庶民が王妃に頼まれて、しばらくのあいだ王妃と入れ替わるという、2021年公開の映画とは思えないクラシックな設定のコメディ映画です。フィリピン人の好きそうな、家族の葛藤、ラブロマンスも盛り込まれていますが、すべて予想の範囲でストーリーは進行します。なぜ、こんなクラシックな映画を、いまごろ制作するのか?と思いましたが、どうやら主演を演じる、いとうあさこに似た女優さんが超人気タレントのようです。確かに、彼女の魅力で見せる作品だったと思います。たまに綺麗に見えますが、多くなそんなに綺麗に見えないのが、コメディ映画にあっていました。ちなみに、本作は耳が不自由な人向けの英語字幕になっており、英語で喋っているシーンもちゃんと英語字幕が出ます。Netflixの中では見やすい英語字幕作品です。せめて、英語字幕でも、このタイプのちゃんとした字幕をすべての作品につけてくれればいいのですが、Netflixは字幕に差がありすぎです。

(Photo cited from Prime Video)
「Princess DayaReese」のストーリー
主人公のリーズは、ツアーガイドの仕事をしていますが、自分の家族をサクラに仕込み、高額なプライベートオプションツアーに誘導するというあこぎな仕事の仕方をしています。お金をためて韓国式焼き肉屋を開業するともっと儲かると考えており、常に「金金金」という生き方です。一緒に住んでいる叔母には、「そんなにお金を稼ぎたいなら、ちゃんと勉強しなさい。あなたは頭が良いのに簡単に稼ごうとするところがダメなところだ」と言われています。お金持ちの祖父がいますが、彼女の性格のため信用されず、事実上絶縁関係にあります。
ある日、リーズは誘拐されました。目を覚ますと、自分と同じ顔の女性がおり、「自分はオロという国の王女だが、好きになった男を探したいと思っているので、しばらく私と入れ替わって欲しい」と提案します。最初は断るのですが、多額の金を見せられあっさり引き受けます。しばらく王女トレーニングをして、オロ王国に旅立ちます。どういう設定なのかわかりませんが、フィリピンに近い小さな島国という感じなのでしょうか?
島に到着して、教えられたとおりに、なるべく喋らないようにしていたのですが、王様が病に倒れてしまい、女王に就任することになってしまいました。そこに物言いをつけてきたのが、従妹のディワです。王は2人を競わせ、女王にふさわしいほうを選ぶことになりました。このセレモニーを取材に来ていた取材陣の中にイケメン男(カレブ)がいました。彼は、リーズがいかさまをやっていた時に会っており、初めから王女が偽物じゃないかと疑っています。そんな中女王選抜の試験が始まります。
第1ラウンドは、伝説の鳥を森に話すので捕まえてくること。リーズは適当な鳥を捕まえ誤魔化そうとするも、その手は通用しませんでした。第2ラウンドは、いかだを自分で作ること。いかだなど作ったことはないので、これも敗北です。あまりに王女の不甲斐なさに、王は「お前の力をしめしなさい」と怒られてしまい。その晩、こっそり逃げ出そうとしますが、カレブに発見されてしまいます。そこで、偽物であることがバレてしまうのですが、たまたまカレブを巻き込んで転んでしまいキスをしてしまいました。そこを王宮のメイドたちに発見されたので、逆にカレブが罪に問われることになってしまいました。そこをリーズが「自分が急に息ができなくなり、人工呼吸して助けてもらったのだ」と助け船を出すことで、カレブは助けられます。ここから、2人の微妙な同盟関係が始まりました。
第3ラウンドは従者を率いて、山を駆ける競争です。ディワの従者が足をすべらせ崖から落ちそうになっているのを、罠だとはわかりつつも助けたところ、そこが評価されて勝利を得ました。その最中に、カレブと協力して従者を引き上げ、タガログ語を喋っているシーンが映像に残ってしまいました。これが王女が偽物であるという決定的な証拠になってしまいます。
(予想外の展開はありませんが、一応ネタバレです)第4ラウンドは、女王になったあとの国家方針の演説です。さすがに、これは無理だから逃げ出そうとカレブは提案しますが、もうすぐ本物の王女が戻ってくるはずだから、と言ってリーズは試験に臨むことになります。そして、なぜかカレブはリーズに愛の告白をします。いつ好きになるタイミングがあったか?という感じでした。あえて言うならば、従者を助けるところでしょうか?単純すぎですね。そして、ありがちな展開ですが、その会話をディワに見られてしまいました。
演説の日がやってきました。ディワの方針は、国家をより世界に向けてオープンにして、投資を呼び込むというものでした。一方、リーズの演説は、より保守的なもので、外に向けて開かれねばならいが、先人たちの歴史が築いた歴史をもう一度振り返ろうというものでした。王が下した判定はリーズの勝ち。祝福を受けるリーズでしたが、ディワが仕掛けた罠が発動します。上から水が降ってきて、王女の腕にある刺青が消えてしまったのです。驚く一同。高々と勝利宣言をするディワに対して、ひたすらひれ伏し許しを請うリーズ。その瞬間、本物の王女があらわれました。100人中100人が予想できる展開です。本物の王女は、王が病気だったことを知らずに、リーズに身代わりを頼んだことを謝罪し、事なきをえました。その後、フィリピンに戻ったリーズは、真面目に勉強し、真面目に仕事をすることを誓います。ある日、真面目にツアーガイドをしているときに、カレブに再開し、ロマンスが続いていることが確認されました。また疎遠だった祖父にも認められ、大団円となりました。
読んでもらえばわかりますが、予想外の展開というのが1つもない平凡なストーリーです。あえて意外なところと言えば、無理やり挿入された愛の告白シーンくらいです。ただ、主人公の表情や行動が非常に魅力的で、彼女の魅力だけで成立している作品だと思います。
「Princess DayaReese」の監督、出演者情報
監督は、主にテレビドラマを中心に活躍しているBarry Gonzalezさんです。得意分野はコメディです。私が見た作品では、「Izla」「ファンタスティカ」があります。いずれも日本の深夜番組みたいな軽いノリのコメディで、本作もそんな感じの軽い作風でした。本作も他の作品のようにお色気ギャグを入れてもられば、まだ大人も楽しめる作品になったでしょうが、国民的人気者女性タレントを起用しているので、それは無理でしたね。
主演女優を務めたのは、Maymay Entrataさんです。マイマイという名前も印象的ですね。女優だけでなく、テレビの司会者、モデル、歌手として幅広く活躍しているようです。たくさん曲を出していますが、白雪姫のタガログ語バージョンを歌っているMVを引用します。
彼女が1歳のときに父親は逃げてしまい、母が日本で働き家族を養ったというエピソードも、日本人としては気になるところです。お母さんは、その後日本で再婚したようで、日本人とのハーフの弟がいるようなので、お母さんは今も日本に住んでいるのではないでしょうか。
「Princess DayaReese」の作品情報
オリジナルタイトル:Princess DayaReese
公開年 2021年
監督 Barry Gonzalez(Izla)(ファンタスティカ)
主なキャスト Maymay Entrata
Edward Barber
Chienna Filomeno
視聴可能メディア Netflix(英語字幕のみ)