戦前のフィリピン映画を見てみよう「Ibong Adarna」

マニラに住んでいるときに、貴重な戦前のフィリピン映画を見たので、それについても当時のメモを参考にレビューしたいと思います。タイトルは「Ibong Adarna」。Ibongは鳥の意味で、日本語にすれば「アダルナ鳥」です。これはフィリピンの伝統的な叙事詩を基に映画化したものです。原作の本ならば、日本のAmazonにも売っています。タガログ語ですが・・・。

また、この映画は、フィリピン映画史上初めてカラーシーケンスを取り入れた作品としても知られています。2020年には、ABS-CBNの「Sagip Pelikula」プログラムの一環として修復され、再上映もされています。私が見たのは白黒版でした。リマスター版で見てみたかったですね。さらに、1997年には「Adarna: The Mythical Bird」というタイトルで、長編アニメ映画としても制作されています。私が知る限りでは、このアニメ版がフィリピン初の長編アニメ映画だと思います。

ストーリー

話は、王の病気を治すために3人の王子がアダルナ鳥を捕まえにいくというものです。末弟が旅の途中で出会った老人に親切に接し、その助言を受けて兄たちの石化を解き、鳥を捕まえることに成功し、王位を継ぐことになるという王道展開でした。しかし、なぜかその後嫁探しの旅が始まり、最初に出会った王女と結婚の約束をするも離ればなれになり、新たな場所で出会った別の王女とまた結婚の約束をしてしまいます。2人目を置いて一旦城に戻ることにしましたが、なんと1人目の王女が城で待っていて、今度は2人目の王女を忘れて城で結婚式をすることになります。その結婚式の最中に、2人目が乗り込んできて修羅場になってしまいます。しかし、鳥の件で味噌をつけた兄のどちらか(←忘れました)が1人目の王女と結婚することで団円という、良くわからない展開でした。まあ、昔の叙事詩をベースにしているので、そういうものかも知れませんね。日本だって、古事記とか理屈的には通っていませんからね。子供たちもみんな学校で習う話だと思いますが、今の子供たちは、これを読んでどのように考えるのでしょうね?聞いてみたいです。

作品情報

オリジナルタイトル:Ibong Adarna

公開年 1941年

監督 Vicente Salumbides

主なキャスト Mila Del Sol

Fred Cortes

Ester Magalona

視聴可能メディア Youtube(英語字幕もなし)


Ibong Adarna – Philippine Book