悪霊と人間のどちらが恐ろしいか?「Lila」

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フィリピンほどたくさんホラー映画を作っている国だと、単純に悪霊が人間を怖がらせるというパターンでは飽き足らず、むしろ悪霊の方が主人公を、おそろしい人間から守っていたという作品もひとつの定番になっています。ネタバレになってしまいますが、本作はそういうジャンルの作品です。90分弱の作品ではありますが、ラスト10分まで決定的なことは起こらなず、老婆の親切な言葉の毒によって、心理的にちょっとずつ弱っていくだけというのも良かったです。タイトルの「Lila」はタガログ語で「紫」という意味です。ただ、内容との関りはよくわかりませんでした。

(Photo cited from IMDb)

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「Lila」のストーリー

若い女性(ジェス)が、下宿先を訪れるシーンから始まります。あとでわかることですが、ジェスは1年前に、自分が運転する車の事故で弟を亡くしました。罪悪感から家にいられなくなり、下宿で新しい生活をはじめようと思ったのです。

大家は親切な老女で、かいがいしくジェスの面倒をみます。すぐに仕事を探そうとするジェスに対して、老女は「そんなに焦る必要はない。私が面倒を見るからゆっくりすれば良い」と言います。ジェスは、ガーデニングをしたり、料理を作ったりと、老女とのゆったりした生活を楽しみ、少しずつ元気を取り戻していきます。また、ジェスは自分の部屋から前の下宿人(リンダ)の日記を発見します。これ以降のシーンは、ジェスと老女の何ということはない生活と、従弟のケビンの訪問シーン、そして日記を少しずつ読み進めるというシーンで構成されます。

少しずつ元気になったように見えるジェスですが、老女に甘えて仕事を探す素振りがありません。ジェスの生活費を援助しているケビンは、そんな態度に少しイラつきます。また、後でわかることですが、ケビンがジェスを援助しているのは、ジェスの弟の死と関係がありました。ジェスの両親が不在だったときに、ケビンの家が主催するパーティに、ジェスが弟を連れて行った帰りに、交通事故を起こしたのです。なので、パーティに誘ったケビンも罪悪感を抱いているのです。

ずっと過去の事故を引きずるジェスの話が展開されますが、時に奇怪な現象もあります。老女は、食べ残しを集めて、サントニーニョ(幼いイエス)の像の前に置きます。すると、食べ物が消えてしまいます。怪奇現象と言えるのは、それだけです。

老女は、かつての下宿人の写真を大量に飾っており、みながジェスと同じ年頃の女性でした。老女は、彼女らとの思い出話を楽しそうに語ります。

(ネタバレ)ジェスは、老女と一緒に大したことをせずに過ごしているだけなのですが、少しずつやつれてきます。それをケビンが心配し、家に連れて帰ろうとします。しかし、老女は、何だかんだとジェスの心配をしている風で先送りにし、ケビンの差し入れを勝手に捨てました。その頃から、リンダの日記が、「どこかからずっと見張られている」と言った被害的な内容に変わってきます。ジェスもなんだかそんな気分になってきて、老女に相談します。その際に、リンダの日記の話をしたことで、老女の態度が急に変わりました。あわてて最後のページをめくると「老女は信用しないで」「家から逃げて」「老女が妹を殺した!」と書いてありました。

老女は、ジェスに襲い掛かります。危ういところで逃れたジェスは、電話でケビンを呼び、クローゼットの中に隠れました。老女は、一人長セリフを語りながら家の戸締りをして、ジェスが逃げられないようにします。どうやら娘が家を出て行ったことを根に持っているようでした。そんなとき、危機の知らせを受けたケビンが駆け付けます。老女は、ケビンがジェスの元に向かうのを何とかおさえ、上手く隙をみてケビンに切りかかりました。

隠れていたジェスにも何かが起こりました。よくわかりませんが、クローゼットの中に何かがおり、慌てて飛び出したところ、老女がケビンにとどめを刺すところを目撃します。それから、ジェスも絶体絶命というところで、何者かが背後から老女に襲い掛かり、老女は撲殺されました。その何者かは、幼い少年のように見えました。少年は「リンダお姉ちゃん。隠れてなくてごめんなさい」と言いながら、ジェスに抱き着きます。ジェスも弟の名前を呼び、2人は抱き合いました。

その後、警察の捜査のシーンとなり、老女がおかした連続殺人事件の全容が明らかになりました。しかし、なぞの少年の話はどこにもでてきません。ジェスが、ジプニーに乗って、(おそらく)実家に帰るシーンでエンディングです。

最後まで謎の存在については明らかにされませんでしたが、いずれにせよ悪いものではなかったのでしょう。しかし、ジェスが最初に日記の最後のページを見たら台無しというのが、ちょっと残念な構成でしたね。

「Lila」の監督、出演者情報

本作の監督をつとめたGino M. Santosさんは、ベテラン監督さんですが、テレビドラマを中心に活動している人のようです。本作も素晴らしい出来とまでは言えませんが、ただ脅かすだけの安っぽいホラーになりませんでした。映画監督作品も10本ほどはあるようなので、いくつか見てみたいですね。主演のJanine Gutierrezさんは、フィリピン人らしい濃い顔に、現代的な長い手足、そして不貞腐れたような表情。ある意味、若いフィリピン女性を体現しているような女優さんです。そのためか、出演作も多いです。

「Lila」の作品情報

オリジナルタイトル:Lila

公開年 2016年

監督 Gino M. Santos

主なキャスト Janine Gutierrez(Here and There)(女と銃)(Only You)(Maybe Today

Enchong Dee

Sherry Lara

視聴可能メディア Youtube(英語字幕のみ)

「Lila」のトレイラー

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