久々追加のNetflix日本語字幕付きフィリピン映画「ワン・ヒット・ワンダー 君を想う歌」

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私がこのブログを始めて、もうすぐ4か月経ちますが、その間にNetflixには15本のフィリピン映画が追加され、3本の配信が終わりました。しかし、追加された15本のフィリピン映画にはいずれも英語字幕しかありませんでした。そして2025年8月21日に、久しぶりに追加された日本語字幕付き作品が本作です。

「One hit wonder」とは、音楽業界で1曲だけ売れたアーティストのことで、日本語で言うところの「一発屋」です。面白そうな予感がしますね。また監督は、Marla Anchetaさん。彼女の「ドールハウス 〜想いをこめて〜」は非常に感動的な物語でした。また主演はSue Ramirezさん。フィリピン女性らしい愛らしさを持っている、私のお気に入り女優さんです。否が応でも期待が高まりますが、残念ながら期待外れに終わってしまいました。主人公の女性が、バンド仲間と再起をかけようとするも、まさかの離脱。途中からラブストーリーと家族ドラマへと変わってしまい、主人公は「一発屋」どころか、一度もちゃんとステージに立つこともなく終わってしまいました。フィリピン人ならラブストーリーと家族ドラマにすれば満足するだろう、という非常に安直なストーリー展開になってしまい、せっかくの素材を活かすことができず、残念な作品となってしまいました。

(Photo cited from IMDb)

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「ワン・ヒット・ワンダー 君を想う歌」のストーリー

90年代のフィリピン、歌番組のオーディションのシーンから始まります。主人公のロリーナは屋上でリハーサルをしています。隣のビルで働いていた男は、その声に惹かれ、彼女にひとめぼれしました。本番前、ロリーナがいつもお守りにしていた、亡くなった父親からもらったブレスレットが見つかりません。彼女は極端なあがり症で、このブレスレットがないことでさらにあがってしまい、本番では歌うことができず、彼女の出番は途中で打ち切られてしまいました。

そして数年後。ロリーナはCDショップで働いています。また、彼女の姪っ子が歌手として活動しており、彼女のステージママみたいなこともしています。そして、CDショップで、以前屋上で彼女を見出した男(エントイ)と再会します。エントイは、アマチュアバンドを率いていました。ロリーナに積極的にアプローチし、どうして音楽を続けていないのかと聞きます。ロリーナは、最初は迷惑がっていましたが、エントイに誘われて、彼のバンドに合流することなりました。その後、2人はあっという間に恋仲になります。このエントイという男、なかなかのやり手で、自分で曲を作り、デモテープを作って音楽プロデューサーに持っていったり、それでもダメならフェスに参加したりと、自分たちのバンドが売れるための明確なビジョンを持っています。また、ロリーナに対して誠実で優しく、良い男です。

(ややネタバレ)このままメジャーデビュー間近というところで、ロリーナの元に母から電話がかかってきました。母はアメリカで働いています。母はロリーナのサンフランシスコの大学への入学が認められた、そして今ならな金銭的にも援助できると伝えます。ここまで、そんなことは全く語られていなかったのですが、ロリーナは「音楽で有名になるのはあなたの夢。私は大学に行きたい。そして母と一緒に暮らしたい」と言い始めます。そして、肝心のフェスのステージでは、また歌い出すことができず、途中で勝手にステージを降りて、その場を去る始末。結局、エントイがボーカルをつとめ、このフェスをきっかけにエントイのバンドは人気バンドへの道をひた走ります。ロリーナは、「私は有名になるのが怖い」と、自分が歌えなかった理由を説明します。うーん、あがり症と、有名になるのが怖いは別の問題ではないですかね・・・この辺からシナリオの破綻が目立ちます。

結局、2人は別れることになり、ロリーナはサンフランシスコに旅立ちます。その時に、エントイのロリーナへの想いを歌った曲が「君を想う歌」です。この曲は大ヒットしました。

(ネタバレ)それからさらに数年後、ロリーナは学業を終えて帰国します。すでに、彼女の姪っ子も、エントイのバンドは有名になっています。さっそく、姪っ子のコンサートに向かうのですが、そのステージで、姪っ子がロリーナのためにエントイの「君を想う歌」を歌います。そして、エントイが現れます。エントイはずっとロリーナを待っていたと語ります。2人はまた付き合うことになり、今度は一緒に音楽の世界で夢を見ることを誓います。そしてエンドロールです。

どうしてこんなストーリーにしてしまったのでしょうか?ロリーナがアメリカの大学への進学を選ぶのも突然出てきた話で、まったく説得力がありません。結局、学業を活かさず、フィリピンで音楽をすることになるわけですし・・・。また、途中からラブストーリーになってしまうので、バンドが売れるための苦難とか、メンバー間でのもめごとなどもありません。むしろ、エントイと父親の関係がフォーカスされ、無理に家族ドラマを展開してきます。最後の最後は、他のバンドメンバーもロリーナに、自分の恋人や家族を紹介して、素敵なパートナーを見つけることが主題であったかのように終わります。さすがに、音楽をテーマにした作品で、判で押したようなラブストーリー、家族ドラマを、視聴者は求めてないと思うのですが・・。映画のレビューサイトでも「作品のポテンシャルを活かすことなく、凡庸な作品になってしまった」と批評されていました。

「ワン・ヒット・ワンダー 君を想う歌」の監督、出演者情報

監督のMarla Anchetaさんは、「ドールハウス 〜想いをこめて〜」「母の面影が語ること」などで、海外を舞台にしたドラマ映画を撮っています。いずれもラブストーリーではなく、味わい深い作品でした。どうして、本作はこんな凡庸な作品になってしまったのでしょうか? 主演のSue Ramirezさんは、濃い顔と厚ぼったい唇が印象的な可愛らしい女優さんです。本作でも可愛らしさは出ていたのですが、だいぶ太ってしまい、図々しい感じが漂ってしまいました。あがり症という設定ですが、普段の彼女の振る舞いが図々しく見えて、あがり症という設定も説得力がありませんでした。日本の役者みたいにいかにもあがり症という演技をする必要もありませんが、彼女の場合、自由奔放な役の方があっており、恋愛や家族を優先するという保守的な役割はあまりあっていなかったかと思います。一方で株をあげたのがエントイを演じたKhalil Ramosさん。いろんな作品で控えめな脇役を演じていましたが、主役を演じる力量を見せました。

「ワン・ヒット・ワンダー 君を想う歌」の作品情報

オリジナルタイトル:One Hit Wonder

公開年 2025年

監督 Marla Ancheta(ドールハウス 〜想いをこめて〜)(母の面影が語ること

主なキャスト Sue Ramirez(Love Lockdown)(デッド・キッズ

Khalil Ramos(Fuchsia Libre

視聴可能メディア Netflix(日本語字幕

「ワン・ヒット・ワンダー 君を想う歌」のトレイラー

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