普通の男にとって金持ち女性が相手だと大変というお話「Maybe Today」

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Netflixのフィリピン映画を週に2ー3本ずつ見ていっているのですが、どうしてNetflixのフィリピン映画には恋愛映画がこんなに多いのでしょうか? 正直、中年男性にとって恋愛映画をたくさん見るのは大変です。とは言え、本作は数あるフィリピン恋愛の中では比較的、男性にとっても見やすい作品です。最も多いパターンは、庶民の女性がお金持ちの男性と出会うという少女漫画展開ですが、本作は逆だからです。こういうパターンもなくはないですが、やはり恋愛映画の消費者は圧倒的に女性なので、少女漫画設定のものが多くなります。女性がお嬢様で、男性が庶民なので、心理描写も男性目線の方が中心で、控えめなものになります。「こんな振る舞いをされると、男としては何も言えなくなるわな・・・」みたいに、自己投影しながら見ることができる作品です。オリジナルタイトルの「ngayon kaya」は、「今だから」みたいな意味です。

(Photo cited from IMDb)

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「Maybe Today」のストーリー

旧友の結婚式で、再会した2人の物語です。物語が進行するにつれわかってきますが、男(ハロルド)は、3年前(9年前に2人は出会い、6年間友達だったのだと思います)に仕事のためにカナダに行き、久しぶりの帰国です。女(AM)は、元ハロルドの大学の同級生で、2人はかつで一緒に音楽の道を目指していました。非常にぎこちない態度の2人なので、かつて恋人関係だったのかと思いましたが、恋人ではなかったようです。

ストーリーとは関係ありませんが、この結婚式の新婦は、多くのフィリピン映画の汚れ役をやっているDonna Cariagaさんです。アジアンの隅田みたいな感じでしょうか? もっと過激にいつも汚れ役をやっています。「え?この人が新婦なの?」と、多くのフィリピン人が思ったことでしょう。

現在、ハロルドはカナダのレストランで店長をやっているそうです。AMは、叔父の製薬会社で働いています。過去のシーンと、現在のシーンを行ったり来たりしながら、2人の関係が見えてきます。2人は大学の同級生で、いつしか音楽活動を一緒にすることになりました。ハロルドは、AMに好意を抱いており、AMもその気があるのかと思っていましたが、AMには恋人がいました。AMが恋人とキスをしているシーンを見て、ハロルドは思いを胸にしまいました。また、ハロルドは、実家の養殖場の経営がうまくいっておらず、ミュージシャンとしてなかなか芽が出ないにも関わらず、ずっと夢だけ追いかけ続けることができるAMに対して、ハロルドはついていけないと感じ始めていました。

その後、AMが恋人と別れて2人の距離が近づいたこともあったのですが、上記のようなこともあり、ハロルドが一歩踏み出す勇気を持てず、だらだらと友達関係が続きます。しかし、実家の養殖場が破綻したときに、2人の関係に終わりが訪れました。ハロルドは家族のためにもっとペイの良い仕事をしなければなりません。元々、AMと出会う前から考えていたカナダへの出稼ぎに出ることとなりました。AMはハロルドの家族における立場など理解できないので、自分勝手な発言を繰り返し、彼を引き留めようとしました。それが2人の関係を決定的に終わらせていたのです。

ところが、3年の時を経て、AMも自分の愚かさを理解して、すっかりしおらしくなっています。しかし、ハロルドは既にカナダで婚約しています。お互いに、遠回しに、当時のお互いの気持ちを確かめますが、いずれも直接聞くことができません。そもそも、今更聞いてもどうしようもありません。

(ネタバレ)結局、ハロルドがカナダに帰国する日が訪れます。AMは今更どうすることができるわけでもないのですが、もう1度会いたくなり、ハロルドに会いに空港に行きます。たまたま、ハロルドはパスポートを忘れて、飛行機を乗り過ごしため、翌日まで彼女と過ごす時間を得ました。これがタイトルの由来でしょう。

2人は、思い出の場所をまわったり、思い出の曲を歌ったりしながら、2人がお互いが惹かれあっていたことを確認します。AMは思い切って「あなたが、ここに残るというのは?」と聞いてみましたが、「そうするよ、あと2時間だけ」と答えられてしまいました。AMは、この世界には、無数のパラレルワールドがあって、そこでは2人が一緒になった世界もあったね、というのが精いっぱいでした。しかし、このくらい控えめなラブストーリーの方が私には好みでした。

カナダに向かう飛行機に乗るところで、何度も後ろ髪をひかれて振り返るハロルドのシーンでエンディングです。

「Maybe Today」の監督、出演者情報

本作の監督をつとめたPrime Cruzさんは、代表作というのが思いつかない監督さんです。ホラーを撮って見たり、ラブロマンスを撮って見たり、エロを撮って見たり、E-Sportsものを撮って見たりと、様々なジャンルの映画を撮りますが、いずれも目立った作品にはなっていません。

ハロルドを演じたPaulo Avelinoさんの代表作は、なんと言っても「GOYO 若き将軍」でゴーヨー将軍を演じたことでしょう。その他にも多くの作品に出演しています。AMを演じたJanine Gutierrezさんは、癖のあるわがまま女性を演じることが多い女優さんです。本作も、わがままお嬢様を演じていました。

「Maybe Today」の作品情報

オリジナルタイトル:Ngayon kaya

公開年 2022年

監督 Prime Cruz(GG(Good Game)

主なキャスト Paulo Avelino(GOYO 若き将軍

Janine Gutierrez(Here and There)(女と銃)(Only You

視聴可能メディア Netflix(英語字幕のみ)

「Maybe Today」のトレイラー

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