不死の怪物は人間界で子供をつくり、9歳になると迎えに来る「T2(Tenement 2)」

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本当のタイトルは「T2」だけなのですが、それだと検索するのが困難になるため、T2があわらしているTagigの「Tenement 2」をカッコ書きで付け加えてタイトルにさせることが多い作品です。「Tenement 2」とは、本作の撮影が行われたビル群のことです。本作映像でも、写真で確認して古く、少し廃墟っぽさのある場所として有名なのでしょうか? 内容としては、不死の怪物と人間のハーフである少女が、不死の怪物たちにさらわれ、自分たちの仲間になるか、人間界に残るかを決断させる物語です。そこに、不妊で悩む女の主人公がからみ、少女が人間の愛を信じることができるか?というヒューマンドラマ的な要素も与えられ、ホラー映画としては珍しい、独特の味わいのある作品です。

(Photo cited from IMDb)

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「T2(Tenement 2)」のストーリー

夜中に、羊飼いの青年の頭上に戦闘機があらわれます。そして、草原が滑走路になり、戦闘機は着陸しました。背後には巨大な都市が浮かび上がります。非常に印象的な始まりで、フィリピンでは珍しい、SFものかな?と思いましたが、このシーンに意味はなく、本編はホラー映画でした。

本編では、中年女性(クレア)が主人公です。彼女は孤児院でボランティアをしています。不妊で悩んでおり、夫から孤児院から養子をもらうことを勧められているのですが、なぜか、彼女は養子をもらう覚悟がないようです。ついに、夫から別れようと言われ、そのショックからますます孤児院のボランティアにのめり込んでいます。

そこで、孤児院から少女(アンジェリ)を、叔母さんの住むマニラに連れていくことを頼まれます。その旅には、エリスと呼ばれる男もドライバーとして同行します。クレアは、孤児院にいるときから、少しずつ不思議な体験をするようになり、アンジェリと旅を続けることで、ますます奇妙な経験をすることになります。あまりに奇妙な経験が続きますし、アンジェリの様子もおかしいので、クレアはアンジェラに率直に、奇妙な経験について聞いてみました。すると、アンジェリは、自分には良い人か悪い人かわかる、悪い人からは距離を取るようにと、死んだお父さんから言われたと言います。よくわからない答えですが、どうやらアンジェリは「悪い人」に狙われているようです。

ともかく、叔母の住むマンション(T2)に到着すると、叔母さんは不在でした。そこに、近所の女があらわれ、叔母さんの部屋に案内されます。しばらく、その部屋で待ちますが、冷蔵庫の中には大量の串に刺した肉がラップもせずに保存されており、時計は90度曲がってかけられています。何とも奇妙な雰囲気に、アンジェリは「この場所にいたくない」と怖がります。また、クレアは、案内した女たちが悪だくみしているような会話をしているのを聞き、その場を去り、ホテルに泊まることとしました。

ところが、ホテルでも怪奇現象が起こり、クレアが目を覚ますと、アンジェリがいなくなっていました。また、同行していたエリアスは殺害されていました。その後、叔母の家(おそらく、怪物たちの住処)に戻ると、アンジェリが囚われていました。救出しようとすると、大量のネズミに襲われます。もはや、ここまでか?と思われたときに、見知らぬ中年女性(リタ)に助けられます。

(ネタバレ)リタによれば、相手は不死の怪物たちで、彼らは自分たちだけでは子孫を残すことができないので、人間との間に子供を作り、9歳と18歳の誕生日に迎えに行くというのです。なぜリタがそんなことを知っているかと言うと、自分も不死の怪物とのあいだに子供を作り、9歳の時に奪われた経験があると言います。しかし、怪物たちは力づくで子供を奪うことはなく、最終的には、本人の意思で決まると言います。

2人は、怪物たちの住む神殿に招かれることとなりました。そこで、アンジェリと再会し、ついにアンジェリが決断を下すことになります。当初、人間界で孤独に過ごしたアンジェリは、怪物たちの世界に残ることを考えますが、クレアが預かった父からの手紙を読み上げたことで、アンジェリは人間界でも愛されていたことを思い出します。そこに危機感を持った怪物たちは、クレアの夫を人質に取ります。すると、アンジェリは激怒し、私は人間界に残るし、もし、この夫妻に手を出したら、18歳の時にも絶対に、怪物の世界に戻らないと宣言します。これには、怪物たちもタジタジです。

さて、怪物たちの神殿を去ろうとするクレアとアンジェリですが、リタは、自分の娘を人間界に連れて帰ろうとします。しかし、娘には拒絶され、やけになった彼女は、聖灰(?)のようなものをあたりにまき散らし、怪物たちを道ずれにして(おそらく)亡くなりました。宮殿から出ると、クレアの夫が迎えに来ており、夫はクレアに酷いことを言った謝罪します。クレアは、アンジェリを養子にしようと提案します。最後のシーンは、飛行機の遅延によって現れなかったアンジェリの叔母さんからの電話です。航空会社の手違いで、違い場所に連れていかれたと憤慨しています。そして、エンディングです。

どうやら叔母さんは怪物たちの仲間ではなく、たまたま飛行機のトラブルに巻き込まれ、現場に来れなかったところに、怪物たちが叔母さんの知り合いを装って、子供をさらおうとしたようですね。怪物の世界に戻るか、人間界に戻るかを本人が決めるというのがコアのアイデアでしょう。孤児院で育ち愛を知らない少女が、人間の愛を信じることに至ったのが、たまたま不妊に悩み、そのせいで離婚の危機にある女性の切羽詰まった母性愛だったというのも、良くできた構造だと思いました。そういう設定でもなければ、見知らぬ少女の問題に、ここまで深入りしないですからね。とは言え、最後にクレアの夫を人質に取って、答えを迫るのは蛇足でした。これでは、少女が人間の愛を信じられたというよりも、怪物を信用できなかったということになってしまいます。人間の愛を知り、少女が決断したと説得力のある描き方ができれば、名作になった作品だったと思います。

「T2(Tenement 2)」の監督、出演者情報

本作の監督をつとめたChito S. Roñoさんは、80年代から映画監督として多くの作品を残している監督さんです。ホラー映画の「Feng Shui」で有名ですが、社会的なドラマ「Dekada ’70」が最も重要な作品です。ホラーとドラマ作品の両方を見てきましたが、ドラマ作品の方がいいですね。とは言え、商業的にはホラーの方が成功しているようです。主役のクレアを演じたMaricel Sorianoさんは、子役からキャリアをスタートさせた超ベテラン女優さんです。本作が公開されたのが2009年。ここでは綺麗な中年女優を演じていましたが、2025年には余命いくばくのないおばあちゃんを演じています。実際の年齢は、2026年時点で61歳。老人メイクの効果もあるでしょうが、16年で老けすぎです!

「T2(Tenement 2)」の作品情報

オリジナルタイトル:T2

公開年 2009年

監督 Chito S. Roño(Scarecrow)(Feng Shui 2)(Bata, Bata. Paano Ka Ginawa?)(La Vida Rosa)(Dekada ’70

主なキャスト Maricel Soriano(Girl, boy, bakla, tomboy)(Meet, Greet & Bye

Mika Dela Cruz

Derek Ramsay(All You Need Is Pag-ibig)(Kampon)(The Janitor)(English Only, Please)(All of You

視聴可能メディア Bili Bili(英語字幕)

「T2(Tenement 2)」のトレイラー

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