アジアの映画監督3人によるトリオロジー「アジア三面鏡2016 リフレクションズ」

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本作は、第29回東京国際映画祭でプレミア上映された、国際交流基金アジアセンターとの共同プロジェクトで製作された作品です。アジアで活躍する3人の監督さんによる「日本とアジアとのつながり」をテーマにしたオムニバス映画です。1人目はフィリピンからブリランテ・メンドーサ監督。2人目は日本から行定勲監督。3人目は、カンボジアからクォーリーカー・ソトが参加しました。ひとりの持ち時間が40分弱と短いので、そんなに複雑な話ではありません。行定監督だけが、ストーリーを作っていました。国際交流基金アジアセンターは、2014年からアジアの映画交流に出資しているらしく、大抵は東京国際映画祭において、アジアの監督さんを呼んでトークイベントを主催しているようです。

(Photo cited from 国際交流基金)

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「アジア三面鏡2016 リフレクションズ」のストーリー

3本とも短いのでネタバレありです。

1作目 SHINIUMA Dead Horse

SHINIUMAとは死に馬のことです。最初の日本語でタイトルが出ます。おそらく主人公のことを隠喩で表現しているのだと思います。主人公は日本で30年働いており、現在は不法滞在者で、帯広のばんえい競馬場で働いています。ある日、出入国管理局の職員が訪れてきました。主人公は30年ぶりにフィリピンに強制帰国することとなりました。

30年ぶりのフィリピンで、彼は浦島太郎状態です。全く変わってしまった社会に驚くと共に、日本との違いにも驚きます。また、何かサービスを受けるたびに日本語で「アリガト」というのが可愛らしいです。まずは、実家に戻るのですが、すでに壁だけの廃墟になっていました。しかし、隣に弟夫婦が住んでおり、久しぶりの交流を温めました。弟によると、洪水の影響で家は流されてしまったのだそうです。主人公には息子がいますが、妻と息子を捨てて、女と日本に行ってしまったこともあり、息子は会ってくれないそうです。妻は既に亡くなっています。一緒に日本に行った女は、彼をおいてフィリピンに帰国し、別の男と結婚したそうです。彼は、夜中に弟の嫁が、自分のことを邪魔者のように話しているのを聞き、友達が務める競馬場を目指します。そこで、旧友と再会し、馬の世話に仕事をすることとなりました。彼は、また一生懸命馬の世話に打ち込みます。

フィリピンにも競馬場があったのですね。知りませんでした。どうやらマニラ近郊に3つの競馬場があるようです。映画の映像によると、ダートみたいですね。私は海外の競馬場にも行くのが趣味ですから、興味があります。私が、フィリピン映画を追っているからかもしれませんが、3作の中では本作が一番好みでした。

2作目 鳩 Pigeon

本作の舞台はマレーシアのペナンです。ぼけ老人を3人の現地スタッフが面倒を見ています。この老人は、会社経営者の息子が金を払って、マレーシアで面倒をみさせていることがわかります。新しく雇われた女は、熱心に老人の面倒をみます。老人は鳩を飼っています。老人が鳩を放して赤い旗を振るのは、鳩が赤を嫌うので、小屋に戻ってこれなくして、運動させているとのことです。ある日、目を離したすきに老人がいなくなってしまいました。女は、警察に保護された老人を発見し、老人と行動を共にします。老人は鳩を放す場所を探していたとのことでした。女は恋人とともに老人を海に連れて行きます。老人は「鳩は裏切らない」と言って鳩を放します。

3人で家に戻ると、確かに鳩は小屋に戻っていました。女は老人が失踪した責任を取らされ首になります。しかし、老人が追いかけてきて、彼女は同じように働くこととなりました。女は、老人がボケているフリをしているのではないかと考えます。

ある日、息子がやってきて、老人に会社関係の書類を出すように迫ります。経営がうまくいっておらず、老人の個人的な財産に頼らざるを得ないようです。しかし、老人は息子の顔を見て「誰だ?」と聞き、息子を絶望させます。その後、老人は亡くなります。息子は遺品を整理して、日本に帰ることとなり、3人のスタッフに感謝の言葉をかけます。その時に、老人と仲の良かった女が、鳩はどうしますか?と尋ねます。息子は「あなたにあげる」と答えます。しばらくして、鳩が小屋に帰ってきました。鳩の足には手紙が結び付けられていました。その手紙には、「あなたを信じている。木の下を掘り起こすように」と書いてありました。

3作目 Beyond The Bridge

舞台はカンボジアです。主人公はプノンペンにかかる橋(通称日本橋)の再建に関わった会社の社長さんです。橋の完成を祝ってパーティで、カンボジアの伝統舞踊を見るなどします。長く関わってくれたカンボジアの女性スタッフに個人的なお礼をします。なぜ、自分にこんなお礼をするのかと尋ねる女性に対して、社長の若かりしころの回想が始まります。

内戦で破壊される前の橋を建設したのも、社長の会社であることがわかります。彼は若いときに、父の会社の社員として橋の建設に関わったとき、カンボジアの女性と恋に落ちたのです。内戦が激化するにつれ、彼は女性と結婚して日本に行くことを計画しますが、差し迫る危機に対して日本人は強制帰国することとなり、彼女と離れ離れになったのです。社長は、ただただ過去の思い出にふけります。

私にとては、これが一番つまらなかったですね。カンボジアの内戦で引き裂かれた恋人というのはありそうな設定ですが、自分にはあまりピンときませんでした。というのも、私は仕事でカンボジア、タイ、フィリピンで働いていましたが、正直なところカンボジアだけロマンス的な経験がありません。カンボジアは、東南アジアでは珍しく男社会ですから、あまり仕事で女性と関わることがなく、英語を喋るカンボジア女性も少ないので、ほとんど接点がありませんでした。それに、タイやフィリピンに比べると、日本から見て文化的に遠いなと思ってしまいます。そんなことあるのかな・・・と思って見ておりました。

「アジア三面鏡2016 リフレクションズ」の作品情報

オリジナルタイトル:Asian Three-Fold Mirror 2016: Reflections

公開年 2018年

監督 Brillante Mendoza(多数) 国定勲 Kulikar Sotho

主なキャスト 津川雅彦

加藤雅也

視聴可能メディア TSUTAYA DISCAS(日本語字幕)

「アジア三面鏡2016 リフレクションズ」のトレイラー

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