なぜ、Netflixのフィリピン映画はこんなに恋愛映画が多いのでしょうか? 今はNetflixでタイ映画やインドネシア映画も見れる時代ですが、他の東南アジアの国もこんな感じなんでしょうか? フィリピン映画をもっと見なければならないので、インドネシアまで手がまわりませんが、ある程度見て比較したりするのも面白そうですね。本作は、お付き合いをするときに、お互いの成長を邪魔しないように、過度な負担をかけることのないように、契約をつくってお付き合いを始めるという現代的なストーリーではあります。日本でも結婚時に契約書を作ることがあると聞きますから、非所に時代を反映していますね。とは言え、中身はベタベタのラブストーリーです。

(Photo cited from IMDb)
「An Inconvenient Love」のストーリー
労働者のデモのシーンから始まります。男が顔を隠してデモをサポートしています。ところが警察が突入してきたため、参加者は散り散りに逃げ出します。男(マニー)が逃げるために、恋人のふりを演じるのがヒロインのアイエフです。少女漫画的な出会いですね。しかし、警察は「いや、お前がデモから逃げてきただろう」と引き下がりません。そこで、アイエフは「恋人だよ。今キスをしたら信じるでしょ」と、最初から積極的でした。
アイエフは、近くのコンビニで働いており、その後、マニーは頻繁にアイエフのコンビニに訪れるようなりました。マニーはお金持ちのおぼっちゃんなので、金に任せて、コンビニの商品を買い占めたりと、フィリピンっぽい気の引き方をします。
最初からお互いに好意を持っていることは明らかで、2人が付き合い始めることは時間の問題だったのですが、彼女はアニメーターのインターンとして、シンガポールに行くという夢がありました。そのため、積極的なマニーに対して「Convenient(便利な)関係」を提案します。つまり、お互いに負担にならなず、もしも負担になるようならばいつでも関係を解消できること、そのほか細々としたルールを決めました。
(ネタバレ)そこからは、恋人未満くらいの関係で楽しく時を過ごしたり、2人とも家庭の問題を持っていることがわかってきたりと、家族のドラマを経ながら、彼女のシンガポールへの旅立ちに向かって進んでいきます。2人の楽しいシーンには積極的にP-PopアイドルBiniの曲が使われ、若い女性を意識した作りになっています。しかし、この便利な関係に終わりが近づいてきています。2人とも好きあっているのですが、関係の終わりを認めてはいたのですが、最後の最後、アイエフが旅立つという日に、2人ともどうしても話がしたいと飛び出し、2人は今後「Inconvenient(不便な)関係」になることを積極的に受け入れることを誓い合います。
まあ、予想通りの展開でした。タイトルが「An Inconvenient Love」ですから、最初に決めた便利な関係ではなく、不自由な愛を受け入れることになることは誰でもわかります。もっと、契約のところを工夫すれば中盤が面白くなったかなと思いました。
「An Inconvenient Love」の監督、出演者情報
本作の監督を務めたPetersen Vargasさんは、ラブロマンスやコメディ作品をたくさん撮っている監督さんです。彼の作品はすでに何本か見ていますが、自分にはジャンルが合わないこともあり、あまり良いイメージがありません。ヒロインを演じたBelle Marianoさんは、子役から順調に女優へとステップアップを果たしました。意外なところだと「レコーダー 目撃者」で、殺された娘を演じたのが彼女です。イケメン長身のDonny Pangilinanさんは、ぽちゃっとした唇が印象的で、いかにもフィリピン人にモテそうです。この2人は「Love Is Color Blind」でも恋人を演じており、こういう場合は、実際にカップルであることが多いため調べてみました。やはり、2人は付き合っていたようです。フィリピン芸能人の場合、実際に付き合っているカップルとして売り出すことが良くあるので、実際にはどうなのかはわかりません。カップルを応援するという文化があるらしいです。
「An Inconvenient Love」の作品情報
オリジナルタイトル:An Inconvenient Love
公開年 2022年
監督 Petersen Vargas(A Very Good Girl)(Un/Happy for You)
主なキャスト Belle Mariano
Donny Pangilinan(GG(Good Game))
視聴可能メディア Netflix(英語字幕のみ)