フィリピンでは珍しい法廷ドラマ「Guilty Pleasure」

スポンサーリンク

フィリピン映画をそれなりに見てきましたが、初めて弁護士を主人公とした法廷ドラマを見ました。フィリピン映画における法廷シーンが、貧乏な者、力なき者が、えん罪を着せられる場所でしかないですからね。しかも、女性弁護士を主人公にして、不同意性交をテーマにするという野心的な作品です。フィリピン映画らしく、このテーマを描くために無理なシーンがあったり、構成が悪くわかりずらいところがあったり、それは弁護士的にアウトでしょう?というシーンがあったりと、問題点も多々見られる作品ですが、硬派なテーマに取り組み、さらに濃厚なセックスシーン、復讐という要素も詰め込んだ意欲作となっています。この意気込みを評価したいですね。

(Photo cited from IMDb)

スポンサーリンク

「Guilty Pleasure」のストーリー

SM女王が男をなぶっているシーンから始まります。その後、主人公の女性(アレックス)が弁護士で、裁判ものであることがわかります。彼女は、同僚の弁護士(アダム)と付き合っています。最初から2人の濃厚な前戯が描かれます。

そして次のシーンが最後まで理解を妨げた問題のシーンですが、インフルエンサーの男が、付き合っていた同じくインフルエンサーの女をレイプしたと訴えている事件の男側から弁護の依頼がありました。男は非常に態度が悪いのですが、彼のマネージャーみたいな人のプッシュで依頼を受けることとなりました。アレックスは、男に諸経費は別で20万ペソを要求しました。すると、アレックスを「EX」呼ぶ若いイケメンの男(マチュー)が、自分が女側の弁護につくことになったと宣戦布告してきました。実は、このシーンは時系列的にずっと後のシーンなのですが、前半に挿入されています。オープニングで後半のシーンが挿入されることはありますが、オープニングを終えてしばらく経ってから、事件の依頼を受けるという、いかにも序盤のシーンに見える後半のシーンが挿入されたことで、非常にわかりずらくなってしまいました。また、フィリピンで「EX」と呼ぶと、それは元恋人と言う意味ですが、現在付き合っている男との濃厚セックスシーンのあとに出てくれば、「元恋人」なのかなと思ってしまいます。「EX」は単にアレックスのニックネームでした。しかし、アレックスを「EX」というニックネームで呼んだのは、作品の最後の最後なので、ずっとわからないままでした。しかも、この後半のシーンを前に持ってきたのは、混乱をもたらしただけで、何の効果もありませんでした。

時系列でみていくと、最初アレックスは、アダムと付き合っていました。しかし、急にアダムが、ボスの娘と結婚することが発表されます。しかも、アレックスが付き合っていると思っていた4か月間、まったく同時並行でボスの娘と付き合っていたというのです。アダムは、ボスの娘を妊娠させてしまったため急遽結婚することになったのです。

職場恋愛だったので、アレックスは2人の関係を隠していたので何ともなりません。納得できませんが、自分の気持ちを飲み込んで冷静を装っていましたが、ある日、アダムがアレックスの家を訪れ、「自分は君を愛している」などと執着をみせ、いやがるアレックスと無理やりセックスしてしまいました。お互い弁護士ですから、そのシーンはないでしょう。それに、こんなことがバラされて困るのは、アダムの方です。無理があるシーンですが、レイプ事件の被害者と自分を重ね合わせるために作られた無理なシーンでした。その後、アレックス担当の事件を外されてしまいます。これも紛らわしいシーンでした。冒頭のレイプ事件を外されたものと思っていましたが、何か他の事件だったようです。時系列的には、レイプ事件の依頼は、これよりもあとのシーンです。

その後、やけ酒を飲んで酔っ払っているときに、若くイケメンの男と出会い、翌日、彼(マチュー)が、司法研修性として配属されました。彼は、大きな弁護士事務所を率いる父を持っているおぼっちゃんです。彼は父の仕事の影響を受けて弁護士になったと言います。一方で、アレックスも父の影響で弁護士になったと言います。しかし、彼女の場合、微罪で長期刑務所に収監されている父の汚名を晴らすためでした。

アレックスとマチューが親しくなったことで、アダムは嫉妬してアレックスにちょっかいを出します。そこを妻に見られてしまいました。その妻が、自分の父である所長に「アレックスは若い研修生に手を出している。しかも、以前はアダムにも手を出して、とっかえひっかえ男と遊んでいる」と誣告しました。ボスは、「ハラスメントだ」と言って、強引にアレックスを自主退職に追い込みました。

その後、アレックスは自分の小さな事務所を立ち上げ、そこに依頼に来たのが、冒頭のシーンの依頼人です。事件と言うのは、女は半年以上男と付き合っていたのですが、「オフィシャル」ではない関係でした。「いつオフィシャルになれるの」という彼女の問いに、男は「もうすぐだ」と誤魔化します。そんな流れで、女は嫌々ですが男とセックスしました。しかし、翌朝、携帯電話に他の女の写真があったことに怒り、その後レイプされたと訴えたというのです。女としては、「その日は同意していない」という言い分です。気持ちはわかりますが、レイプ事件として、男に刑事罰を与えるのは無理があるんじゃないですかね・・・。

裁判でも、2人は6か月の間、毎週セックスをしていたことが開示され、被害者の女がインフルエンサーであることも、この事件で視聴者を増やすためではないかと言われ、アレックスの有利に進みます。というか、アダムもマチューも、時々「異議あり」というだけです。女の方を勝たせるためには、ミラクルを見せなければならないのに、あまりに無策でした。この点も脚本に力が足りなかったですね。

(ネタバレ)その後、被害者の女が、レイプされたと警察に被害届を出して、病院で検査を受けたときに同行した友達が、なぜ証言しないのかという点に議論が移ります。女は、「なぜか、その日からいなくなってしまったのだ」と言いますが、レイプの話をして、その後連絡も取れない友達の存在が疑わしく、レイプ事件もでっちあげであるという印象を強くしてしまいました。

その後、その女友達は発見されました。彼女は、ゴーゴーバーで働いており、男とは金のために寝ており、被害者の女に共感できないので、この事件について証言しないのだそうです。

結局、裁判はアレックス側、つまり訴えられた男側の勝利となりました。アレックスとの親しさが問題視され、この事件の担当を外されたマチューは、すでに父の会社へ転職していました。そのため、マチューは、心からアレックスを祝福することができました。

その後、まだ納得できないという被害者女性の元をマチューが訪れ、上告することを提案しました。そんなとき、女の元に送り先不明の書類が届きました。それが何だったのか明らかにされませんでしたが、おそらくゴーゴーバーの女の証言をまとめたものでしょう。マチューは、これで勝てると確信します。私は、そんなもんで勝てるだろうかと思いましたが・・・。この行為が、映画サイトで、フィリピン人弁護士から「あり得ない」と大きな非難を受けていました。

その後、被害者女がアレックスのもとを訪れ、アレックスもまた不同意性交の被害者であったとの告白があったり、父親の裁判やり直しを試みようとするも、父に「私は罪を犯した。罪は認めることで、神に許されるのだ」と宗教的なことを言われて、弁護士の仕事の悲哀を感じたりするシーンもありました。また、アダムには、SMの女王様として近づき、彼の痴態を写真に撮ったあとばら撒くという復讐シーンが展開されたのち、最後はアレックスとマチューがビーチで熱烈なキスをするシーンでエンディングです。

まあ、とにかく盛沢山の作品でしたね。濃厚なセックス、2つの不同意性交事件、2つの復讐、キリスト教的宗教観、それに裁判、SMと盛沢山すぎて、うまくまとめ上げることまではできませんでした。私個人としては、無理があるなというシーンはあったものの、最終的に内容を理解することができましたので、非常に楽しめた作品でした。作中で、アレックスとアダム、アレックスとマチュー、事件の2人の3つのセックスシーンが濃厚に描かれるのも、作品に独特の妖艶な色を与えていました。今後も、こういった作品を作って欲しいですね。

「Guilty Pleasure」の監督、出演者情報

本作品の監督をつとめたConnie Macatunoさんは、ベテラン監督さんですが、フィリピンでは珍しく、作品数の少ない監督さんです。女性監督なので、出産や育児も影響しているのかもしれません。本作は力作ですが、正直いままで聞いたことのない名前です。他の作品も見ていきたいと思います。

メインの3人は、いずれも有名な俳優が演じています。特にアレックスを演じたLovi Poeさんは、30代になって美人なだけでなく、内面的な美しさと、スタイルの良さを見せ、今後も役の幅が広がりそうです。

「Guilty Pleasure」の作品情報

オリジナルタイトル:Guilty Pleasure

公開年 2024年

監督 Connie Macatuno

主なキャスト Lovi Poe(汝が子宮)(バトル・オブ・モンスターズ)(Seasons:めぐりゆく季節の中で

JM De Guzman(What If?)(That Thing Called Tadhana)(Tandem

Jameson Blake(悪キャラ養成アカデミー

視聴可能メディア Netflix(英語字幕)

「Guilty Pleasure」のトレイラー

タイトルとURLをコピーしました