典型的な王道ゾンビ映画です。よくできた映画ではあるのですが、もうこの一言で説明できてしまうくらい普通のゾンビ映画です。フィリピンらしいところと言えば、ゾンビの数です。1体1体は、そんなに強くなく、すぐに倒されるのですが、とくにかくすごい物量で勝負してきます。フィリピン映画では、弱者が虐げられて殺されたり、逆に復讐の殺戮合戦が始まったりと重い話になりがちです。しかし、本作も殺し殺されではありますが、相手がゾンビなので気楽に見ることができます。
ストーリー
主人公は、詳しくは説明されないものに、友達のために何かして現在刑務所に服役中です。正直、この設定がストーリーに生きるわけではありません。ある日突然、謎のウイルスによってゾンビ化した人間が地上に蔓延し、感染していない人間に襲いかかりはじめます。刑務所も大混乱で、それを機に脱出。家族のもとに向かいます。その場も、ゾンビの巣窟になっており、あとは主人公と、意外に強い奥さんで何とかゾンビを退けながら、愛する娘を守ります。
この物語を台無しにしているのが、途中で逃げ込んだ家のおやじです。主人公はおやじの息子を救出して感謝されるのですが、すでにゾンビに嚙まれており、夜中にゾンビ化。間一髪、他の人を襲う前に退治されるのですが、それでおやじがブチ切れ。「息子を返せ!」と言って、生存者を銃で射殺し始めます。しかも、なぜか主人公の娘を追いかけるという謎展開でした。ゾンビ化した息子を殺すのと、生存者を殺すのは一緒じゃないでしょ!しかも、なぜ全然関係ない子供を殺そうとするの?
後半戦はひたすら元格闘家のアクションシーンです。すごい!強い!銃器を使ってよし、ナイフもよし、素手でもゾンビを狩りまくります。
監督、出演者情報
監督のJoey De Guzmanさんは、まだ作品数も少ない若手監督さんです。気になるのが脚本家のAys De Guzman。名前と活躍してきた時期を見ると、親子でしょうかね。フィリピン映画をずっとレビューしていると、2世映画監督がけっこう目立ちます。
本作で主演を演じた男優さんのBrandon Veraさんは、他の作品「バイバスト」でもタフにゾンビみたいに群がる住人を倒しまくっていましたね。これは総合格闘技出身の彼にしかできない役なので、本作最大の見どころになっています。
作品情報
オリジナルタイトル:Day Zero
公開年 2022年
監督 Joey De Guzman
主なキャスト Brandon Vera(バイバスト)
Pepe Herrera
Mary Jean Lastimosa
視聴可能メディア Amazon Prime Video、Lemino(見放題)(日本語吹き替え、日本語字幕)