly Fire」のストーリー

主人公はゲーム場とでもいうのでしょうか、PCがたくさん置いてあってネットゲームで遊ぶことに特化したネットカフェのようなところで働いている女性(ハゼル)です。東南アジアには、どこでもありますね。こういうのは日本にもあるのでしょうか? オンラインゲームなどない時代ですが、昔はPCソフトで遊べるゲーム場がありましたが、権利関係で廃業になりましたね。私も、そういうところで「ザナドゥ」をやっていたのを思い出します。

一方で、女性オーナーのチームは主要メンバーを韓国のチームに引き抜かれ、新しいメンバーを探しています。ある日、チームは対戦している相手に、非常に強いスナイパーを発見しました。それは、職場で子供たちのチームに助っ人としてプレイしたハゼルでした。翌日、オーナーは、ハゼルをスカウトに行きます。こういう対戦ゲームの主人公は近接アタッカーであることが多いのですが、スナイパーというのは珍しいですね。近接アタッカーの方が見せ場が多く、主人公にしやすいのだと思います。スナイパーはだいたいクール系のキャラがやるのが定番です。

ハゼルは、働いていますが、まだ高校生でした。母親がアルコール依存症で、典型的な毒親です。母親は、ハゼルが働いて稼ぐお金に依存しています。ハゼルは、弟の学費のためにも働かなければなりません。そのため、母親はハゼルがゲームをすることに対して悪態をつきます。

そんなわけで、当初、ハゼルはチームに合流することはできないと答えるのですが、やはりゲームの世界で台頭したいという気持ちが抑えきれず、家を出てチームに参加しました。チームの待遇は非現実的なくらい恵まれており、メンバーは一流ホテルに滞在し、快適なゲーム環境、スポーツやリゾートプールでエンジョイすることさえできます。「E-Sportsの賞金くらいで、こんな環境を提供できるか!」とは思いますが、若い人に夢を与える映画ですから、そこは演出の範囲ですね。

気になったのは、チームのメンバーの2人の男の1人がイケメン風なことです。しかも、他のメンバーよりも先に、シャワー後の上半身裸という姿で、ハゼルと初対面し、尊大な態度でした。いかにも、少女漫画の初めての出会いのシーンみたいだったので、ラブロマンスになることを心配しましたが、そのようなことは全くありませんでした。

ある日、チームで練習していると、対戦相手にハゼルの兄があらわれます。ハゼルは、ゲームを兄から教えてもらったこともあり、兄が指示を出すので、対戦中にフリーズしてしまいました。ハゼルの兄は、刑務所に入っており、先日出所したばかりだったのです。まさか、兄がハゼルを支配する物語になってしまうのか? それがタイトルの意味なのか? と心配しましたが、その後兄はすぐにハゼルの理解者になりました。

チームは、フィリピン大会を危なげなく優勝し、香港での世界大会に進出することとなりました。そこで、元チームメイトの所属する韓国チームと因縁の戦いが予想されます。元チームメイトは、チームメンバーを挑発し、ちょっとした乱闘になってしまいました。その暴力沙汰をビデオに撮っている人がいたので、「メンバーの出場が危うくなる?」と心配しましたが、特に何もおこりませんでした。

(そろそろネタバレ)香港大会に旅立つ前に、ハゼルは母と兄に会いにいきました。酷い毒親だった母は、すっかりよき理解者になっており、ハゼルが差し出したお金を「香港で必要になるでしょうから、あなたが持っておきなさい」と返すほどです。母親に何があったのでしょう? 毒親はそんなに簡単に良い人にはなれません!

(ネタバレ)香港大会も順調に勝ち続け、いよいよ決勝戦です。何が起こるのか心配していましたが、ゲーム内で多少のピンチがありましたが、普通に勝利してエンディングでした。ハゼルがスナイパーであることがフォーカスされるシーンもなく終わってしまいました。

何ということでしょう。チームメンバー内の軋轢を克服するシーンも、対戦相手との因縁も、ゲーム外で足をひっぱる危機も、複雑な家族関係が引き起こすドラマも、恋愛要素も何もなく終わってしまいました! チームが負けることも1回もありません。ただ、何の波乱もなく勝ち進んだだけです。余分な家族ドラマをたっぷり入れられるのもうんざりですが、何もないというのにはびっくりしました。

「Friendly Fire」の監督、出演者情報

本作品の監督をつとめたミハイル・レッドさんは、フィリピン映画界の御曹司です。映画人の両親を持ち、22歳で長編映画を公開しています。また、フィリピン映画にはあまりないタイプの、どこかハイセンスな作品を作る監督さんだったのですが、本作は見どころのない作品でした。どうしてしまったのでしょうか? とは言え、本作を楽しんで見るのは若い世代ですし、変なドラマを入れないというのが若い人にささる作りなのかもしれません。映画「スーパーマリオ」も、ただのゲームシーンを再現したような映画で大ヒットしましたからね。出演者は、あまり大きな役をやったことのない人ばかりでした。変に人間ドラマを展開しなかったので、この役者陣で良かったと思います。

「Friendly Fire」の作品情報

オリジナルタイトル:Friendly Fire

公開年 2024年

監督 Mikhail Red(アリサカ)(ミッドナイト・アサシンズ)(Block Z)(カトリックスクールの怪異)(Nokuturo)(デッド・キッズ)(レコーダー 目撃者

主なキャスト Loisa Andalio

Coleen Garcia

Yves Flores(イグナおばあちゃんは118歳

視聴可能メディア Netflix(英語字幕のみ)

「Friendly Fire」のトレイラー

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