泥棒家業で食っていく男女の行く末を描く「La Vida Rosa」

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フィリピンの犯罪映画と言えば、「貧しい人が犯罪に手を染める。しかし、もっと悪い人の取り分が大きく、リスクの割には金にならない。一発大きなヤマを当ててやろうと、組織を裏切って大金を手にして逃亡劇。警察もボスの味方で、破滅」というのが定番の展開ですが、本作も教科書通りの定番のストーリー展開です。それでも、不貞腐れたセクシー美人を主人公に据えたことで、独自の魅力が備わっています。また、主人公と恋人の男、主人公と母の関係は非常にねじれており、犯罪から足を洗おうとすればするほど、犯罪組織から離れられないという構造も良くできていて、最後の破滅に説得力を与えています。定番展開ですが、脚本の出来が良いため優れた作品になっています。

(Photo cited from IMDb)

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「La Vida Rosa」のストーリー

主人公のローサと、その恋人のダドは、詐欺や泥棒で生計を立てています。2人は、ギャンブル狂いの小学生くらいのローサ息子と、ローサの盲目の母と一緒に住んでいます。母は、盲目を活かして物乞いをしており、犯罪よりも物乞いの方がましと思っていますが、ローサは物乞いよりも犯罪の方が高尚だと思っています。オープニングで、ローサが金持ち男をたらしこんでいるあいだに、ダドが車を盗み出しました。ダドは、以前から犯罪から足を洗いたいと考えており、この車を改装して、タクシーの運転手を始めようとします。ところが、彼らが属する組織では、勝手な仕事は禁じられています。2人が組織の命令で、結婚式に勝手に参加し、引き出物を盗むというせこい仕事をした際に、車を勝手に自分のものにしたという理由で、契約の満額をもらうことができませんでした。2人は、ボスと、No.2であるルポにしいたげられていると感じています。

しかも、車の件で、警察に通報されるなどといった嫌がらせを、ルポから受けるようになり、一家で夜逃げして安全を確保しました。ところが、偶然にレストランで、ボスらの一行と遭遇したため、ダドが思わずボスを殺してしまいます。その後、再び一家で逃亡するのですが、ルポの追跡から逃れられず、再び組織のために働くこととなりました。ルポは、ボスの死のあと、組織のトップに上り詰めており、実力を知る有能な部下を探しているというのです。断れば、ダドが殺されることは避けられないため、2人は再び組織のために働くこととなりました。

話は前後しますが、ダドはタクシーの運転手をしたときに、偶然もと恋人を乗車させました。彼女はお金持ちと結婚して裕福に暮らしていることを聞き、ぽろっと元恋人が洩らした言葉から、刑務所に入所するまでに自分とのあいだにできたであろう娘がいることを知ります。それから、ダドは元恋人に付きまとい、自分の娘に会いたいと懇願するのですが、「あなたの娘ではない」と拒絶されます。

(ネタバレ)組織の犯罪に話を戻すと、今度の犯罪は、金持ちの誘拐でした。首尾よく成功し、2人は結構な額のお金を手に入れますが、やはり取り分が少ないと感じます。それでも、母の眼の手術を行うことができました。しかし、手術で目が見えるようにならず、ローサはもっとお金が必要だと考えます。そこで、自分たちから誘拐事件を提案すれば、取り分が増えると考えます。そして、ターゲットと考えられたのは、元恋人の夫でした。しかし、ダドは、先日の誘拐事件で人質をあっさり殺したところを見ており、組織と組んで、この誘拐をやる気になれません。結局、組織によって禁じられている、勝手な誘拐事件を行うこととなりました。結局、ダドの娘と思われる少女を誘拐することとなり、ダドは危険が及ばないか気が気でありません。ローサはそんなことを知らず、身代金がそんなに取れなかったから殺そうなどと言ったりします。それでも100万ペソを手にすることができ、無事少女を解放して、ほっとするダドでしたが、少女の証言から似顔絵が作られ、報道されます。ローサは、今までも似顔絵が出たことは1度や2度ではないと余裕たっぷりですが、ダドは、ルポにバレてしまうことに気づきました。慌てて、母と息子を電車で田舎に逃がし、2人は車で逃亡しようとしますが、組織から追跡の手が伸びます。何とか追跡を振り切ったと思ったところで、ローサは被弾していました。ダドは車を止めてローサを助けようとしますが、2人はパトカーに囲まれてしまいました。そこに、ボスの車が到着し、ボスの手下が、警察をかきわけ、ダドを射殺し、2人が持っていた金を奪いました。警察は何も言いません。最後の最後は、ローサの母が孫を呼ぶシーンで、エンディングです。

誘拐しているのに、身代金よりも少女の身の安全が心配でたまらないダドと、お金への執着の強いローサの関係は、ローサがリードしているように見えますが、ダドが元恋人と会っていると知ると、ローサは嫉妬して、ダドにすがりつくような一面もあります。ローサと母との関係も独特で、ローサは母の眼の手術のために、犯罪を行っている一方で、お互いにお互いの仕事を軽蔑しています。ダドは犯罪から身を引きたいと思っていますが、ローサにその気はなく、結局自分が犯したボス殺しによって、組織から逃げられなくなってしまいます。様々な関係性がねじれていて、定番のドラマを複雑なドラマにした脚本が光る作品でした。

「La Vida Rosa」の監督、出演者情報

本作の監督をつとめたChito S. Roñoさんは、80年代から映画監督として多くの作品を残している監督さんです。ホラー映画の「Feng Shui」で有名ですが、社会的なドラマ「Dekada ’70」が最も重要な作品のようです。これはYoutubeで英語字幕付きで見れますので、近々見てみたいと思います。主人公のローサを演じたRosanna Rocesさんは、西洋人顔が印象的ですが、意外にも自分の生い立ちについて言及したことがありません。もっと年を取ると語られるかもしれませんね。

「La Vida Rosa」の作品情報

オリジナルタイトル La Vida Rosa

公開年 2001年

監督 Chito S. Roño(Scarecrow)(Feng Shui 2)(Bata, Bata. Paano Ka Ginawa?

主なキャスト Rosanna Roces(Ligaya ang itawag mo sa akin

Diether Ocampo

Pen Medina

視聴可能メディア Youtube(英語字幕)

「La Vida Rosa」のトレイラー

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